
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
稲垣潤一の「夏のクラクション」は、景色が思い浮かぶ名曲です。
「海沿いのカーブを君の白いクーペ。曲がれば、夏が終わる」という歌いだしから、泣きそうになります。
思い浮かぶのは、必ずしも夏の恋ばかりではありません。学生時代のテニス部での夏季個人戦が思い出深いです。いつかは、最後の瞬間がやってきます。3年生のときには、決勝まで勝ち進みましたが、そのときも最後のときはやってきました。
相手にマッチポイントを握られ、絶体絶命です。あらがっても仕方ありません。失点を積み重ねた結果訪れた危機なのですから、後悔先に立たずです。開き直って、そのときの自分自身にとってベストなワンプレーは何かを考え、それを実行するしかありませんでした。
そして、負けた瞬間、稲垣潤一の名曲と同様に、夏が終わったのを実感します。初夏の強化練習に始まり、軽井沢での合宿を経てから、延々と自主練習に励んだテニス漬けの日々にいったん終止符を打つのです。
本来は、早期敗退したときのほうがショックは大きいはずなのですが、実際には、そうではありませんでした。勝ち上がった回数に比例して、落ち込みも深くなりました。あの寂寥感には、失恋以上のものがあり、そういう意味では、テニスに恋をし続けた学生時代だったといえます。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、あの名曲に出てきた白いクーペは、俺の試合会場に駆けつける桃子の車だったんじゃないの~。
「惜しかったね。はい。タオル」
テニスの試合後って、カノジョがタオルを手渡すって、いうじゃない。
前後左右に散々振りまわされた敗者が、本当に欲しいのはタオルではなく、水分ですから、残念。
(桃乃木侍)
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2024/03/02 08:49:39