
<大盛況>
土曜は毎月恒例のワイン会「Salon de Soleil(サロン・ド・ソレイユ)」にお邪魔して来ました。
場所は赤坂のスペイン料理店「
グランビア(Gran Via)」さん。
こちらはソムリエ・女優の竹本聡子さんが主催されるワインの会。1時間ほどのワインについての講義、講義内容に沿ったワイン各種、そしてワインに合わせたコースが楽しめます。

<生ハムYeah!>
今回の講義テーマはスペインワイン・後編。
スペインの内陸部、大西洋、南部地方とバルアレス、カナリアの諸島群。
flickr 1012- Salon de Soleil Wine Class
御酒:1108 Salon de Soleil 35th ワイン会参加/泡沫のテンプテーション の事
御酒:1107 Salon de Soleil 34th ワイン会参加/次回は泡特集 の事
御酒:1106 Salon de Soleil 33th ワイン会参加/Visca! Espana! の事
御酒:1105 Salon de Soleil 32th ワイン会参加/Io amo LUCE! の事
御酒:1104 Salon de Soleil 31th ワイン会参加/イタリア南部 の事
御酒:1102 Salon de Soleil 30th ワイン会参加/イタリア中部 の事
御酒:1101 Salon de Soleil 29th ワイン会参加/イタリア北部 の事
御酒:1012 Salon de Soleil 28th ワイン会参加/フランス総集編 の事
竹本聡子先生 公式ブログ

<アリオーン!>
饗されたワインのリストは以下の通り。
・アルダレス・アイレン 2009(白)
Ardales Airen 2009
内陸部地方/カスティーリャ・ラ・マンチャ、Vino De La Tierra カスティーリャ、ボデガス・アルスピデ(Bodegas Aruspide)造
アイレン100%
「100%オーガニック。シトラス系の香り、爽やかスッキリ辛口白。」
・ピエドラ・ルエンガ・フィノ NV(酒精強化)
Piedra Luenga Fino NV
南部地方/アンダルシア、D.O モンティーリャ・モレリス、ボデガス・ロブレス(Bodegas Robles)造
ペドロ・ヒメネス100%
「オーガニックの酒精強化ワイン(シェリーなど)。淡い黄金色、キレある辛口、繊細なアロマ。」
・ペタロス・デル・ビエルソ 2008(赤)
Petalos del Berzo 2008
内陸部地方/カスティーリャ・レオン、D.O ビエルソ、デセンディエンテス・デ・ホセ・パラシオス(Descendientes de J. Paracios)造
メンシア100%
「プリオラートを代表する生産者がビエルソに進出。樹齢60年以上のメンシアをビオディナミ農法で。バランス最高。」
・エル・ピカロ 2008(赤)
El Picaro 2008
内陸部地方/カスティーリャ・レオン、D.O トロ、ボデガス・マツ(Bodegas Matsu)造
ティンタ・デ・トロ100%
「製造者名の「Matsu」は日本語の「待つ」、「Picaro」は「ガキ大将」。樹齢の高いティンタ・デ・トロをビオディナミ農法で。その名に相応しく若々しい果実味。」
・アリオン 2004(赤)
ALION 2004
内陸部地方/カスティーリャ・レオン、D.O リベラ・デル・デュエロ、ボデガス・イ・ビニョドス・アリオン(Bodegas Y Vinedos Alion)造
ティント・フィノ100%
「「ウニコ」のベガ・シシリアのセカンドカンパニー。熟した果実味の奥にスパイシィな香り。まろやかなタンニン、ダークチョコレートのような苦み。長い余韻の本格派。」
今回も素晴らしかった…
スッキリしたアイレンの白、バーボンのようなアロマのフィノ、エレガントなメンシア、フレッシュなティンタ・デ・トロ。
そして最高だったのがアリオン。あのベガ・シシリア肝煎りということを度外視しても、その複雑な美味しさに感動。フレッシュな口当たりから、深く濃く響く、長い余韻が素晴らしい。



<海鮮Yeah!>
お食事ももちろんスペイン
赤坂のグランビアさんは、気さくなエスパーニャバルと言った雰囲気で、相当にステキ。
まずは海鮮。マダコと山芋のカクテル、マダイのカルパッチョ、サバのフリッター。この辺はタパスといった感じ。スペインチックでおいしい……



<料理名は虚覚えスマン>
豚肉のラタトゥイユ載せ、牛肉とフレッシュコーン・フルーツトマト、二種のチーズの蜂蜜がけ。
もちろん、肉料理もばっちり。全体に素材の味を生かしたシンプルなものが多く、個人的には実にフェイバリットです。

<生ハム至高!!>
そして…なによりも生ハム!
この日はスペインから取り寄せたハモンセラノに、秋田の自家牧場で育てたイベリコ豚の生ハムに、と、もうありえないほど最高。
これがワインに合わないなんてことがあろうか、いやありえない!ぐらいの勢いです。
このハムだけのためにでも、も一度お邪魔してみたい、そんなお店でした。
手頃な呑み放題コースもあるようですし、いずれまた。
ということで、次回は8月20日(土)。
夏のスパークリングワイン特集です!
恵比寿のデッラ・コリーナさんにて、シャンパーニュを始め5種類の泡モノをとっかえひっかえという…なにそのセレブパリィ?的な(笑
これは凄いことになりそうです。

<ミロぽ>
それはそれとして、スペインワインのあれこれについて、頂いたレジュメからちょこっと抜粋しておきます。
そして相変わらずラベルが素敵。
アルダレス・アイレンの白。ちょっとミロっぽくて印象的。

