以前に、ハイウェイシミー(高速域でのハンドルブレ)でお困りのオーナー様のユニフォミティマッチングを行った結果、タイヤ単体のユニフォミティ不良が微振動の原因でした。購入店を通じてメーカーにタイヤの検査を依頼した結果、メーカー基準ぎりぎりでは有りますが、基準内の為に対応不可との所、購入店のご厚意で、摩耗分を差し引いた追金でタイヤを新品に交換できたそうです。
新品のフロント2本を
ユニフォミティマッチングするべく今回も大阪より来店いただきました。
車両はBMW E90 323i です。
メーカーのタイヤ検査結果です。
RFVについて、社内基準を100とした場合に検査タイヤが92と97という結果でした。ポイントはRRO(無負荷状態のタイヤの寸法的な真円度)が56と良好なのに、RFV(荷重を掛けた状態の真円度)が92~97と悪い事です。これはいくらバランサー上や、車体に取り付けて空転させても綺麗に回転しているので原因の追究は難しいのです。長年の経験と勘で位相組換えをされる非常に優れたタイヤ職人さんでもRFVについては測定機が無いとどうしようも無いのです。
販売店様のご厚意で新品交換してあります。
レバーレスタイヤチェンジャーでタイヤを外します。
ホイールをユニフォミティテスター
GSP9700にフランジプレートを使用しセットしてビードシート部のランナウトを測定します。
RFVを低減する秘密の技を使って組み込んでいきます。
再びGSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。
測定結果からタイヤのRFV1次ピークをマークして、ホイールのローポイントと合わせるために位相組換えします。
タイヤ位相組換え後の数値です。タイヤ単体のRFVが55Nですが、ホイールのローポイントと合わせることにより、組付け状態で40Nに低減しています。
RFVを低減してから、重量のホイールバランス(ウエイトバランス)をゼロバランスにします。
今回フロント2本のみユニフォミティ調整を実施しました。
アッセンブリーのRFV1次ピークを上死点にして、車両に装着します。これは、ハブの僅かな隙間(0.01~0.05mm)を利用してさらなる真円度を高めるために行います。
詳細数値です。タイヤ、ホイール共に良好です。
前回のバーデンにて測定したタイヤ単体のRFVですが、105Nと135Nでした。ユニフォミティ測定に関しては、所謂原器が無く、測定器差が大きく、ホイールのリム精度による所も大きいので何とも言えませんが、メーカー基準は大体130N前後ではないかと考えられます。(バーデンのテスターが狂っているかもしれませんが。。。) 歩留り(コスト)を考えると致し方ない部分では有りますが、改めてタイヤは個体差が大きい物だと感じました。基準値付近の物を装着するとどうしても微振動が発生しやすくなります。特にサスペンションが敏感な輸入車オーナーさんはご注意ください。
今回は40N以下に収まったので、シミーは大丈夫だと思います。
オーナー様遠方よりご来店ありがとうございました。
Posted at 2012/08/13 20:46:32 | |
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ユニフォミティマッチング | 日記