
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
1980年代から90年代は、シンガーソングライターとして成功しているアーティストが、アイドル系シンガーに自分の曲を贈ることがたびたびありました。続けてセルフカバーし、それもまたヒットする事例もありました。来生たかお「セーラー服と機関銃」、尾崎亜美「天使のウィンク」、村下孝蔵「初恋」、大沢誉志幸「1/2の神話」、井上陽水「飾りじゃないのよ涙は」、松任谷由実「時をかける少女」等が、思い浮かびます。
最近、YouTubeで偶然、松田聖子版の「恋人がサンタクロース」を発見し、作曲が呉田軽穂ではなく松任谷由実の名前になっていることに驚きました。きっと、聖子さん側から、是非歌わせて欲しいと猛烈にリクエストしたのではないかとみています。それくらい曲の世界観と本人の歌声がよくマッチしており、「シングルを出していたら大ヒットしただろうな」と思いました。見事な歌唱ぶりに、ずっと聴き入ってしまいました。
ところが、途中から、暗雲が立ち込めてきました。
――まずいよ、聖子ちゃん。それは、ダメだって。やり過ぎだよ。ユーミンから苦情きちゃうよ。
過度のアレンジが原因で、原曲のアーティストから、アイドルシンガー側への抗議に発展した事例を知っているからです。
聖子さんは、出だしからアイドルオーラ全開で、サビの部分になると、軽くスキップしながら歌唱していました。
――絶対に怒られる。ご主人(正隆氏)のほうが激怒するかも。そういえば、ユーミンがらみではない別のあの事例でも、激怒したのはご主人のほうだった。
検証するために、原曲の動画を確認しました。
「このギター演奏すげえ」と思ったら、絶頂期の高中正義でした。
ですが、それよりも驚かされたのは、ユーミン本人でした。振り付けのアクションはキレキレで、サビになると、ほとんど飛び跳ねながらの歌唱になっていました。聖子さんが霞んでしまうほどの圧巻のパフォーマンスでした。
文芸視線では、「隣のおしゃれなお姉さん」という歌詞が秀逸です。小説であれば、原稿用紙2~4枚(800~1,600字)相当の描写をたった一語に収めています。あくまで少女の感性で、美人や色香というニュアンスを出さなかったところが、かえって想像を掻き立ててきます。さらには、「違うよ、それは絵本だけのおはなし」という主人公が少女だった頃の過去形の台詞を、ごく自然に曲中へ埋め込んだところが天才的に上手いと思いました。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、隣のきれいなお姉さんは桃子のことで、サンタクロースが俺という設定の曲なんじゃないの~。
「あなただけに、Merry Christmas」
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2024/11/23 08:20:16