丁度,昨年の3月26日.
はじめてV7iiストーンと対面したその日から
私はグッツィスタとしてグッツィが傍らにある生活を始めました.
正式にGB250と引き換えに自宅へ乗って帰ったのはもうあと3日ほど先ですが
今日でもって,対面から丸一年.
大きな損傷や破損をせずに迎えることができました.
なによりなにより.
と同時に,丁度,今日のカンタンな散歩で6,000kmを達成しました.
月平均500kmは動かしていることになりますね.
といっても厳密には20km~1,000kmと月によって乗れまくったりそうでなかったりですが
自分では丁度いい乗り方をしているのではないかなと思います.
さて,乗って一年経ったV7iiですが,端的に私がクルマ・バイクを評価する上で
いつも加味している6つの要素から,書き連ねたいと思います.
1,経済性
ナナハンと一口に言っても,その用途や形態は様々ですが
V7iiはかなりベーシックなトコロにあるといえます.
ランニングコストは一年目の時点ではそんなにかかった気がしません.
燃費もブン回して遊べば12km/Lなんていうクルマみたいな食わせ方もできますが
高速道路でちゃんと乗ってやれば25km/Lを叩きだすこともできます.
2,800rpmからの最大トルクをうまく使って,高いギヤ比を選んでいってやれば
長距離でもそこまでメシ代はかかりません.
先ほどの月に500kmというくくり考えれば月々のガソリン代はおよそ2,500円前後
オイル交換は3か月ごとにしても,オートバイのオイル量であれば
特別高級なオイルでなければ負担にもなりません.
過去に乗ってた四輪もといW124はオイルだけで8L・・・・クッソ高かった・・・・・
タイヤも純正のスポーツデーモンですが,これも全然摩耗が進んでおらず.
まだあと一年は乗れそうな気配がします.
結局のところ,一年乗っただけじゃ,大した金銭的負担が発生していません.
2,社会性
環境性能や低騒音,低公害という点に関しては
低い点数となりえるでしょう.マフラーも純正ですが
やはり過敏な人にとってはうるさいだろうなと思うことはあります.
ただ,よほど閑静な住宅地で夜中に始動させれば
大体どのオートバイもうるさいもので,V7iiもそうした一般的なオートバイの一台と言えます.
燃費に関してはラフ乗ってるプリスウと大差ないので,まーそんなものか
という感じです.
当然オートバイですから,社会に対する還元ができるようなことはありませんし
社会のために役に立つモデルかと問われれば,全く役に立ちません.
ですが社会性という項目は,後述の趣味性と基本的には反する部分なので
一般的なオートバイと立ち位置は同じです.
3,汎用性
なんにでも使えるか,という点に関しては
存外,買い物もツーリングもデートもなんでも来い.がV7iiストーン.
レーサーやストルネッロと比較すれば,その辺はベーシックなので
当然姉妹たちよりは俄然普段使いに耐えます.
っつっても要リュックです.バイク自体に積載性はまるでナシ
椅子の下にETC付けた日にゃ,車載工具すら入りません.
察するのです.
また,今現在の一年目の段階では耐久戦に難は無く
MVアグスタのようなフェンダーがもげるですとか,オールドグッツィ,オールドドゥカティのように
熱心なお付き合いを強いられることもありません.
拍子抜けするほど何も壊れてません.
購入当初は半年を境にアチコチ来るかなって思ってたものの
何にもありません,当たり前の様で,こうしたことは日本市場においては
武器になるハズなんですが.....
でも先のV7オフミでは
「V7オーナー達の犠牲の上でV7iiが成り立っている」
と全会一致でそういう結論に達したので
V7iiを買えば一年はまず壊れません
V7やV7iiiについては,私には断言ができませんのであしからず.
4,操縦性
さて,いよいよ生活面や存在における影響などの話題から,機械的内容についてですね.
ストレートに運転が楽しいかどうかと問われれば
楽しい!
です.もうはなまる.
とりあえず,ハンドリングに関してはシャフトドライブの悪癖というものを感じません
というか私がシャフトドライブの悪癖に直面した経験が無いので
チェーンドライブの感覚ままで乗ってます.ケツが跳ね上がるとかそいうのはありません.
また,ワインディングや街中,狭小なスペースにおける取り回しに不満は無く
特に上り下り関係なく,V7iiは一度コースを定めてしまえば
後はトラクションとお話するだけ.
上りのRが微妙に変化するようなコーナーも,4速ないしはその前後の好みのギアで
ジワーっとスロットルを開けてやれば,スィーっと曲がります.
2,800rpm回っていればトルクは最大,そこから先は小気味よいエクゾーストと共に
トラクションが地面へどんどん伝播し,V7iiは暴れることも無く
私と先へ先へ進みます.
パワーは同価格帯,同排気量帯のライバル勢と比すと,アンダーであることは否めません.
むしろアメリカン・クルーザー種とどっこいどっこい.
