
今回は東京にお住いのオーナー様からユニフォミティマッチングの依頼を頂きました。バーデンのブログを見て、
ユニフォミティマッチングに興味を持たれて、タイヤ交換時に施工するために来店いただきました。
車両は
ルノーメガーヌRSF1チームリミテッドエディション日本限定30台と言う非常にレアな車両です。
タイヤはバーデン一押しのミシュランPSSです。ミシュランは組込みにコツが必要で、PSSはさらに技術が必要となります。PSSを組む事に関しては自称日本一だと勝手に思っています。当店で購入して頂いたのでユニフォミティ値は保証します。
タイヤを外します。

ホイール単体を
GSP9700にセットしてビードシートのランナウトを測定します。

ホイール測定後秘密のテクニックを使ってタイヤを組み込んでユニフォミティを測定します。

測定結果です。ホイールのローポイントとタイヤのRFV1次ピークが反対の位置に有ります。組み合わせ上最悪な状態になっています。

マーキングをして、タイヤチェンジャーにセットして位相合わせをします。

再びGSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。
組換え後の数値です。アッセンブリーのRFVが55Nから15Nと低減しています。タイヤの位相を180度近く変えているのに重量バランスはほとんど変化していません。この事はタイヤ単体の重量バランスが良い事となり、タイヤ単体の重量バランスが良いと高速ユニフォミティが良い事に成るので速度記号(Y)300km/h越えも伊達ではないのです。PSSのC3M製法の凄さです。

重量バランスが多めなのはTPMS対応ホイールの為です。外国ではTPMSの装着が義務付けられている場合が多く、ホイールに座繰りが有るとバランスが悪いです。
RFVを最小化してから重量バランスを取ります。残留バランスを限りなく低減させるために1g単位でバランスさせます。

今回ホイールが1本変形していました。プロットで見てもインナーリムが1か所変形しています。

外観でも結構凹んでいます。
組込み後の測定数値です。以外にもRFV1次は悪く無く、RFV2次が悪いです。縁石ヒットなどでリムが曲がった場合は、衝撃で全体が卵型に歪む事が分かります。2次が悪い場合は40km/h前後で15hz前後の振動になるので低速シミー(微振動)の原因になる場合が有ります。

4本を半日程掛けて組みます。
ハブ取付面も重要です。0.1mmの狂いでハンドルぶれやシミーの原因となります。

RFV1次ピークを上死点にして装着して終了です。歪んだホイールはRFVが良くても運転席から一番遠い所に装着します。
完成です。
詳細数値です。
今回はホイールの歪みというハプニングが有りましたが何とか許容範囲内に収める事が出来ました。結構走行されているのでホイールの精度は今一つですがある意味ホイールも消耗品ですので仕方ない部分もあると思います。
組込みにコツが要りますが、PSSの真円度は群を抜いています。C3M製法のような製法を日本のメーカーも早く実用化して頂きたいです。
オーナー様にはしっかりと慣らし運転をお願いして納車しました。
今回は遠方よりご来店いただきありがとうございました。
Posted at 2013/07/04 17:42:57 | |
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ユニフォミティマッチング | 日記