【回顧2023】
沖縄では故・翁長雄志前知事時代から9年間「オール沖縄」と称する「反基地イデオロギー県政」が続いている。今年は、その帰結とも言える沖縄の「内憂外患」があらわになった。
まず、「内憂」だ。玉城デニー県政は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐる裁判で「最高裁判決に従わない」と表明した。県政は「反基地」のためなら、法さえ無視するモラルハザードの状態に陥ったのだ。辺野古沿岸の軟弱地盤を改良するため、政府が出した設計変更申請を県は不承認としたが、9月の最高裁判決は、県の判断を違法と結論付けていた。
玉城知事は申請を承認する法的義務を負ったにもかかわらず、不承認を貫くと表明したのだ。政府自らが県に代わって申請を承認するため代執行訴訟を起こすと応訴し、法廷で「辺野古移設反対の民意こそが公益だ」と主張した。しかし、県が辺野古移設を妨害することは、結果として「危険な普天間飛行場」の撤去を遅らせている。これが果たして「公益」になるのか。関係者によると、県職員の間では、法を順守する公務員として、知事に申請を承認するよう求める意見が多数だったという。だが、与党である共産党や社民党などが承認しないよう強く要求した。玉城知事は結局、支持基盤である反基地派への配慮を、法に優先させた。ここまで来ると、沖縄はもはや「法治国家の自治体」とは呼びづらい。
「外患」も顕著になりつつある。玉城知事は今年から、「地域外交」と名付けた外国訪問を活発化させ、早々に中国を訪問した。直行便の復活を要請するなど、沖縄と中国の友好関係を確認した。これに呼応するように、習近平国家主席が「琉球」に言及したと中国共産党機関誌「人民日報」が大きく報じた。知事訪中直後には、駐日中国大使が県庁に知事を表敬訪問するなどの動きが出ている。中国政府が「沖縄の懐柔」に乗り出したのは確かだ。知事の対中接近で、「沖縄県民は尖閣諸島を侵奪しようとする中国の動きを気にしていない」という誤ったメッセージが、国際社会に発信された可能性がある。中国は遠慮なく尖閣周辺への侵入を激化させるだろう。私たちは、現実ではなくイデオロギーに基づいて運営される共産主義国家が次々と崩壊した歴史を見てきた。県民の一人として「反基地県政の沖縄も、その轍を踏むのでは」と危惧する。
■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。
沖縄の知事さんが法律として順守しているのは宗主国様の国内法なんだろう。ここまで来ると反体制とか反基地とか言うよりも宗主国様の出張所のようなものか。沖縄などに米軍基地があると宗主国様の台湾侵攻の重大な妨げになるので何としても阻止したいんだろう。もはや日本の地方自治機関ではなくて宗主国の自治機関ではあるようだ。誠に困ったものではある、・・(-_-メ)。
Posted at 2023/12/23 17:48:53 | |
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