言い訳とも裏返しともとれば,目を三角にして乗る必要は無く
縛られることなく,きままに,それがV7iiです.
ってもナナハンはナナハンなので,軽自動車にせっつかれることはありませんから
250ccからのステップアップとした私の様なパターンならば
そのパワーに不満が常に影を落とすことはありません.
また搭載されているトラコンやABSは不可解な介入などは無く
一般道を常識的に走行している限り,走りをスポイルされることはありません.
サーキットやジムカーナではどうなのかは解りませんが
一般道で膝スリで走るならば,そもそもV7iiはやめておくべきです.
そして大事な,操作系のインターフェースは,極めてシンプルで何も迷いません.
計器類は見やすく,まぁODOメーター/TRIPメーターボタンと時間/気温ボタンの
推した感じのクリック感がとっても固くて,その辺が好みとして別れるくらいでしょうか.
ライディングポジション一つにとっても窮屈さはありません,ストーンは
アップハンドルなので長距離でも腰に負担を強いる場面は少なく
私の様なかなり自重を有するライダーが乗っても
特段何か不便さを感じることもありません.
スマートな方が乗られるとどうも足回りが固い.という話も聞きますが.
私には純正出荷状態でも,不満を感じません.
程よくいなし,突き上げでケツが飛ぶとか,バンクさせてる途中にタイヤ0.5本分
外へずりっとすることもありません.
高速コーナーでの,フレームのよじれなんかもありませんし.
風変わりなバイクと言われながらも,正体は極めてコンサバティブ.
高速道路での直進安定性も問題なし,東名高速でいえば下りの大井松田周辺を
100km/hで走り回ってコーナーをこなしても,私は不満が出ませんでした.
ただ風防性能に関しては,これを操縦性に含めるかどうか微妙ですが
ある一定の速度域から途端に胸ぐらで気流が渦を巻いてるのを感じます.
私はこの前,自車に装着したダート社のフライスクリーンで
大幅に軽減の実感はできました.
これについては後でちょっと触れます.
5,独自性
縦置きVツイン+ドライブシャフトは,まず珍しいねぇ~っていう事を言われないことがありません.
話題に事欠かない点で独自性は,存分に満たしていると言えましょう.
この点はとてもオーナーシップを満たしてくれるものですし
自分を体現したい,というライダーにもオススメと言わざるを得ません.
まず国産は置いとくとして
ハーレーやヴィクトリーは趣味じゃない
でも欧州でドゥカティとBMWは先駆者だらけで食指が動かない.
でもビモータほどのモノは買えない.
だけどMVアグスタやモト・モリーニはトラブルが不安.
そんなワガママをスモールブロックのヌォーバグッツィは全てカバーします.
08年~からのV7については経年変化と,ロットによっては
何かがあり得る.と構えておくべきだとは思いますが
V7iiについては古くとも15年~なので
もし考えてる人が居れば,
買ってしまえと言います.
うかうかしているとV7iiも経年変化の波に呑まれていきますし
V7iiiが導入となれば,値下げで安く買うチャンスもこの先あるでしょう.
V7iiiがコンセプトの幅をV7iiよりは広げて進化したことを踏まえると
V7のウィークポイントを潰して熟成を計ったV7iiは
今が買い時!
オーナーシップは間違いなく満たされるので,どうぞ安心してください.
6,趣味性
オートバイがそれそのもので趣味性の塊なので,クルマほど趣味性が没落する
ということはあまり考えられないのですが
独自性と相乗するように,このバイクはあぁ趣味してるなぁと思います.
趣味を趣味として,負担を感じることなく楽しむ.それを容易にさせてくれます.
あまつさえ自己陶酔的に,俺っていい趣味してるじゃん.なんて思ってしまうかもしれません
いえ,そうなるでしょう.
まず,スタイリングについては,オリジナルのV7を彷彿とさせますし
ストーン系のホイールは850ル・マンシリーズの面影があり
意匠として受け継いでいたりするので,随所にモトグッツィらしさがこもってます.
エンジンもモチロン,ハイライトではありますがエンジンのみに頼らず.
アンティパストからジェラートまで,グッツィ家の様式美は踏襲している.と
親馬鹿ながらに思っています.
またカスタムという点では,日本におけるアフターパーツの少なさ
入手性の低さ,またそうした改造を請け負うにあたって
ノウハウのあるお店が限られるなどの制約が付きまといます.
マイナーなイタリアンですから,そこはもう自分でやるか
お店と一緒にあれこれ考えるしかないかなと思います.
それがどうにも我慢できない,がカスタムはしたい.
そうなってくると,ヤマハSR400どうでしょうになっちゃうので
解ってもらえるかと思います.
またレースやジムカーナに本格的に耐えうるか,という点も
未知数というのが実情かと思います.
各パーツの対策品や強化品が日本では,まずお目にかかれませんし
エンジンスペック的には,筑波やFISCOでCB400SFやZXR400にも敗北を喫する可能性が
ひじょーに高いです.ハイコンプピストンやらなんやらを導入しても
国産勢の過剰スペックには,なすすべもなく沈む他ないかと思います.
