2016年06月22日
カメラ:2016年のシュノーケリング用水中撮影用機材についての考察
OLYMPUS TG1ユーザーのシュノーケラーの方からのご相談がありました。
主にレスポンス、AF性能に不満があり、コンデジからのステップアップにミラーレスを検討中。比較機種はOLYMPUS E-PL7、SONY α6000、NIKON 1 J4に純正ハウジング、安価な社外ハウジングなど。
結論としては、シュノーケリング用途では、中途半端なレンズ交換式より、ハイエンドコンデジの方が向いている可能性が高い。AF性能とマクロ性能を考慮すると、具体的には、NIKON DLシリーズの発表を待つのが得策か。ということになりました。
以下抜粋です。
水中でのマクロ撮影について
既存のTGシリーズのスーパーマクロは最大撮影倍率が7倍近くあり、顕微鏡クラス。(一般的なマクロレンズが1倍)。
これとの比較は難しいが、PENの標準ズームの12-42mmも、最望遠の42mm(フルサイズ84mm)で0.46倍。ハーフマクロ(マクロレンズの半分の近接性能)並に寄れる良いレンズ。
一眼レフの最短撮影距離は、カメラ内部のセンサーからの距離なので、レンズ先端から5cmぐらいになる。水中ハウジングを考えるとこれが限度になる。
NIKON1の10-30PDは最大撮影倍率が0.55倍。感覚的にはマクロレンズは不要と思えるほど寄れる。水中ではなおさら。
以下、NIKON 1 J4+1 NIKKOR 10-30mm PDでの、ほぼトリミング無しの最接撮影サンプル。
サンゴなど静物以外ではこれ以上近づけない場合の方が多い。
AF性能とレスポンスについての考察
E-PL7は過去の同シリーズより相当良くなっているが、コントラストAF(センサーをAFと撮影で兼用している。コンデジ相当で遅い)のみ搭載。像面位相差AF(AF専用センサーがある。最速。)採用機との差は確実にある。
NIKON1とα6000、富士フィルム各種、オリンパスではE-M1だけが、ミラーレスで位相差AFを積んだ機種。
PL7はコントラストAFでは最速との評価だが、対NIKON 1では、レスポンス、特にAF性能はやや落ちる。ワンテンポラグを感じるが、実用上は全然問題ないレベルでもある。
TGシリーズからでは、感覚的にはレスポンスは二倍、画質は四倍。NIKON 1 J4比では画質は1.5倍ほど良好と思われる。
安い純正ハウジングがあるのはNIKON 1のJ4までの機種。評判の良いJ5用は未発売である。
OLYMPUSは総じて高価(5万円以上)。
α6000は激安中華ハウジングが17,000円である。
AFはNIKON 1と同等、画質は遥かに良い。本体はレンズキットで7万円前後。しかし激安中華ハウジングは肝心のマクロレンズが不可。
なお、PL7用ハウジングもマクロレンズが不可。PL6用は可能だった。3万円びメーカー改造で、マクロレンズポートに交換できるが、標準ズームで四隅が蹴られるという報告がある。
NIKON 1 J4は標準レンズキットが28,000円。純正ハウジングは過去2万円台まで下落したが、現在は38,000円。画質を考慮するとやや価格的に厳しいか。
NIKON 1 J4のAF性能と画質について
サンプルのように、透明度が低く、海藻他の異物が多く、肉眼でも目視しがたい状況。ピントが合焦しづらいコンディション。
目標にピントを合わせるため、角度を変えたり、タイミングをずらしたりして、一瞬の間に何度もAFを起動。ピントが食いついたらシャッター連射で撮影するシチュエーション。
このような難しい状況で、J4のAF性能、像面位相差AFのレスポンスの速さと精確さには助けられる。ダメ元で適当に操作した場合でも、後で確認するとピントが合焦している画像が撮れている場合が多い。
他社のカメラと比較すると、数値的には小さな差だが、シュノーケリング、素潜りでの撮影という特異なシチュエーションでは、その積み重ねが大きな差になる。
しかし、タンク背負ってのスキューバダイビングでは、そこまでの速写性は求められないので、PL6やPL7など、コントラストAFでも大きなセンサーを持つ機種の方が良い結果が出るだろう。
実際、この画像はSS1/160、f/8.0、ISO400で撮影されているが、比較的低感度でありながら全体的にノイジーに感じられる。Lightroom上のRAW現像の際に、かすみの除去を行っているため、ノイズがより強調されていることもあるが、J4の限界とも言える。
比較検討機種のdxomarkスコア
82点 α6000
80点 D700
73点 E-M1
72点 E-PL7
65点 J5
53点 J4
30点くらい TG-1
TG-1は未記載であったので、OLYMPUS 1/2.3センサー採用機種を参考。
PL7は良好な数値。像面位相差AFの未搭載、純正ハウジングのマクロレンズ廃止が惜しい。
なお、この数値は、画質だけでなく画素数も加味される。
そのため、2400万画素のα6000が1200万画素のD700を超えるが、高感度耐性ではD700が2400、α6000は1300と、フルサイズの優位性はなおある。
NIKON 1のJ4とJ5の場合は、2割り増しの結果が出ている。
数値が全てではないが、実際、画像を比較しても、一目で分かる差があるように思える。高感度耐性はさほど変わらないが、低感度領域がぐっと底上げされている。J4は低感度からノイズが乗り、くすんだ印象があるが、J5では低感度から明瞭に感じられる。巷の噂では、画質に定評のあるソニー製裏面照射CMOSセンサーを採用しているとのこと。
この低感度領域(ISO160~400ぐらい)はシュノーケリングでも日常的に使う領域。撮影の大部分がそこに収まる。この差は印象に大きな差となる。ソニーセンサーのJ5 or DLの純正ハウジングの発表、またはセンサー採用のAW2の発表が待たれる。
比較検討機種のAF性能の私感
90点 α6000
90点 D700
90点 E-M1
60点 E-PL7
90点 J5
90点 J4
30点くらい TG-1
像面位相差AFとコントラストAFの差は大きく感じられる。
現状での結論
以上、最終的にはNIKON DLシリーズの発売を待つのが得策か。
NIKON 1譲りの像面位相差AF、J5世代の良画質(スコアで70点を超える可能性)。レンズ固定式による、明るいF値・マクロ性能、と、シュノーケリング用に最適になる可能性。
発売日が未定であること、価格が高値で推移しそうなこと、そもそも純正ハウジングの発表もされていない、という問題点もある。
つなぎとしては、1万円ジャストまで下落した、NIKON 1 J1用純正ハウジングWP-N1を検討することもできるかもしれない。中古品のJ1と合わせ27,000円で購入可能。
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2016/06/22 17:53:11
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