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ロボ部長のブログ一覧

2023年11月25日 イイね!

ドアを開くとそこにフォーカス。

ドアを開くとそこにフォーカス。まったく思いもよらずすぐ身近なところに現れて、潜在的に抱いていた初代フォーカスの標準車に対する憧憬に心揺さぶられるまま、後先を考えず迎え入れたブライトブルーの2000年式フォーカス1600Ghia。それからはや一年を迎えて、我がもとで元気にしている。
私としてはあらためて、この車をこれほどの好コンディションで長年にわたり維持されてきた前のオーナー様に心からの礼を申し述べたい気分だ。23年前に登録された実用車を今もこうして心豊かに愉しめて、その上さらに今なお新鮮な気持ちで向き合えるという、なんとも贅沢な体験をさせてもらえているのだから。
前オーナー様はおそらく毎日の通勤などにこのフォーカスを供していたのだろう、毎年の走行距離が一定に、安定して積み重ねられてきたからこそ、実走行キロ数こそ相応に嵩んでいるとはいえ、機械として極上のコンディションを保っていたに違いない。果たしてそれが私のところへ来て以降は、フォーカスとの接し方はだいぶ変化したであろう。主に週末に近場用途の稼働で、しかもフィエスタとの使い分けもあって毎週必ず走らせているわけでなく、時には半月ほどもエンジンに火を入れない時もある。
機関のことだけでない、車の保管状況だってきっと、以前とは大きく変わったはずだ。オールペンされたのか?と疑うほど艶やかな塗膜表面に、今ではカーポートの上に隣家から枝を伸ばす柿の樹からの落ち葉や柿の実と、それをついばみに来る鳥の落とし物が容赦なく降ってくる。もしかするとかつては風雨や日照と無縁のシェルター暮らしだったかも知れないフォーカスが、この一年であまりの境遇の差にさぞや戸惑ったのではなかろうか?

初代フォーカスは私にとって、登場時から今に至るまで、変わることのないヒーローである。それはフォードゆえ、自分を含む多くの人の暮らしに近い存在でありながら、他の誰にも似ないオリジナリティの塊のような姿形を備え、それでいて誰にもフレンドリーで、信頼を寄せるに足る商品性を提供してくれるのだから。この車に接すると、前衛/非凡と大衆性とは決して矛盾などせず、高いレベルで両立させることすら可能なのだ-と体感させられ、いつも勇気づけられる思いがする。だからこそ私にとってのヒーローなのである。

朝の新聞を取りに、
出勤の自転車を動かしに、
配達の業者への対応に、
お隣さんからの回覧板を受け取りに、
庭の掃除に、
そして夜の戸締りに・・

毎日ドアを開けた眼の前に、いつでもこうしてヒーロー・フォーカスがいる。


Posted at 2023/11/25 17:10:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | Focus | クルマ
2023年11月18日 イイね!

プントとフィエスタ

プントとフィエスタ最近プントづいている。少し前に、ghiaさんが何シテル?で愛車のフィエスタをプントのそばに駐車すると言われていたのを見たのがきっかけだ。ghiaさんがフィエスタを並べているのはグランデプントらしいが、私が好きなのは93年に登場した初代プントである。昔からジュージャーロを敬愛していたこともあって、初代プントは登場当時から気になっていてカタログも所有していた。久方ぶりにそれを引っ張り出してみて、あ、C346フォーカスで新鮮に思えたマスタードオリーブの色彩感は、すでにこのプントで展開されていたんだ-と再認識。無塗装のブラックバンパーとの組み合わせの洒脱さといったら!



こうして久々にプントに目が向いた矢先、近所のリサイクルショップで出会ったのがトップ写真のミニカーである。パトカーのモデルとはいえ、初代プントの5ドアの1/43ミニカーはかなり珍しいのでは(3ドアモデルはブラーゴから出ていた記憶があるが)?こちらのミニカーは細部のディテール表現はそこそこながら、車全体のシルエットの表現は秀逸で、初代プントの「面質はソフトなのに全体形はソリッド」という独特のシルエットが的確に表現されているように思う。特に、リアに向けてスロープダウンすることなく真っ直ぐに伸びるルーフラインに、初代プントの生真面目なパッケージングがよく表されている。
初代プントが属したBセグの5ドアハッチバック車こそが、全ての車のカテゴリー中で最も「知的なパッケージング」が要求されると言っていい気がする。それは、サイズやコストの制限が厳しい前提のもと、求められる最大限の客室スペースと安全性、積載性などをバランスさせた上で、多くのユーザーを振り向かせられるスタイリッシュさを備えることも大切なのだから、デザインの観点からも全方位型なアプローチを課せられたカテゴリーと言える。ジュージャーロ氏はこの点で、初代ゴルフやウーノといった5ドアHBの傑作を数多く生み出してきていて、初代プントもまさしくそうした経験に基づいた模範的なパッケージングの1台であった。

