
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
研究者には、「セレンディピティ」という言葉を好む方が多いようです。英国童話「セレンディップの3人の王子」に語源があり、「何かを探求しているとき、偶然に、別の非常に価値のあるものを発見する」ような意味合いで用いられています。「ラッキー」とほとんど同義に思えますが、優れた洞察力が前提にあり、「聖なる研究成果をラッキー呼ばわりするとは何事ぞ」というところなのでしょう。
車選びでも、セレンディピティはありそうな話です。運命に導かれるなにかを感じて、当初の構想とは異なる車種に落ちついたという話は、普通によくあると思います。
私見として、「ラッキー」は、確率統計の数理に支配されるために連続性が乏しいです。対する「セレンディピティ」では、不断の努力の賜物ゆえに、一つの成功が新たな成功を呼び寄せてくれる可能性を感じます。
ここで、菊池桃子ネタをねじ込みます。高校時代に失恋で落ち込んでいたところ、親友の野間君(仮名)に誘われて彼の家へ遊びにいきました。部屋に、大量の漫画がありましたので、放課後の気晴らしには最高の環境でした。寝転がって、週刊ジャンプに夢中になっていると、続きが知りたくなり、手探りで次号を探していました。そこで手に当たったのが、創刊されたばかりの小学館「MOMOCO」で、その表紙を飾っていたのが、メジャーデビュー前の桃子さんだったわけです。
自分の中で、ビッグバンが起こりました。失恋なんて一瞬で吹き飛び、元々の構造どころか、構成元素さえも分からないバラバラの素粒子の状態になりました。宇宙と同様に、空間の急膨張を伴うインフレーションが起こり、桃子ワールドが誕生したのです。41年間ひと筋でファンを続けてきているのは、まったく不思議な話ではありません。桃子ビッグバンが超高温だったゆえに、余熱が著しいのだと思います。
さらには、宇宙の形成とは異なる重要な点があり、現在に至っています。2015年に、本格的な芸能活動の再開に向けてアクセルを踏むことになった桃子さんの出版記念イベントに参加しました。先着順で、普通に整理番号を入手できました。係員による厳しいチェックと説明があり、握手なしで数秒程度の会話しかできないことを了承していました。なのに、桃子さんが事務所の段取りとは異なる行動を起こし、半個室、握手ありで、30秒近く自由に話ができる機会を作ってくれました。この2度目のビッグバンは、1度目よりも強烈でしたので、余熱どころか、いまだに高温で、41年前よりも熱心なファンになっています。
ここで、上述の研究者の気持ちがよく理解できるようになりました。桃子さんのイベント情報をくまなくチェックする習慣があったからこそ、ごく小さな出版イベントにも参加できたのです。サッカーの本田圭佑流に表現すると、持ってる人間ということなのでしょう。自分的には、セレンディピティそのものであったと結びたいと思います。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、桃子の機転で、俺の順番から、握手あり、長めの会話ありに変更したんじゃないの~。
君は今も、君のままで。
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2025/06/07 09:00:34