BMW Z4(E89)35iにお乗りのオーナー様から
ユニフォミティマッチングのご依頼を頂きました。症状は車体とステアリング振動との事です。BMW等の高性能車は素晴らしいハンドリングと引き換えにサスペンションが敏感なのでシミー(微振動)や車体振動が出やすくなっています。原因は果たして何でしょうか?只今絶賛修行中の手下1号が作業しましたが改善出来たのでしょうか?
ホイールはTWS EX-fB タイヤはピレリCinturato(チントゥラート)P1 235/35R19 265/30R19 です。
DOTコードから製造国は中国のようです。
現状把握の為、ユニフォミティマシン
GSP9700にフランジプレートを使用してユニフォミティと重量バランスを測定します。
測定結果です。重量バランスが30~50g、RFVが60~100N程度狂っています。BMWの場合はRFVが100N程度でも振動が出てしまう場合が有ります。今回の振動原因は主にリアのRFV不良だと思われます。

ユニフォミティマッチングをするために一旦タイヤを外します。

ホイール単体のバランスを測定しましたが、2Pですが流石鍛造です。ウエイト貼り付けモードで20g程度なので良好です。

ホイール単体の振れを測定して、ローポイントにマーキングしてからタイヤを組み込んでいきます。頑張れ手下1号

タイヤ組込み後、GSP9700でユニフォミティを再測定します。
測定後、タイヤのRFV1次ピークにマーキングします。

レバーレスタイヤチェンジャーを使用してマーキングを合わせ(位相組換え)てからGSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。

タイヤ単体のRFVは70Nですが、ユニフォミティマッチング後は45NとRFVを低減出来ました。機械の指示通りではうまく行かない場合も多く、RFVが最小化するまで位相組換えを実施します。
剛性的(RFV)真円度を高めてから重量のホイールバランスを取ります。
こちらも1g単位で取り、残留アンバランスを出来るだけ低減させます。

ユニフォミティマッチング後の数値です。RFVがほぼ半減しました。手下1号から見習い1号に昇格です。
取付面も清掃してコパスリップします。

RFV1次ピークを上死点にして規定トルクで装着します。
完成です。
詳細数値です。
ホイールは2Pの為、どうしても多少の振れは出てしまいます。リアの振れが少し大きいですが許容範囲内です。タイヤ単体は結構バラつきが有りましたが、マッチング後はRFVは55N以下に出来ましたので大丈夫だと思います。個人的ですが、ピレリは設計は良いのですが、品質にバラつきが大きいような気がします。
ホイールの振れですが、ビードシート部で3P、2Pは0.6mm以下1Pは0.2mm以下が望ましいです。
アッセンブリーのRFVですが、国産車は120N以下、高性能車は80N(フロント40N)以下が望ましいですが、18インチ以上で80N以下にするのは結構難しいです。
さらにホイールのインセットを変更してスクラブ半径が変わると加振力が増幅されますのでご注意ください。
重量バランスやRFVが悪いと、フロントの場合はハンドルに、リアの場合はフロアや車体が振動します。
今回はRFVが半減しているのでかなり改善できると思います。オーナー様ご利用ありがとうございました。
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ユニフォミティマッチング | 日記
Posted at
2013/06/14 21:18:56