GW連休が終わって既にかなりの日が経ちましたが、今回の連休に取り組んでいた作業が本日ようやく完了しました。いや~予想以上に大変な作業でした。
切っ掛けはセブリングエキゾーストの装着でした。
エキゾースト交換によりヒートエクスチェンジャーが無くなり、よってエンジン冷却ファンから延びるヒーター用ダクトが不要となりました。ダクトを撤去するには、開いている穴も塞ぐ必要が有ります。
そこでこの機にファンシュラウド、エンジンカバー類を全て取り外し塗装することにしたのです。
この作業、何気に大仕事になることは分かっていたのでどこにも出掛ける予定の無いGW連休は絶好のチャンス。計画した主な作業は以下の通り。
・ファンシュラウド、エンジンチン穴塞ぎ
・ファンシュラウド、エンジンチン、シリンダーカバー塗装
・サイドシルフレームヒーター穴塞ぎ
・エンジンルーム左側壁のボロボロの耐熱マット剥がし
・フューエル配管取り回し変更
・電気配線取り回し変更、配線カバー
・プラグコード新品交換
・プラグ新品交換
・キャブリンケージ、エアフィルターカバー塗装
・各部品クリーンアップ
それぞれの作業は地味な作業なので詳細は割愛しますがまあ想像以上に大変な作業でした。その要因のひとつは、ファンシュラウンド、エンジンカバー類の脱着作業。そもそも空冷VWのエンジンは、補器類やカバー類を付けたままごっそり下に落して脱着できるのですが逆にエンジン本体を車載したままでカバー類を脱着しようとするとかなり無理な作業を強いられます。(特にファンシュラウドの中に立っているオイルクーラーが厄介。これがあるのでファンシュラウドが上に外せない・・・)
そしてもうひとつはこのコロナ禍でさらに老化が加速中のにわかメカニックの体力的問題でした。(笑)
ずっとエンジンルーム内の作業をしていると腰が・・・。これを3日連続とかでやっているともうダメ(笑)。途中に休息日が必要でした。
補器類、カバー類をすべて外した状態。
ここまで外してしまえばエンジン降ろすのも簡単そうです。(エンジンは4本のボルトでミッションにぶら下がっているだけの構造。つまりエンジンマウントは存在しません。)
ファンシュラウドが無くエンジンの背も低くなるので車体を高くジャッキアップせずともエンジン抜出しができそうです。
エンジンチン穴塞ぎ
アルミ板をカットし、耐熱パテで接着。
ヒターダクト穴塞ぎ
コーヒー缶をカットして蓋にしました。
ファンシュラウド、カバー類塗装。
356の定番色は、黒、白、ライトグレーと言ったところですが、ちょっと雰囲気を変えてブルーグレーにしてみました。
もとのクロームの上への塗装なので果たして塗装の耐久性はどうなるか?
左側壁の断熱材剥がし
既に崩壊してボロボロだったのでシンナーとスクレイパーで地道に剥がしました。
この作業も腰にきつかった・・・・
因みにエンジン背後と右側壁は購入時に既に手直しされていたのでOK。
<Before>
<After>
そして完成はこちら
<Before>
<After>
どうでしょうか?
塗装とクリーンアップでかなり明るくなったのとダクトが無くなり、また配管、配線の取り回しも整理したのでスッキリしました。
あと今回の作業をやることでエンジンルーム内の配線・配管や補器類の構造はほぼ分かったので今後の為にも有益でした。
さらにエンジンルーム以外にも少々イメチェンを実施。
フロントバンパー
何が変わったか分かりますか?(笑)
リヤバンパー
フロントと同じようにしようと思っていましたが想定外にバンパーレスのお尻が良かったので取り敢えずそのままに・・・
赤いボディーと相まってなんかアバルトっぽくもある(笑)
リヤ牽引フック改良
ホームセンターで調度良いブラケットを発見したので交換。強度アップしました。
またバンパーレスに合わせ飛び出し量を短くしました。
以上。なんと作業日数は計10日間も要してしまいました。大変だった・・・・。
そして本日、まずはエンジンが掛かるか?
かなり何度もクランキングして、途中何か間違ったか?と確認もしつつ・・・
そして顔色が青くなりつつある頃ようやく掛かりました。ホッ。
エンジンルーム内のフューエルラインを全交換したのに加えキャブ内のガスもかなりこぼしたのでガソリンが届くまでにかなり時間が掛かったものと思われます。
しばらくアイドルして漏れ等なく大丈夫なのを確認してから試乗に出発です。
そして無事大黒PAに到着。日曜のPMはクルマで賑わっているもののAMとはかなり車種層が違います。(笑)
早々に引き上げようかと思ったところ目の前に1台ぽつりと356が!!
近づいてみるとなんとカレラではないですか!!
直ぐにオーナーさんが現れたので長らく歓談。
なんでも雑誌の取材でスタジオ撮影をしてきた帰り道だそうで。
これこそカレラの証。フォーカムのフラット4です。このエンジンもともとはロードカー用ではなくレーシングカー用のエンジンでした。550スパイダーが有名ですね。最後期には60年代に入りあの904GTSにも積まれています。
現在の相場ではエンジン単体で4000万円はするという希少エンジンです。
このクルマはカレラの中でも希少な再初期の1500ccだそうです。
いや~良いものを見せていただきラッキーな日でした。
ブログネタも出来たし帰ったら久しぶりにブログ書くかと考えつつ356のキーを回します。
が・・・
セルが回らない・・・・
イグニッションは点いているけどセルがうんともすんとも言いません。
すかさずエンジンルームをチェック。
あら・・・1本赤い配線の断熱カバーが無くなって途中で切れている。
この配線はスターターだ・・・
残りの配線は?とファンシュラウドの裏を手で探ります。
何か変な感触が・・・・
あら・・・
配線が無残な姿に・・・・
これを見てトラブルの全貌を理解しました。
この配線は、イグニッションキー(スターターSW)から来た配線が一度エンジンルーム内に入り、そこからまた外に出てスターターまで行っているのですが、実は今回、従来はファンシュラウンド前方を通っていた配線をファンシュラウンド裏側を通すように変えていたのです。その配線がなんとファンシュラウド内のクーリングファンに吸い込まれ、そしてグルグル巻きになって切れていたのです。
実は、今日走り出して5分も経たない頃、確かにエンジンルーム内から何か物音がしたのです。路肩に寄せてチェックしましたがその時はエアクリーナーのカバーのネジが緩んでいたのでこれがガタついた音だったのかと勘違いしてしまいました・・・・
さてどうするか。頭の中にいくつかの選択肢が・・・
案1)レッカーを呼んで自宅まで運んでもらう
案2)周りの人にお願いして押し掛けする
案3)この場で自分で直す
案3で行ければ一番良いのですが問題はジャッキを持っていないこと。スターターへアクセスできなければどうにもなりません。
早速作業用のヘッドセットライトを頭に装着しクルマの下に潜ってみます。上半身を潜らせ手を伸ばすと・・・・届いた!!
これなら行ける。何せ前日までずっとやっていた作業なのであとはお手のものです。
予備の配線、平型端子、丸型端子、そして電工ニッパー。全てトランク内の常備品です。(笑)
作業時間ものの10分程度でしょうか。
無事エンジン始動です。
数名のギャラリーの視線を感じつつもそそくさと片付けてその場を退散します。(笑)
いや~昨日までの作業の経験が早速役に立ってしまった!!
トラブルの原因がその作業そのものであったことは忘れあくまでも前向きに(笑)
次の週末はまた配線をやり直さなくては・・・・