前回からの続きです。ベンツS210 E320にお乗りのオーナー様から、ハンドルブレのご相談が有りました。80km/h程度から振れるシミーで、ユニフォミティを測定した所、フロントタイヤのRFV(ラジアルフォースバリエーション)が悪く、この事が原因と考えられました。タイヤがかなり摩耗していたのでユニフォミティマッチングせずにタイヤ交換をお勧めしました。今回はオーナー様が新品タイヤを持込みでお持ち頂いて
ユニフォミティマッチングする事になりました。
お持込頂いたタイヤは国産の高級プレミアムスポーツでした。フラッグシップタイヤなのですが、ラベルが英語表記なので恐らく逆輸入タイヤのようです。タイヤは仕向地によりパターンは同じでも中身が全く違う場合も有り注意が必要なのですが、オーナー様に確認した所、オークションで激安だったとの事です。。。。。 一抹の不安がよぎります。。。。。
現在装着されているタイヤを外します。
GSP9700バランサーにセットして、ホイール単体でランナウトを測定し、ホイールのローポイントにマーキングします。
ランナウト測定後、タイヤを組み込んでいきます。
ユニフォミティテスターGSP9700にてユニフォミティを測定し、RFV1次ピークとホイールのローポイントを位相合わせします。
GSP9700よりタイヤの交換をお勧めされてしまいました。。。。これ新品タイヤですが。。。。
1次、2次RFVが悪いみたいです。
詳細です。2次が85Nとはダメダメです。
ホイールはBBSですが2P(ツーピース)なので悪くは無いですが0.16mmの振れです。
フーリエ変換したプロットです。白い点線が1回転のRFVの変動です。山が2か所で有るのが分かるでしょうか?荷重が掛かった時に卵型(楕円形)になる事を表します。
気を取り直してもう1本をユニフォミティマッチングします。
こちらもRFVが115Nと今一つです。ホイールは0.04mmと優秀です。
2次RFVは悪く無いですが、タイヤ単体の1次RFVが125Nとダメダメでした。
とりあえず現状でベストな状態で組み上げてホイール(重量)バランスを取り装着しました。
今回はフロント2本だけなので2時間程度で終了です。
前回より多少RFVは改善しているので、シミーが収まれば良いのですが期待薄とお伝えして納車しました。
オークションや通販で購入したタイヤは大丈夫ですか?と良く聞かれるのですが、重要なのは仕向地で、日本向けのタイヤで有ればそれほど問題は無いと思います。各メーカーのフラッグシップタイヤでも仕向地が違うと見た目は同じでも中身は全くの別物の場合も有りますのでご注意ください。
見分ける方法はラベルと北米向けは夏タイヤにも一部M+S(マッドアンドスノー)表記が有る場合が有りますので参考にしてください。
M+S表記ですが、アジアンタイヤ等に良く表記されていて、冬タイヤとして使えると勘違いされる方がいますが国内では全く役に立たないと思った方が良いです。本来オールシーズンタイヤの規格で、米国ではM+Sが付いていないと全く売れない為に仕方なく?付けているのです。平地での若干の積雪に対応しているだけで勾配や凍結には無力です。
国内メーカーも北米向けは夏タイヤでもM+Sが付いている場合が多いです。有名どころでは一部サイズのジークスで北米向けはM+S表記が有りプライステアも右側通行用となっていますのでご注意ください。
Posted at 2012/12/24 17:38:11 | |
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ユニフォミティマッチング | 日記