ですが物は考えよう,趣味という括りであればツーリングも大事な要素.
下は250cc~上はアメリカンのテンロクオーバーまで,流石にSS勢には息も絶え絶えですが
幅広い車種との混走でツーリングを楽しむにあたっては,またとない適役です.
長距離も22Lのタンクでこなせますし,落ち着いた雰囲気の良いバイク趣味とやらを
V7iiはカンタンに演出させてくれます.
総評として
一年間,壊れた箇所は無く,コケたこともなく,納車したその日のままを思い出せる姿で乗り続けています.
V7iiストーンを表すキーワードは
【等身大】自分そのままで似合うという,なんともまぁ実のところ至れり尽くせりなオートバイかもしれません.
背伸びする必要はないんです.安物の時計を腕に着けて乗ってもいいし,ブライトリングやフランク・ミューラーを着けて乗ったっていいんです.
無名のオープンフェイスのヘルメットでも,アライやショーエイの気合いが入ったやつでも
不審者のようなシンプソンでも乗って構わない.
自分のライフスライルに,そのままでピタリとハマる稀有なバイクです.
レーサーやストルネッロは,多少バイクにアジャストした装いも求められるかもしれませんが
ストーンに関しては自分の自由です.
V7iiは決してあなたの生活様式に不平不満を漏らしません.
愛情を持って接すれば,ずっとそばで心地よいエキゾーストを奏でてくれます.
一年前の自分から,買ってよかった?と聞かれたら,最高の選択だと答えますし
乗ってよかった?と聞かれたら,人生でイチバンを争う良かったことにノミネートされていると返します.
V7iiストーンは先代のGB250の様に,今も尚,私の頬を緩ませてくれます.
で,そんなV7iiとこの土曜は福富ダムへ,カメラの減光フィルターの具合を触る意味でもって
走ってきました.もちろん高速を使った行きは,フライスクリーンの高速体験も含めてです.
福富ダム自体はさほど大きくも無く,まぁ温井ダムなんかと比べちゃうと
そんなでもないかなって感じでしたが
奥にかかる橋はグッドロケーション!
シャッターを切るのに迷わないダムでした.
で,近所の道の駅で,減光フィルターを活用した
人や車の行きかいにモーションブラーをかけようと思ったのですが
意外と閑散としてて,写真はあまり撮れず.
この日はそこから後は下道で帰りました.
33号線を走って山桜を物色してたのですが,気が付いたら市内まで来てて
あるぇ?って感じ
そりゃそうですよね,山陽本線沿いに走っちゃったんですもの
ハッとしたときには広島駅でした.
で,肝心のスクリーン!これは効果を感じる.という結論が私の中で下されました.
理想を言えば,スクリーンのヘリが跳ね上がってると
より風の直撃が無くなるのかなと思いましたが
それはそれでスタイリングの是非が変わってくるので,今のスクリーンに不満はありません.
で,スクリーンが無かったころは,メーター類で跳ね上げられた空気が
もうミラーやらなんやと相まって,剥離でもって渦になり
胸ぐらをローリングパンチしてくるような感じさえありました.
が,スクリーンの導入で大分軽減され,風が凪いで気温が15度近い場合には
ほぼ息苦しさを覚えることはありませんでした.
これはこの春のG.Wに神奈川まで帰る時がまたちょっと楽しみです.
それと副次的なもので,あくまで体感なのですが
ある速度域での伸びがよくなったような気がします.
まさかスクリーン一つで,高速域での加速が左右されるのか?
SSならいざ知らず,CB1300やXJR1400ならいざ知らず
これはV7iiなんだぞ,っと思いましたが確かに伸びが良く感じる.
メーターユニット周辺を整流し,フルフェイスのヘルメットで後ろへあらよっととしてあげるだけで
変わるものなのかもしれないばぁ....という具合.
この日は,そうしたスクリーンの効果を改めて実感していました.
そして今日は,昼過ぎから,暖かい陽気に誘われてアルカディアヴィレッジの方へ散歩.
この道中に6,000kmを達成.流石にあの時ばかりはK-S2を引っ張り出せなかったのでiPhoneで撮影.
途中,アルカディアヴィレッジへ行かず,そのまま433を遡上,道なりに走って
県道41号を自宅方向へ,この道中で山桜が丁度いい高さに咲いてるのを発見.
この春も桜xグッツィをゲットです.
実はこの撮影している背後がラブホで,カメラもってウロウロしてると
怪しさが否めなかった.....
なので精一杯,ラブホ側へはファインダーを向けないという勝手な戦いを繰り広げてました.
誰もきにしちゃいねーよっつーハナシなんですけど.
来週はいよいよ4月,桜も本格的なシーズンです.
現場仕事でどこかへ詰め込まれないことを祈る日々です.トホホ.
G.Wまで一か月,神奈川へまたツーリングいぎだい!!!!
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