
高速走行時の微振動(ハンドルぶれや車体振動)にお悩みの
audi arq様がご来店されました。タイヤを交換してから症状が悪化して、通常走行も難しいようで何とか改善出来ればとの事でした。
高速シミーは改善する事が難しい現象ですが、原因は何でしょうか?
車両はアウディオールロードクアトロ(C5)です。
ホイールはBBS製のアバンギャルドというホイールで、タイヤはGT RADIAL ChampiroUHP1チャンピロUHP1 225/55R17です。
現状把握の為に、HUNTER
GSP9700にセットして、ユニフォミティと重量バランスを測定します。
測定結果です。RFVは60N以下、重量のホイールバランスも余り狂っていません。
バランスウエイトも多く無いので高速ユニフォミティも悪くなさそうです。廉価なアジアンタイヤ?ですがユニフォミティは悪く無いですね。

オーナー様とお話をして、今回は
ユニフォミティマッチングはせずに、精密バランスのみ実施して様子を見る事にします。見習い1号が頑張って残留アンバランスを限りなく低減します。

タイヤホイールには特に問題が無いようなので、シミーの原因は取付に有るようです。ホイールのインセットを合わすためにスペーサーを使用しているのですがノーブランドの商品なので寸法を測定します。測定結果ですがあまり良く無いです。通常ホイールやハブのクリアランスは0.1mm以下なのですが0.2~0.5mmと大きくばらつきも有ります。ハブ付なのですがあまり意味が有りません。

ボルト座面の当たりもあまり良くなさそうです。
ホイール側の当たり面も線接触になっています。
球面を測定した所、12Rのようです。ホイールの形状から13Rか14Rのようです。
ホイールナットやボルトの球面には種類が有り間違うと当たり面が線接触となり緩みやすくなったり、シミーの原因となりますのでご注意ください。
精密バランスを施工して、RFVの良い物をフロントに装着します。
RFV1次ピークを上死点にして装着します。
完成です。
後日オーナー様から連絡を頂いたのですが、完治はしていないが、振動は半分程度になり、何とか許容範囲内との事でした。少しでも改善出来て良かったです。
今回ホイールやスペーサーはオークションで購入されたみたいですが、ノンブランドの廉価品は精度や強度が良く無い物が多いのが現状です。輸入車に多いボルトで留めるタイプにはスペーサーは良くないです。どうしてもスペーサーの内外で0.1~0.2mm程度の偏芯が出てしまいます。
偏芯取付は僅か0.2mmでバランスウエイト換算で20g程度の加振力が発生してしまいますので敏感な車両ではシミーの要因となりますのでご注意ください。
audi arq様ご利用ありがとうございました。
Posted at 2013/07/10 16:42:45 | |
トラックバック(0) |
ユニフォミティマッチング | 日記