2020年02月27日
「線香花火のような恋だった」
高校1年の主人公は人が死ぬ一週間前からきんもくせいに似た“死"の香りを嗅ぐことができる能力を持ち、そのために幼い頃大事な人達を失ったことで「自分が関わると人が死ぬ」と思い込んで人を遠ざけるように生きていた。そんな主人公の前に無邪気なクラスメイト・陽斗美が現れ、「好きだ」と告げられる。戸惑いながらも彼女と関わるうちに心を開いていく主人公だが、ある日、陽斗美から死の香りがすることに気づく。その話をして「自分は死神かもしれない」と告げると「あなたは死神なんかじゃない。私が証明する」と言われ、主人公も陽斗美を守ろうとするが、…!? この話も他愛のない恋愛小説で以前はこの類の話なんか決して読まなかったんだけど話は他愛もない話だが、何だか切ないねえ、人が死ぬという話は、・・。何とか生きてくれるといいなと思いながら読むんだけどねえ。
「鎌倉あやかしシェアハウス」
子どものころからからあやかしや霊が見える特殊な能力を持つ主人公は大学卒業後、小さな会社に就職するが、ある日突然、会社の社長やらほかの社員が夜逃げしてしまい路頭に迷ってしまう。困った主人公が自分のよき理解者である祖母に相談したところ、祖母が管理している鎌倉にある「孔雀荘」というシェアハウスの管理人になってくれるよう頼まれる。しかし、その「孔雀荘」の住人は神様やあやかしを筆頭に見習いの陰陽師、訳ありの詐欺師など一癖も二癖もある神様やあやかし、そして人間たちだった。この話もよくある類の話で全般的にはあまり面白くもなく、読むのを止めて投げ出そうとかと思ったが、最後に会社で一生懸命頑張って仕事をしていたら婚約者に「お前と一緒に生活していても安らげない」と婚約を破棄され、一生懸命頑張ってきた会社は合併吸収されて無役にされ、しかも年下の上司のセクハラに悩まされるという30代の女性が登場する。でもこの女性、サーフィンで波に流されて亡くなった女性の幽霊で最後に自分が死んだ時の状況を話し、「ただ一生懸命に、みんなと一緒に楽しく生きたかった」と告白して神様にすがって泣くのだが、これも何だか切ないねえ。こういう人って間違いなくいるんだろうなあ。
自分自身も親は別にして身近な人間を7人もがんで亡くしているので僕自身が「死神」なんかもしれないなんて思うこともある。でもまあ本当に僕が死神だったらその程度では済まないだろうけど、・・。死んでいくものにはまだまだやり残したことややりたいことがあっただろうし、残る側にしても伝えておきたかったことはやってやりたかったことがあり、お互いに思いを遂げられずに永遠に引き離されていく。過去に戻ってやり直せる話もあったが、現実にはそういうことは絶対に不可能でお互いに無念を抱えて引き裂かれていくことになる。まあお話の中で「何でもあり」なら何とか助かってくれるといいとは思うけどね、あの「ほんともう勘弁してください」のように、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2020/02/27 12:43:29 | |
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読書 | 日記
2020年01月23日
昨日、「ほんともう勘弁してください」というラブファンタジー小説の話を書いた。この話、今時こんな男女がいるのかと思うようなちょっとちょっと鈍くてちょっと引き気味でちょっと子供っぽいアラサー同士の大人の恋愛話なんだけど恋と愛と言うのはそれぞれ似て非なるものではある。
恋と言うのは相手の事情などはお構いなしの特定の相手に対する一方的な個人の感情で例えるなら花火のようなものだろうか。劇的だが、まあちょっと軽い感情ではある。恋はうまく行けば誠にきれいでかわいらしいが、的を外して暴走するとストーカーとか殺人などの事件に発展することもあるちょっと危険なものでもある。
それに比べて愛と言うのは暖炉の火や炭火のようなものでじわじわと長くじっくり燃える。愛にも男女の愛とか親子の愛とか友人間の愛とかもっと広い人類間の愛などと言う博愛的なものまで様々だが、男女間の愛について言えば恋が自己主張なのに比べて愛は一種の自己犠牲なんだろう。
男女間の関係長続きするかどうかについては熱しやすく冷めやすい特性を持つ恋愛をどうやってうまく男女間の愛に変化させるかにかかっているんだろう。それに失敗すると関係ははじけてしまうし、うまく愛へと移行できれば関係は長続きするだろう。ただ愛も自己犠牲である以上、忍耐や我慢が要求されるのでこれも長い間にはストレスが溜まって破綻する恐れがある。
男女の関係を長持ちさせるにはお互いに相手の自己犠牲に見合う存在でないといけない。忍耐も必要だし、配慮も必要だし、それなり難しいことではある。一生のうちにはいろいろ出会いもあれば別れもある。いい関係を築ける人もいるだろうし、そうでない人もいるだろう。要はいつも相手のことをちょっと思いやって気を使ってやることだろうか。「ほんともう勘弁してください」の深町と梶間は相手を思ってちょっと引き気味でちょっと子供っぽいのでいい関係を作れるんじゃないだろうか。まあ作中の人物で実在の人間ではないのでなんだけどこの2人、なかなかいいと思う。
じゃあ、お前はどうなんだと言われるかもしれないが、そのお前はどちらかと言えば自由人であまり家庭人向きではなかったかもしれない。まあそれでもそれなりやっては来たけど、・・ね。でも、今更、女なんかまっぴらご免でバイクにまたがっている方が良いと言ったら「それは絶対に嘘だ」と言った人がいたけど恋愛なんて七面倒くさいことをしているならバイクにまたがっているか、四輪でも振り回している方が楽しい。機械はきちんと扱ってやれば文句は言わないからね、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2020/01/23 12:32:03 | |
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読書 | 日記
