
高速走行時の車体振動でお悩みのオーナー様から
ユニフォミティマッチングのご依頼を頂きました。
お陰様で全国からお問い合わせや作業の依頼を頂いているのですが、作業時間が丸1日掛かりますので現在作業予定が1ヶ月~となっており申し訳ございません。
問合せの多さを見ると振動問題で悩まれているオーナー様は非常に多いと感じます。
車両はBMW 323i(E90)症状は高速走行時の車体振動で、主に上下振動でステアリングシミー(ハンドルの回転方向の振動)は発生していないとの事です。
タイヤを新品に交換してから症状が発生して、購入店でホイールバランス等の見直しをしたが改善せずバーデンのブログを見て来店されました。
通勤で高速道路を使われていて苦痛で仕方がないとの事でした。
タイヤはピレリ P-ZERO RFT(ランフラット)ホイールは純正M193 18インチです。ランフラットは製造が難しく個体差が大きいために振動は出やすいです。
原因追及の為にユニフォミティテスター
GSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。
測定結果です。RFV(ラジアルフォースバリエーション)が100N以上とかなり悪いです。特にリアは200N以上と不良品レベルの数値でした。今回の車体振動の原因はリアのRFV不良と考えられます。
RFVが悪いとジャイロスコピックプリセッション作用でステアリングの振れや車体振動の原因となり、いくら重量のホイールバランスを精密に取っても治りません。
RFV不良の原因には4つの要因が有り、(タイヤユニフォミティ、ホイール精度、組付け精度、装着精度)原因追及の為にタイヤを外します。
ピレリタイヤにはブラダーを使わないMIRS(ミアス)という製造方法が有り、タイヤの内側がミシュランの
C3M製法と同じようにつるつるです。ただしミシュランとは考え方が違う様で、経験上
MIRS製法の物でもユニフォミティ的にはあまり良くない印象です。
一部の方に勘違いされている様ですが、当店ではミシュラン全般を一押ししているのではなく、C3M製法で作られたタイヤの真円度の高さを一押ししています。グリップやウェット乗り心地といった以前にタイヤに求められる基本的な性能=丸い=ユニフォミティ(均一性)が高い事がタイヤを評価するうえでの最重要事項だと考えているからです。仕向地が海外のタイヤは
右側通行用が多いのも要注意です。
ホイール単体の精度を測定して、タイヤを組付けます。組付け後RFVを測定してタイヤのRFV1次ピークとホイールのローポイントを位相合わせしてRFVが最小になるまで組み替えます。レバーレスチェンジャーでランフラットタイヤでも楽々です。



1日掛けて組み替えた結果です。フロントはRFVが大幅に減少しているので、組み方に問題(篏合不良)が有り、リアについては組み方とタイヤ単体のRFV不良が原因と考えられます。
少しでも装着状態のRFVを改善する為にRFV1次ピークを上死点にして装着します。装着時の
偏芯取付も振動原因になることが多いです。スペーサーやハブリングもあまりお勧めできません。
完成です。
詳細数値です。
ホイールの精度は問題ないのですが、リアタイヤのRFVがかなり悪いです。ピレリ Pゼロでこの数値の場合は不良品として交換可能だと思いますのでオーナー様には購入店にて相談して頂くようにお伝えしました。(RFV許容値はメーカー、ブランドで異なり廉価な物ほど大きい傾向です。極端に安いアジアンタイヤ等はRFV200N程度は普通です。)
今回の車体振動の原因はリアのRFV不良でした。フロントが悪いとステアリングに、リアが悪いと車体やフロアに振動が出る場合が多いです。
RFV不良も、タイヤ、ホイール、組付け方、装着方法の4つに分けることが出来ますので切り分けて原因追及しないと改善出来ない場合が多いです。
振動問題で良くアライメントが出てきますが、基本的に主要因とはなりませんのでご注意ください。
後日お客様から、振動は3~4割減少し、苦痛だった物がぎりぎり許容範囲に収まったとの連絡を頂きました。
購入店の方からも連絡を頂き、数値の説明もさせて頂いたのでその後交換できたと思います。
オーナー様ご利用ありがとうございました。
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ユニフォミティマッチング | 日記
Posted at
2014/04/24 10:41:58