ごくごく一部のマニアな方?には大変お待たせいたしました。
前回の続きとなります。
プジョー308ccを新車購入された
regias4様ですが、高速走行をするとステアリングが
振れる高速シミーの症状が出るとのことで来店いただきました。
(症状が出る速度域が通常良く出る速度域80~100km/hより少し?上で出るようです)
サスペンション、タイヤ等の固有振動数の関係で、高速域では振動は出にくいのですが、
ステアリングのブレの原因は何なのでしょうか?
タイヤホイールアッセンブリー状態のユニフォミティと重量バランスは特に問題有りませんでした。
さらなる原因追求の為に、ホイールからタイヤを外して、ホイールのランナウトを測定 します。
結果は、4本共にラジアル(縦)方向に0.02~0.09mmの振れでした。数値的には
かなり良い数値です。
原因不明だな~と思いながら、タイヤを組み込もうとタイヤを持った瞬間
痛~い????
手に何か刺さりました。タイヤをよ~く見ると大変な事になっていました。
タイヤのビード部分の内側が切れていて中からビードワイヤーが出ています。
タイヤの構造は
こちら※グッドイヤーさんのHP
他のタイヤを確認した所、4本中2本ビードが切れていました。
損傷場所は、共にホイールアウター側で、酷い方が右フロントに、もう1本は右リアに装着
されていました。
ビード切れの原因ですが、タイヤ、ホイールの状態を見る限り、外部からの入力は
無さそうです。可能性としては、組込時に何らかの原因で損傷したとしか考えられません。
但しサイズが225/45R17なので、通常のタイヤチェンジャーならまずあり得ないと思います。
純正なので、ライン機で組込の場合は何らかの不具合が有った可能性は有りますが。。。
ハンドルの振れの原因追求どころではなく、お客様が、静岡まで帰れませんので、急遽当社に
在庫が有るミシュランパイロットスポーツ3を装着する事にしました。
(225/45R17は国産車では結構レアサイズです)
大人の事情によりとりあえず2本のみの交換となりました。
ビード損傷の心配の無いレーバーレスタイヤチェンジャー SICE(シーチェ)
S300を
使用して、バーデン自慢の
ユニフォミティマッチングで組込ます。
ミシュランパイロットスポーツ3 1本目タイヤ単体45Nで組込35Nです。
ユニフォーミティは良好です。
ミシュランパイロットスポーツ3 2本目タイヤ単体35Nで組込20Nです。
さすがミシュランです。振動に敏感な車両の場合は40N以下が望ましいです。
最初から装着されていたコンチネンタルスポーツコンタクト3 1本目タイヤ単体55Nで
組込50Nです。悪く無いですが、もう少し頑張ってほしい所です。
コンチネンタルスポーツコンタクト3 2本目タイヤ単体60Nで組込50Nです。
ユニフォミティの良いパイロットスポーツ3を前輪に装着します。
運転席に近い所からユニフォミティの良いタイヤを装着すると、振動を感じにくくなります。
車両に装着して完成です。トラブル?も有り作業に半日ほど掛ってしまいました。
ステアリングのブレが治っているといいのですが。。。。。
後日、某タイヤメーカーのお客様相談センターに、ビード損傷と振動の関係について
聞いてみた所、ビードの損傷と振動の因果関係はタイヤを見ないと分からない
が、ビードワイヤーが切れている状態だとリムとの嵌合が甘くなり高速走行時に振動が出る可能性は有るとのことでした。
メーカーとしては、ビードが損傷しているタイヤはエア漏れが無くても絶対に使用しないでくださいとの事でした。
バーデンで使用しているGSP9700ですが、低速ユニフォミティしか測定できません。
ビード損傷のタイヤの場合、高速ユニフォミティを測定すれば原因が分かったかも
知れませんが、メーカー位しか測定器は無いと思います。
ビードの損傷ですが、純正の状態で切れている事は非常に珍しいと思います。
某軽自動車の純正15インチで見かけた事は有りますが。。。。
超高速域(200km/h~)での振動の原因がビードの変形だったと言う事も聞いた事が
有りますので、高速走行される方は、気を付けてください。