アメリカの国防総省はロシアがウクライナ東部で想定した戦果を上げられていないとの分析を明らかにしました。その原因として、「ビックリ箱」と揶揄(やゆ)されるロシア軍の戦車が抱える欠陥も指摘されています。
ロシアにとって対ドイツ戦勝記念日にあたる5月9日。盛大に軍事パレードを行って「勝利宣言」をする可能性がこれまで報じられてきましたが、今月30日午後にロシア国防省は去年よりも小規模なパレードになると発表しました。軍用車は191台から129台に、行進する兵士らは1万2000人から1万人に減少し、外国の首脳も参加はないとしています。理由は明らかにしていません。
一方、アメリカ国防総省はウクライナ東部のドンバス地方でのロシア軍の作戦が計画より遅れていると指摘しました。ロシア軍が戦力を集中しているとみられる東部で今、何が起きているのでしょうか。
ウクライナ軍によって破壊されたロシア軍の戦車T72。爆発と同時に戦車の上部にある砲塔部分が吹き飛ばされています。CNNによりますと、こうしたロシア軍の戦車には「設計上の欠陥」があり、軍事侵攻が計画通りに進んでいないことを示しているといいます。
これまで破壊されたロシア軍の戦車の残骸を見てみても、その多くは砲塔部分が吹き飛ばされていました。海軍分析センター、サム・ベンデット氏(CNNから):「とにかく弾が当たりさえすれば、たちまち搭載した弾薬に引火し、大爆発を起こす。砲塔は文字通り吹き飛ぶ」
ロシア軍の戦車の問題点は弾薬の搭載方法にあるといいます。回転式砲塔の内部に多数の弾薬を搭載。被弾した場合は直撃でなくても連鎖反応によって搭載するすべての砲弾が爆発する危険があるといいます。さらに砲塔には2人、運転席に1人の兵士が乗り込んでいて設計上、被弾した場合は1秒以内に脱出しなければ全員、爆発の犠牲になってしまうのです。そのため軍事の専門家らは、ロシア軍の戦車を「ビックリ箱」だと呼んでいるといいます。
イギリスのウォレス国防相はロシア軍は侵攻開始以降、少なくとも530台の戦車を含む2000台以上の武装車両が破壊されていて、目的のほぼすべてにおいて失敗してきたとしています。ウクライナ軍が日本時間の30日午後2時に公開した、激しい戦闘が続く東部のイジューム方面の映像。ウクライナ軍はロシア軍の拠点を発見したため、攻撃を加え壊滅させたといいます。(テレビ朝日)
ロシア、旧ソ連の戦車は砲塔直下のターンテーブルに弾丸を格納する形式の自動装てん装置を装備しているので被弾するとこれらの弾薬が誘爆して砲塔が吹き飛ぶ。これは以前から言われていたことではある。確かに被弾に弱いという欠点があるが、その分砲塔や車体を小型化出来て軽量化できる。その方が燃費もいいし、大馬力のエンジンも必要ないので価格も安くできる。また装甲も増加できる。欧米の戦車は砲塔後部にバスルと言う突き出した砲弾収納庫を装備してここに砲弾を収納する。そしてその上部をブローオフパネルとして誘爆した際は爆風を上部に逃がして乗員スペースに被害が及ばないようにしている。その分砲塔大型化して重量も増すことになる。こうした違いは設計上のフィロソフィーの違いであり、ちょうど防御を省いて軽量化して戦闘機としての運動性能を上げたゼロ戦と重防御で生存性を高めた米国戦闘機の違いのようなものではある。ただ確かにT72、T80、T90などは被弾すると砲塔が吹き飛ぶような爆発を起こす戦車が多数見られる。一部は砲塔バスルを装備してそこに弾丸を収納する形式に改良されたものもあると言う。兵器としては一長一短あるが、乗員としては足元に弾薬を並べているような戦車にはあまり乗りたくはないだろう、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/04/30 19:07:07 | |
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