2020年01月22日
毎朝出社するたびに同期の男性社員に「好きです」と告白してくる女子社員がいた。新卒同期の彼女の告白が始まったのは入社二年目の夏、それは「お早うございます。今日も好きです。」と言う程度の軽い告白、それが毎日、5年続いた。告白される側の男性社員はその告白を軽く受け流し、そのうちに恋人もできて、5年目のある日、「もうやめてくれ」とその女子社員に言う。女子社員は「分かりました」と軽く受けて告白を止めたが、それから間もなくその女子社員は服毒して亡くなってしまう。
告白されていた男性社員は先輩女性社員に毎日飽きずに同じ告白していることを非難され、ののしられても逆に先輩女子社員をびんたしてしまうような強い女子社員が服毒して亡くなったことに衝撃を受け、またその原因に疑問を持って亡くなった後もそのままになっていた女子社員に机から日記を発見する。そしてその日記読むと読んだその日にタイムスリップできることに気がついて女子社員の死亡の原因究明とその阻止のために何度も過去に向かう。
この二人、どっちも相手に気を使いすぎるし、ちょっと幼いかもしれない。女も自分が真剣に相手を好きならもっとはっきり言うべきだろうし、男の方もなんだかどっちつかずで煮え切らないと言うか、じれったい。お互いに正直になればいいだろうと思うが、それでは話が成り立たないのだけど、・・。
それでもそうして何度も過去に戻って過去の女と接触するうちに女の気持ちが徐々に理解できて、そして死んだ原因も分かってくる。そして女の死を阻止しようと女と一緒に最後の戦いが始まる。これ以上書くとネタバレになってしまうのでやめるが、ちょっとサスペンスあり、ちょっとSFありのラブロマンス、・・と言うよりもラブファンタジーと言うのかねえ、・・ではある。
どっちももう30近い大人の割にはやっていることが子供っぽいと言うのかかわいらしい。今時こんな男女がいるのかと思ってしまうが、そのかわいらしいところに魅かれて何度も読み返してしまった。ちょっとじれったくて、ちょっとかわいらしくて、ちょっと子供っぽいラブファンタジー、・・と言うのかねえ。ちょっとちょっと鈍くてちょっと引き気味でちょっと子供っぽい大人の恋愛話、と言っても決して重くはない話、暇つぶしに読んでみるのもいいかもしれない、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2020/01/22 16:17:13 | |
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読書 | 日記
2018年09月13日
「幽霊人命救助隊」と言う本を読んでみた。何となく題に興味を持って買ってみたというところで深い理由はなかったのだが、話の筋は自殺してしまったやくざの親分、中小企業の経営者、フリーター女子、浪人生が天国に行くことができずに途中の山の上かどこかで止まっていると神様が出てきて「49日間で自殺企図者100人を助けたら天国に行かせてやる」と言う。
かくして幽霊として現世に戻された4人の幽霊の自殺企図者救助活動が始まるが、姿は見えない、現世のものには一切手を振れることができない、声も聞こえないと言った悪条件の中で自殺企図者を助けようとする救助隊の悪戦苦闘が始まる。
この作者は自殺のパターンや対処方法についてずい分研究したんだろうと思う。様々な自殺のパターンが出てくるし、対処方法も「うーん、なるほどな」と思う対処方法もあれば「それってどうなのかな」というのもある。中には「そりゃあないだろう」というのもあるが、まあ、そこそこ悪戦苦闘しながらもノルマ達成に向けて邁進していく。
そしてその中で自分が死に至った状況を顧みて後悔したりもする。全体に他愛もない話なんだけど元やくざの親分が言った「未来なんか決まっていないのに未来に絶望して自殺するなんて勘違いもいいとこだろ」と言う言葉が記憶に残っている。
ターミネーター2でも、"Futur is not set."と言っていたが、まさにそのとおりだろう。ただ、自殺に至るまでには様々紆余曲折があって正常な精神状態ではなくなっているのがほとんどだろうから早めに医師などの治療を受けるのが良いのだろう。
人は一生に1度くらいは環境的な要因から観念的にでも死について考えることがあるが、でも、未来は定まってはいない。ただ一つ確かなことは「この世に生を受けたものは必ず滅する」ということだけで何も自分から手を下して死ななくても必ず死ぬのだから生きているうちは周囲の支援を受けても問題を解決して、あるいは回避しても生きるべきだろう。
昔、庄司薫と言う作家が、この人は作家よりも不動産売買の才能の方があったらしいが、「逃げて逃げて逃げまくる方法」とかいうのを紹介していた。問題に突き当たったらとにかく逃げて逃げて逃げまくって逃げ切れたらそれは自分にとって大した問題じゃなかったので忘れていいと、・・。逃げ切れない問題だったら死に物狂いで立ち向かえとか結構無責任な話だったが、ある意味正しいのかもしれない。
夏目漱石の「夢十夜」にもどこに行くのか分からない船に乗っていたが、乗っている理由も行先も分からないので飛び降りてしまったが、飛び降りた瞬間に「乗っていればよかった」と後悔したなんて話があった。これってまさにその手の話なんだろう。手を下した瞬間に深い後悔に襲われるんじゃないだろうか。
まあ、話がそれたが、自殺と言う重い話題の割には内容は横町の人情噺、「横町の人情噺」、これももう死語もいいところだなあ、・・のようなもので結構長い話だがそこそこ読み切れてしまう。あまりこうした人情物は読まなかったんだけど最近こうした人情物を読むようになったのはやはり年のせいなんだろうかねえ、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2018/09/13 10:42:16 | |
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