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2024年08月10日

紙の総合カタログがもたらす充実

紙の総合カタログがもたらす充実 いつも2台のフォードのサービスでお世話になっている守谷店から、現行のプジョーとDSのラインナップ総合カタログが届いた。旧フォード守谷店は現在ではプジョー/シトロエンのディーラー業務がメインである。なので我がフォードたちの車検が近づくタイミングなどに、こうして「プジョー/シトロエンへの乗り換え、そろそろいかがですか?」的な案内がやってくることがしばしば。

DSは要するにシトロエンのプレミアムブランドだろうからほとんど関心外で、カタログを眺めても何も思うことはなかった。対するプジョー、フォードに接する前はプジョーフリークだったこともあって、カタログもそれなりに興味を持って眺められた。昔日と比べればずいぶんと表現過多気味ではあっても、208やリフターなど質実な実用車の薫りもあって好感を持っている。

今回は車のことでなくカタログについてである。紙のカタログ制作を取りやめるメーカーがどんどん増えている。今どきの車のように示すべきスペックが多く、間断ないアップデートを施される対象ならば情報処理性に優るデジタル化は自然な流れと思うし、オンスクリーンベースの制作フローも考えればむしろ当然だろう(あえて環境負荷低減などと見え透いたことは言わない)。
それでも、今回送られてきたようなメーカーの商品ラインナップを網羅した総合カタログ的な媒体に関しては、紙の体裁を維持するのがよいと考える。こうした総合カタログは、作り手/供給側がユーザーに商品やサービスの内容を一堂に示すことが目的であって、見る側(ユーザー)はそこからメーカーやブランドが提供する「全体感」を適切につかみ取りたいのである。
ユーザーからすると、この「全体感」はワンストップで、なるべくシンプルな手続きで見渡せることが望ましい。全体感を把握するために別な階層に入り込ませたり、余分なアクションを要求することはインターフェイスとして未成熟である。そしてこのようなワンストップ・ワンパッケージこそ、紙媒体が得意とするところである。必要にして十分・適正な情報で完結されているのが紙媒体で、それ以上の詳細な情報へアクセスしたい人向けには、今ならページに二次元コードを記せばよいのだから。
ここで大事なのは、紙の総合カタログにかつての車種別の紙カタログのような「豪華さ」や「表現性」を求めないことだろう。それらに色目を使うと、とたんに”帯に短し・たすきに長し“な中途半端な存在になってしまう。

私はだから個人的に、カタログコレクターからすれば価値の対象外とされるような総合カタログが昔から好みだった。限られたページ数とレイアウト範域だからこそ盛り込む情報の量と質が限られる。そのような条件下でいかに全体感が保たれているか、実は知的な判断と構成力・表現力が求められるのが総合カタログだと思う。車ならば、まずは最低限その車の姿かたちが明瞭に表されていればよく、そのためには多くの写真やイメージを用いる必要などない、いわゆる「切り抜き」のカットが1点あれば十分なのである。あとはごく基本的なスペックが示されることが必要だ。

プジョーつながりで、トップ写真の右側に写っているのは、かつてスズキが日本でプジョー車の販売を手がけていた時に発行したプジョー車総合カタログだ。これは名古屋輸入車ショー会場での配布用だったらしく、ページ数も限られた、至って簡便な仕様である。しかし当時扱われていた205、309、405といった各車・各グレードの姿がきちんと掲載され、それぞれの基本スペックも示され、これで十分。ページを眺めているだけで充実した気分になれるのは紙媒体ならではだ。

一応フォードとも絡めよう。93年に欧州フォードがUKマーケット向けに発行した英語版総合カタログを紹介したい。こちらは総合カタログというにはあまりにも大著であり、ページ数はゆうに120ページを超える。もはや「ムック」級なしつらえといえるが、基本がUKで販売される一般乗用系フォード全車全グレードの紹介を目的とするだけに、掲載されている写真と文字情報は精選され、水膨れ感も欠落感もないのが見事である。これまたページを繰っていると言われようのない充実した気持ちにさせてくれる一冊である。











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Posted at 2024/08/10 19:25:59

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