
川又さん(仮名)という先輩の話です。長く東南アジアに駐在されていて、現地で農工業全般の技術指導員をされていました。ジャングルや鳥も通わないような深い渓谷等で様々な動植物の研究をされていた時期もあり、短期間では難しいとされる赤道直下での生活にも完全に順応した様子でした。帰国のたびに、風貌が現地の方に近づいているのが明らかで、5年目には、日本人とは思えないほどになっていました。
東南アジアとの往復も手慣れたものになっていたはずなのですが、そこに大きな落とし穴がありました。現地での出国手続きで、「KAWAMATA」を殴り書きで署名したために、カワディ・アト(仮名)と間違えられてしまったのです。よりによって重罪の容疑者が使用する偽名の一つだったため、大騒ぎになっていました。「自分は、KAWAMATAという苗字の日本人だ」と主張しても、かえって容疑を深めてしまう悪循環でした。カワディこと、その容疑者は、外国語に長けた変装の名人であるとの情報があったらしいのです。「お前、日本人ではないだろ」と何度も詰問されたといいます。
先輩は、大使館の協力もあり、少し遅れてですが、無事帰国しました。
海外でのオフィシャルな署名は、丁寧に分かりやすい字体で書かなければなりません。
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2022/10/26 12:09:35