
ベンツS210 E320にお乗りのオーナー様から、ハンドルブレのご相談が有りました。80km/h程度から振れるとの事で、今までにあらゆる部品を交換したが治らず、バーデンのブログを見て来店されました。果たしてシミー(微振動)の原因は何でしょうか?
ステアリング振動との事ですので早速試乗してみます。。。。。
40km/h時から振れています。トントントンと周期的に微振動が伝わってきます。
タイヤホイールが原因の場合は、固有振動数の関係で40km/h、80km/h、120km/h、160km/h、200km/hと40km/h間隔で振れる場合が多いです。
今までにマウント、アームブッシュ、ローター、オンザカーバランス、アライメント等考えうる部分は全て交換されたそうですが効果は無く、唯一ましになったのはプロペラシャフトを再バランスした時だけだったそうです。
タイヤホイールは19インチです。残り山は半分程度です。
ユニフォミティテスター
GSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。
フロント右の測定結果です。RFV(ラジアルフォースバリエーション)が165Nでした。
フロント左は75Nでした。
LFV(ラテラルフォースバリエーション)は15Nでした。
一般的にRFVが100Nを超えると振動(シミー)が出やすくなります。特にハンドリング重視のスポーツカーや輸入車はフロント40N以下、リア80N以下が望ましいですが、実際はばらつきが大きく中々難しいのが現実です。
今回のハンドル振れの原因は右フロントのRFVが原因だと思われます。但しタイヤが半分以上摩耗しているので、今回は
ユニフォミティマッチングせずに、タイヤ交換をお勧めしました。
輸入車に多いのですが、回転系(タイヤ、ホイール、ローター等)のバランスが悪いと、各ブッシュやベアリング、ボールジョイント等に負担が掛かり寿命が非常に短くなります。振動の根本原因を取り除かないとすぐに車体にガタが来ますのでご注意ください。
オーナー様は半ば意地になって原因追及していたそうで、かなり遠回りしましたが、原因が分かって良かったです。車の回転部分で最大の質量が有るタイヤホイールはやはり重要だと思いました。オーナー様ご利用ありがとうございました。
Posted at 2012/11/23 19:12:26 | |
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ユニフォミティマッチング | 日記