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イイね!
2011年01月30日

なんのためのオーバル・フォルム

なんのためのオーバル・フォルム 二代目トーラスも、いまではディーラーの敷地以外の場所で見る機会が少なくなってきました。こうしてごくたまに見かけるたび、相変わらずすごいカタチだなあ・・と思わずにいられません。

とにかく、どうしてここまで楕円(オーバル)のモチーフにこだわったのか?写真のワゴンも相当のものですが、セダンのリアウインドウなどまさしく楕円形そのものです。その他にもセンターコンソールの集中コントロールパネルをはじめ、内外のいたるところにわたり楕円、楕円のオンパレード。
正直なところ、いまだにこのトーラスの徹底したオーバル・フォルムの必然性は理解できません。そうすることによって、サルーンとしての商品性―居住性や安全性に決定的なアドバンテージがあったのでしょうか?必ずしもそうでもなさそうです。
やはりこのデザインは「とにかくオーバル・フォルムを極めたかった」デザイナーの欲求に基づいた、いわばデザインのためのデザインの産物としか思えません。フォードの象徴であるオーバルをモチーフに個性的なサルーンをデザインしたい・・果たして、そんな単純な動機で量産車のデザインが成立することなどありえないのですが、しかしそうとでも考えなければ、これほどパラノイア的な楕円の反復には納得がいかないというものです。

一大ベストセラーだったトーラスのフルチェンジにあたり、ここまで大胆なデザインを導入したのは、肯定的な見方をするなら、成功作の刷新にあたり陥りがちな守りの姿勢に入ることなく革新に挑む、という決意の表れだったと言えるのかも知れません。
しかし、結果として日本は言うに及ばず、本国アメリカでも大いに不評で、モデルサイクル途中でマイナーチェンジというには大規模すぎるほどのスタイリング修正を余儀なくされたことから見ても、このトーラスは明らかに失敗作です。本来、あえて無難なデザインを採用してでも一定数を売りさばかなければならないボリュームゾーンに、“好き・嫌い”で選ばれる特異なカタチを持ち込んでしまったわけですから。
そして、このトーラスの失敗はフォードのデザインに大きな転換をもたらします。ソフトシェイプの究極ともいえるオーバル・フォルムを脱し、ニューエッジ・デザインへと移行していくことになるのです。
ブログ一覧 | Taurus | クルマ
Posted at 2011/01/30 21:18:45

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この記事へのコメント

2011年1月30日 22:52
今見ると奇妙でもありますが,滅んでいくには惜しかったデザインだとも感じています。実用性との兼ね合いがとれていなかったことが最大の敗因(?)だったようにも思います。
コメントへの返答
2011年1月31日 8:24
サイズが造形の破綻を来たさない程度に大きいこともあり、オーバル・フォルムに徹したという意味では、「やり切った感」が備わっていることは確かです。

しかし、いったいそれが誰のためにやり切った成果なのかが伝わってこない。結局はデザイナーの自己満足と評価されても仕方ないと思います。
2011年1月31日 1:01
このデザインは、好き嫌いはともかく工業製品として、どこまでやれるかという限界に挑んでいるところが凄いです。
特にリヤウインドウ・ガラスの3次曲面ガラスは、作るのも組み付けるのも大変だと思います。
リヤドアのサイドガラスも、三角窓無しで製造してしまう、その大胆さ。
それらの複雑な曲面とボディプレスのチリ合わせなど、見る度に凄いと思わせますね。

ところで、ニューエッジもよくよく考えたら、クーガー、Ka、フォーカス1で終わり、オールラインナップとは行きませんでした。
ニューエッジのフィエスタ1やモンデオって言うのも見たい気がしますw
コメントへの返答
2011年1月31日 8:38
確かに、生産や組み立て、精度の確保に困難を伴うようなデザインに挑むことで、工業製品のクオリティが高められてきた歴史を考えれば、このトーラスのチャレンジも決して無駄ではなかったといえます。無難なデザインにとどまっているだけでは、次につながるようなテクノロジーやマンパワーさえ蓄積できませんからね。

ニューエッジですが、前モデルのモンデオとフィエスタもその一派ですよ。カタログなどで謳われています。あと、コンパクトクーペのピューマもニューエッジとする向きもありますが、時期的には重なっているものの、やや違うような印象もあります。
ニューエッジに至った経緯について、あるフォードのデザインディレクターが当時「デザイナーたちは行き過ぎたソフトシェイプに飽きており、それとは違う地平をめざしたかった」とコメントしていました。
他ならぬフォードのデザイナーにとっても、二代目トーラスで行き着いたデザイン傾向には限界を感じていたのでしょう。

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「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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