
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
「TBSのベスコングルメに出てたね。桃子ちゃんって、鰻好きなんだねえ」
「桃子ちゃん、川越に鰻をよく食べにいってるみたいだぞ」
TVの影響は、絶大です。番組ロケでたまたま訪れただけの店なのに、そんな複数の声が私に寄せられていました。とても有難い話でした。
非常に古い、それこそ50年近い昔の出来事なのですが、似た話を知っています。俳優の宇津井健がTVで語っていた話でした。当時、山口百恵主演で、「赤い運命」というシリーズドラマがあり、宇津井氏も重要な役で出演していました。脚本で、弱者側の設定になっていたそうです。その放映期間中に、プライベートで街を歩いていると、主婦達からよく話しかけられたと述懐していました。
「宇津井さん、あなた騙されてるからね」
「気をつけてね。狙われてるわよ」
宇津井氏は、その場で感謝の念を示しつつ、内心で苦笑するしかなかったそうです。裏返すと、視聴者が現実と混同してしまうほどドラマに迫真性があり、俳優冥利に尽きる話だろうと思いました。
菊池桃子さんに関しては、鰻が大好物のように見えるハイレベルの食レポを完遂し、あたかも通い慣れた街のように歩いていたということなのでしょう。上述の宇津井氏と同種の反響だと思いました。
――公式ファンクラブMOMOCANS’に名を連ねる熱烈なファンの視点では、どう見えていたのか。
一番注目したのは、鰻ではなく、桃子さんの衣装でした。ライブを記念して制作された限定品のTシャツを着ていたのです。ファンクラブ的には、フォーマル衣装です。しかも、かなり古いバージョンでした。古くからのファンに対して、「みなさん、元気?」と問いかけているように感じました。少なくとも、私は、そう受け取り、胸が熱くなりました。
鰻のほうは、桃子さんが「この店にいきたい」とリクエストしたわけではないでしょうし、脚本どおりに役を演じたのに過ぎません。しかも、入店したのは、人気店とはいえ、新興勢力でした。天保3年創業の大御所とか、他の名店の選択肢もあったろうに、と口惜しく思っていました。
川越市は、高校時代によく遊んでいた馴染みのある街なので、鰻屋のことも分かります。「いちのや」と「小川菊」が一頭地抜けた存在になっています。味云々以前に、江戸時代から連綿と続く鰻料理の文化をオーラとしてまとう雰囲気は、他店にはない要素です。
桃子さんが食べた鰻のことなんて、ほとんど興味がないと断じる流れになっていますが、実際は、どうなったのかという話に続きます。
番組放映から1週間後、たまたま川越市内を走っていました。小江戸川越で売り出している街なので、景色は、ほぼ昔のままです。「たぶんこの辺りにある店なんだろうな」と思いながら、適当に右折すると、そこが、ロケのあった「林家」という鰻屋の前でした。土地勘があるとはいえ、鰻か、桃子さんに導かれたとしか思えないほどの偶然でした。
確かに、タレが新興店の若い味でした。でも、老舗並みに美味しいと思いました。――結局、その店にいったんかい! とツッコミを入れて下さい。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、天保3年創業の老舗でのロケは、「これからめぐり合う大切な方と2人きりでいきたいから」と断ったんじゃないの~。
So darlin’
Save the last dance for me.
Posted at 2025/12/13 08:44:42 | |
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