そして、初代プントの登場から10年近くを経て現れたB256フィエスタの5ドアモデルに、私は初代ウーノやプントに相通じるパッケージングの発展形を見た思いがした。アップライト気味に5人の乗員を座らせることで、車体の全長を必要以上に伸ばさずとも良好な居住性を確保する。そうすると必然的に車高は高めとなるが、それによる立体マスの縦方向へのボリュームの増大化を決してダルに感じさせない造形手法の冴えは、まさにニューエッジ・デザインの究極と言うに相応しいものだった。
一方で、B256フィエスタのルーフラインは初代プントと比べると、明らかにリアに向かってスロープダウンする度合いが強いのが、下の写真からもわかるだろう。2000年代初頭にフォードのデザインディレクターを務めたJ.メイズ氏は、B256フィエスタのデザインに際して、ホンダのフィットのように空間効率の高さと引き換えにミニバン的なボリュームがボディに生じるのを避けたかった、と言及していた。この点は初代プントあたりと比べると、パッケージングを多少スタイリング表現に振ることで妥協した面があると言えそうだが、小型のハッチバック車に効果的な、抑制の効いた躍動感を与えることには成功していた。それにしてもこのサイドビューで見ると、何ときれいなルーフラインであることか!



きょうび、初代プントやB256フィエスタのようなパッケージングとスタイリングを伴った5ドアHBは本当に少なくなってしまった。同じくらいのサイズ感ならより用途性と見栄え度が高いSUVへとユーザーの指向がシフトしたからだが、いたずらに寸法や物量を拡大することなく必要な機能をもたらす、真に理知的な成り立ちを備えた小型車が今だからこそ求められている気がしてならない。
Posted at 2023/11/18 22:25:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2023年11月03日 イイね!

RSの消滅が示すもの

RSの消滅が示すもの街中で欧州系フォード車に出会う機会が目に見えて減少している。国内最終期のB299フィエスタとC346フォーカスでもすでに導入から10年を迎えるタイミングとなり代替も一気に進んだのだろう。なのでそれより以前のモデルであれば何をか言わんや、である。ST220でない標準のモンデオなどいまこの国で果たして何台現存しているのやら?
そんな中で、職場近くのコインパで時々見かけるのがこちらのフォーカスRS。初めて見てからすでに1年半以上が経つが、一定の頻度で同じこの場所に現れるから、私にとってはもしかすると自分のフィエスタとフォーカス以外で一番目にする機会が多い欧州系フォードに当たるかも。国内価格がゆうに500万円を超えたエンスー向けのハイパフォーマンスグレード車を他の何よりもよく見るというのも、本来のフォードのあり方からすればかなり異質と言うべきか、それとも、フォードの国内でのいまの実質的な立ち位置を考えれば当然と言うべきか。

このC346フォーカスのRSは、フォードがイメージリーダーたるパフォーマンスグレード車を各セグメントに設定してコンスタントに世界市場へ提供していく、という2015年発表のポートフォリオのもとで、史上初めて欧米市場での共通商材となったRSである。それだけにかつてのRSを冠した各モデルと比べると、基本的な成り立ちや装備面でもだいぶ「こなれた」感があってとっつきやすい存在になった(インパネの実に文化的なこと!)。その反面、RSというラリーフィールド直結の濃い血を感じさせる部分は薄れた印象がある。実際にこの世代はもうWRCへの出場モデルのベースにはなっておらず、RS=Rally Sportの呼応関係が切れた、いちパフォーマンス・ブランドとしてのRSに昇華された点では、良くも悪くも野心的なビジネスプランの産物としてのRSにも映った。
しかしフォードの思い描いたポートフォリオは、その後の自動車をめぐる社会情勢や市場環境のあまりにも急激な変転の影響を受けて、当初の目論見通りには行かなかったのはご承知の通り。各車で想定されていたパフォーマンスグレード車の市販は軒並みキャンセルとなり、そもそもそれらのベースとなる車種自体の存亡も危ぶまれる状況になっている。フォーカスRSも、最後のフォーカスと目される現行型にはついぞ設定される見込みはない。今後果たして、RSという存在が再び市場へ姿を現す–BEVのRS?-ことはあるのだろうか?それどころか、フォードが欧州におけるパッセンジャーカーの独自開発・販売からいずれ撤退することも決して絵空事には感じられないような今日この頃ではある。
Posted at 2023/11/03 10:33:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | Focus | クルマ

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「@Yorupikuさん、やはりそうでしたか😃最近2年くらいはかつて撮影した場所では姿を見なくなっていたのですが、今も元気にしてるのなら嬉しいですね。」
何シテル?   04/30 09:06
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。Fordを30年以上にわたって乗り継いでいます。2016年をもってFordは日本から事業撤退しまし...
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