
タイヤを交換してから、ステアリングのぶれでお悩みのお客様から
ユニフォミティマッチングの依頼が有りました。
症状は100km/h~で発生するステアリング微振動(高速シミー)との事です。
完治は難しいシミーですが原因は何でしょうか?
車両はアウディQ5 ホイールは純正18インチ タイヤはピレリ SCORPION VERDE(スコーピオンヴェルデ)235/60R18です。
現状把握の為に、HUNTER
GSP9700ユニフォミティテスターにセットしてユニフォミティとホイールバランスを測定します。
ユニフォミティ(RFV LFV)の測定結果です。左前輪と右後輪のRFVが100Nオーバーです。出来れば80N以下に収めたい所です。
RFVが悪いといくらホイールバランスを取っても振動は無くなりません。この事を完全に理解している方は残念ながらプロでも少数です。
RFVを測定するにはユニフォミティテスターを使用するのが唯一の方法ですので中々理解されないのが現状です。
この程度のRFVでは国産車は振れない場合が多いのですが、高性能車や輸入車はサスペンションが敏感な為に振れる場合が有り、タイヤ選びは重要です。
重量のホイールバランスの数値です。20~30g程度の狂いでした。バーデンではフランジプレートとハブフィットコーンを使用して車両装着状態を再現して測定しています。
測定結果から、RFVと重量バランスの狂いでシミーが発生していると思われるので、ユニフォミティマッチングでRFV最小化を実施します。
一旦タイヤを外してホイール単体のランナウトを測定し、タイヤを正確に篏合させる秘密の職人技を駆使して組付けます。
作業は最近メキメキと腕を上げて来た?見習い1号です。

組付け、測定、位相合わせ、測定を繰り返しRFVを最小化します。RFVを最小化してから重量のホイールバランスを精密に取ります。
調整後の測定結果です。あまり改善出来ませんでしたが、RFVの良い物を運転席から近い場所に装着します。
装着時の偏芯もシミーの元ですので、清掃後装着していきます。

RFV1次ピークを上死点にする事により、より真円度を高めて装着します。
完成です。
詳細数値です。
ホイールのラジアル(縦)ブレは0.07mm以下と非常に優秀でした。
ホイールの精度が高かったので、あまりRFVが低減出来ませんでした。篏合不良が無い場合は通常ホイールの振れ0.03mmで5N程度の改善が可能です。
ピレリタイヤですが、60扁平でこのRFVは少し残念です。個人的にピレリは設計は良いと思うのですが、品質にバラつきが大きいと感じています。
数値的にはあまり良くないのでシミーの改善は難しいかもしれません。
オーナー様ご利用ありがとうございました。
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ユニフォミティマッチング | 日記
Posted at
2013/09/26 13:18:41