<ギャランドゥ>
こちらはエル・ピカロ(ガキ大将)。ガキというか完全にイケメンですな。
ボデガス・マツのこのシリーズは、熟成度の違いでガキ大将から、エル・レシオ(働き盛り)、エル・ビエホ(長老)と、ラベルの男性が年を重ねていく趣向になっているとか。そんなところもオサレ。
楽天市場 ワイナリー和泉屋 ボデガス・マツ
スペインのワインの歴史は、仏伊よりも速いBC1100年頃。フェニキア、ギリシア人により到来。その後若干の停滞があり、本格的に盛んになったのはローマ人が訪れるBC200年頃。ヴェニスやジェノヴァの商人によってローマ全土に流通するように。
その後、AC711年にイスラム勢力の支配下に入り、禁酒を是とするイスラムの戒律により、ワイン生産は衰退。1492年のレコンキスタまでその枷は続くことに。
そして19世紀後半、フランスでフィロキセラ(ぶどう根アブラムシ)が発生。フランスのぶどう園が大打撃を受け、被害を逃れたスペインに生産者と技術が流入することに。これによって、スペインのワイン生産が一気に近代化。
50年代から60年代にかけては、大量生産ワインが中心だったものの、70年代に独裁政権が集結を見るとともに、ワイン造りも量から質へ方向転換。
80、90年代にはプリオラート、リアス・バイシャス、ラ・マンチャなどの銘醸地が新興。21世紀の現代では、最新の醸造学を導入した新しい世代のワイン造りも始まり、スーパースパニッシュと呼ばれる新鋭ワインが誕生。新たな黄金期を迎えることに。
ちなみに、2012年にはあのロートシルトとスペインの名門ベガシシリアがジョイントベンチャーを起すとか…ルーチェ再びですな。楽しみです。
スペインのワイン法、原産地呼称DO(Denominacion de Origen)制度成立は1932年。フランスの1935年に先駆けます。
現在では品質分類が6段階。上から、V.P.(Vino de Pago 単一ぶどう畑限定高級ワイン 09年現在9ヵ所)、D.O.C(Denominacion de Origen Calificada 特選原産地呼称ワイン 09年現在2ヵ所 リオハ、プリオラート)、D.O(Denominacion de Origen 原産地呼称ワイン 70ヵ所以上 10年登録でD.O.Cに昇格)、V.C.I.G(Vino de Calidad con Indicacion Geografica 特定地域ワイン 5年登録でD.Oに昇格)、Vino de la Tierra(地方ワイン Vinedos de Espana)、Vino de Mesa(テーブルワイン)。
それぞれ熟成期間に応じて、Sin CrianzaもしくはJoven(熟成無し)、Crianza(赤24ヵ月、白18ヵ月)、Reserva(赤36ヵ月、白24ヵ月)、Grand Reserva(赤60ヵ月、白48ヵ月)に分類。
また、変則的なD.Oとして、発泡性ワインCAVAがある。これは原産地がひとつには限られず、指定された産地からのぶどうを使用できる。Reservaは瓶詰めから滓抜きまで15ヵ月、Grand Reservaは30ヵ月。シャンパーニュの15ヵ月に匹敵する品質基準。
今回扱われたのは、スペイン内陸部地方、大西洋地方、南部地方、バレアレス諸島、カナリア諸島。
内陸部地方はドゥエロ川流域と首都マドリッド南部。カスティーリャ・イ・レオン州、マドリッド州、カスティーリャ・ラ・マンチャ州、エストゥレマドゥーラ州。
産地としては、ティンタ・デ・トロの濃厚かつ洗練された赤ワインで注目の「トロ」。辛口白ワインの「ルエダ」。ベガ・シシリア、ペスケーラの産地「リベラ・デル・ドゥエロ」。近年人気急上昇、スペインのブルゴーニュ「ビエルソ」。スペイン最大の栽培面積「ラ・マンチャ」など。
なんと言っても「ベガ・シシリア」。スペインワインの頂点「ウニコ(ユニークの意)」の生産者。地ブドウのティント・フィノにカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、マルベックなどボルドー品種をブレンド。それぞれ平均樹齢40年以上の古木、さらに出来の良い年にのみ瓶詰め。樽熟成も、大樽で1年+新品小樽で2年、古樽で4年、合計7年の熟成が基本。瓶詰め後もセラーで寝かされ、早くて10年、遅い場合は20年という徹底ぶり。
当所は自家消費&友人向けのプライベートブランドだったのですが、あまりの高品質に市上に出回るようになったそうですが、一般ではなかなか購入すらできません。
別名「友だちのワイン」ということから、チャールズ皇太子の結婚式用に大量購入を打診されても、数が揃わないから、と断った逸話からもその希少性が伺えます。ちなみに、ただ断るのも失礼とベガ・シシリアからお祝いに…三本だけ贈られたそうです。三本…まあそれだけ数がないと言うことですね。
楽天で検索しても5万円前後。今回いただいた、セカンドカンパニーのアリオンでも8千円。おいそれとは…(笑
大西洋地方は大西洋沿岸からポルトガルとの国境。ガリシア州、アストゥリアス州、カンタブリア州など。産地は、ガリシアの女王と呼ばれる名醸地「リアス・バイシャス」など。
南部地方は地中海と大西洋の間。アンダルシア州など。シェリー酒(酒精強化ワイン)で知られる「ヘレス・セレス・シェリー」「マンサニーリャ・サンルカール・デ・バラメダ」。同じく酒精強化ワインで知られる「モンティーリャ・モリレス」など。
その他、欧州屈指のリゾート地マヨルカ島を抱えるバレアレス諸島、カナリア諸島などが。スペインは広いです。
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