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2014年08月28日 イイね!

ボクスターGTSのエンジンをカレラやBMWと比べてみる

ボクスターGTSのエンジンをカレラやBMWと比べてみる焦がれるような想いが通じたのか、注文中のボクスターGTSの生産枠が10月に確保できたと、今月初めにディーラーの知らせがあった。本国での増産体制が整ってきたらしい。発表になったばかりで、注文が殺到しているマカンの生産体制との折り合いが付いてきたとも聞いた。

ともあれ、順調に進めば、遅くとも来年1月には納車が可能になる。おかげで、まだ余裕があると思っていた資金繰りとオプション選びに制限が生じてしまったが、実車が少しでも早く手に入るのは何よりも嬉しいし、年末年始ということになれば、そう遠い先にも感じられない。まだ何も知らないに等しいポルシェの研究にも力が入るというものだ。

それで、例によってボクスターGTSのエンジン性能曲線(dyno)グラフを描いてみた。比較のために、同じポルシェのカレラS、カレラ、そしてBMWのE92-M3、M235iのデータも加えた。それが左のタイトル画像だ。

ところで、異なった車のdynoグラフを一枚にまとめて比べることには、車の色々な違いからやや無理があるが、特にパワー・ウェイト・レシオなどで表される、パワーと車重の関係は無視できない。そこで、上のグラフを、ボクスターGTSの車重を中心として計算し直して描いたのが下のグラフだ。



Dacorとは、Data correction、つまり数値を補正した、という意味。ボクスターGTSの車重1,345kg(DIN=乾燥重量)をベースに、各車のトルクと出力を減少してある。参考のために、グラフ中右に、各車のパワー・ウェイト・レシオも記しておいた。

BMWの比較対象としては、4LでV8ながらも、ここで取り上げたポルシェと同じ自然吸気(NA)の先代M3と、ターボ・エンジンながらも、ボクスターやケイマンに比べられることの多い、3Lで直6のM235iを選んだ。両車とも日本仕様でMTの設定があることも、比較対象とした理由だ。

このグラフを完成するために、情報を集めたり、データを入力したり、色を付けたり、数字を追記したりしながら、そして出来上がったグラフを見ながら、私は本当に色々なたくさんのことを考えた。それらを、今ここに簡単にまとめてみる。

まず、ボクスターGTSの、と言うよりも、そもそもポルシェのエンジンは4,000回転からの伸びが激しい。それはカレラやボクスターGTSでも、E92-M3をかなり上回っている。まるで中回転型のターボを備えているように見える。

それでも、8,000回転以上まで素直に伸び上がっていくE92-M3のエンジンも、改めて素晴らしいと思う。また、ターボならではの、大きな低~中高回転トルクを持つM235iのパワーの出方の早さも素晴らしい。ただ、高回転の頭打ちがいくらか早い。

そしてポルシェのエンジンは、このNAで伸び上がりが良いE92-M3と、ターボによるトルクが大きなM235iの中間的な性格があることがわかる。さらに、ポルシェのトルクの形をよく見ると、回転域によって微妙な上下がある。この特徴はとりわけカレラSに顕著で、ドラマチックな走行感覚の演出が目的ではないかと思われた。

ただ、エンジンのパワーはギアによって走りの形を作りあげるものだ。このことは次に考えたい。





※ 9/8追記 … コメントをいただいた方のご要望により、ポルシェの水平対向6気筒NAを搭載した8車種(カレラS、カレラ、ケイマンGTS、ボクスターGTS、ケイマンS、ボクスターS、ケイマン、ボクスター)のDynoグラフを次に掲載する(データ補正はなし)。



これら8車種のうち、ケイマンとボクスターのGTSの2車種は、カタログにはグラフが記載されていない。したがってこれら2車種のグラフは、他の車種ごとのトルクとパワーの相違の仕方を参考にして、推測値を割り出した。

たとえば、素のケイマンとボクスター(それぞれグラフのオレンジ線、水色線)の間には、10Nmのトルク差と、7kWのパワー差があるが、トルク・カーブの違いは、ピークに向かう4,000回転以後に生じている。逆に言えば、4,000回転までなら両車に差はないのだ。

この特徴は、ケイマンSとボクスターS(それぞれ茶線、黄緑線)の間でも同じだった。それで、ケイマンGTSとボクスターGTS(それぞれ紫線、黒線)の関係も同様であろうと推測した(ただし、ケイマンGTSでは最大トルクの発生回転数範囲が若干狭い点は他の981系にはない特徴である)。

これらの推測によるボクスターGTSのパワー・カーブの特徴は、6,700回転時の最大パワー(243kW)を過ぎた後の7,400回転時に、おそらく、ケイマンSの最大パワー(239kW)とほぼ同じパワーを発していると思われる点にある。ポルシェの水平対向気筒NAの許容回転数は、おしなべて7,800回転だが、ケイマンほど高回転に寄っていないボクスターのパワー特性でも、GTSにおいては、レブ・リミットまで回し切る価値は十分にあると感じられる。
Posted at 2014/08/28 15:42:57 | コメント(18) | トラックバック(0) | ポルシェ・カレラ | クルマ

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「[整備] #ケイマン 2024/7/12:12ヶ月法定点検:走行距離 9,593km https://minkara.carview.co.jp/userid/224462/car/2612759/7865831/note.aspx
何シテル?   07/14 02:42
Porsche Cayman GT4に乗っています。他にBMW320dツーリング(G21)が妻の車です。 ハンドルネームの「スパグラ」は、初めてのBMW車...
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