
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
「お客様は神様です」という言葉のルーツをご存じでしょうか。あるいは、ご記憶でしょうか。紫綬褒章と勲四等旭日小綬章を受章されている昭和の大スター、三波春夫です。
3年前に生誕100周年を迎えており、「昭和」というよりは、「戦後復興期に活躍された」という表現のほうが正確かもしれません。22~26歳という人生で最もアクティブになれる4年間をシベリア抑留に奪われた経験もあるそうです。
何故、三波春夫を思い出したのかというと、身近で悪質なカスタマーハラスメントが立て続けにあり、顧客に隷従することが本当に正しいのかという懊悩煩悶が生じたからです。上述の「神」のフレーズは、漫才のレッツゴー三匹がネタとして流行させた経緯があり、余計な言葉を広めてくれたなあと今さらながらに思ってしまいました。
そこで、はたと気づきました。大正生まれの日本男児であり、その後のどん底の時代も経験している大御所が、「神」という表現を安易には使わないのではないか、と。
この疑念は、思いのほか、簡単に解決へ至りました。逝去から14年が経過しても、「三波春夫オフィシャルサイト」は健在であり、そこにフレーズの意味合いがことこまかに記されていたのです。「神前で祈るときのような澄み切った心で客席に向かい合う芸人としての心構え」という明快な説明でした。顧客のいいなりになるのとは、まったく別次元の話であり、通説は誤用だということです。
戦後復興期の芸能は、今よりも観客が厳しく、「引っ込め」「金返せ」というような怒号が飛び交うことも珍しくなかったといいます。それだけ舞台で真剣勝負をしていたということなのでしょう。
――長い前振りになってしまいましたが、話をカスハラに戻します。弁護士の助言もあり、電話で必ずしも本名を名乗らなくてもよいのではないかという話になりました。この直後、「てめえ、名前は?」と威迫される新規のカスハラがあり、応対した社員が、「Xですけどなにか」というような感じで、アドリブでの偽名を使いました。
本名とは別のコード名を正式に作る計画段階にあり、Xを創作したのは、軽いフライングでした。その後、想定していたとおり、「Xを出せよ、コノヤロー」という電話が繰り返し、かかってきました。偽名のお陰で応対者のメンタルは守られました。ただし、問題もありました。別の部署にXという氏名の部長がいるため、迷惑をかけてしまったのです。こういうことをするときには、段取りが重要であり、即興でやってはいけないという教訓が得られました。
備えあれば憂いなしの思想に基づき、自分もビジネス用のコード名を作ろうと考えています。既に、ファミレス等の席待ちに使用しているコード名があり、それを少し改良することになると思います。
「2名でお待ちのキクチ様、キクチさま~あ」
「おっ、桃子、呼ばれたぞ」
いつもそんな気分を味わっています。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、桃乃木桃子だと、夫婦漫才のコンビ名みたいだから、俺が菊池姓を名乗る約束になっているんじゃないの~。
こんにちは、こんにちは、握手をしよう。
Posted at 2025/08/30 10:02:42 | |
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