ちょっと気になったのでWRカーの比較をしてみる。ちなみに、出力、最低重量、横幅はレギュレーションがありほぼ全車共通。
・YarisWRC
全長:4085mm
横幅:1875mm
軸間:2511mm
前後ストラット式
F&Rデフ:機械式LSD
CD:アクティブ
カッコはYarisWRCに比較した数値
・i20coupeWRC
全長:4100mm(+15mm)
横幅:1875mm(0)
軸間:2570mm(+59mm)
前後ストラット式
F&Rデフ:機械式LSD
CD:アクティブ
・フェイスタWRC
全長4130mm(+45mm)
横幅1875mm(0)
軸間2493(-18mm)
前後ストラット式
F&Rデフ:機械式LSD
CD:アクティブ
こうやって比較して読めてくるのがYarisの車的には理想的な動きができるマシンであることがわかります。
ドライバーを軸にした前後の動きが可能になるということ。その動きが読めて、素早く的確に操作入力ができれば速いでしょうね。前後オーバーハングが短いために空力要素の取り入れ方が重要(このリヤウイングの形の考え方は6年くらい前にiQ用で私がデザインしたiQ用GTウイングの考え方と同じ/某有名GTウイングメーカーさんに打診したら”こんなものできない(笑)”と断られた)で、かつ繊細である事が要件に含まれてくると思います。
自分を軸にした動きをするという事は車体の振れ幅が小さいので、乱れに気づくのが遅いと手遅れになります。車体の向きが変わるのと同時に次の姿勢の操作入力ができていないと手遅れになります(Air Repair iQ号はこの動きです、特に下りは)。
i20coupeは軸間も前長も長いんですが、これは車を低速で動かす場合には同じハンドル切れ角ならば大回りになります。けれども、車速があるならば回しやすい方向に向かいます。
中心からのモーメントアームが長いので与えた動きが反映しやすいのです。これはドライバーの感覚へも車の動きが伝わりやすくすることができて操作する上での安心感につながります。ですから安心して攻めやすい。車のスイートスポットも広いはず。Yarisに比べて全長もオーバーハングが少し長いので空力的には車体そのものが有利に働いているはずです。空力的スイートスポットも広いはず。
初代アリストやR33GTR、80スープラが高速走行時に能力を発揮したのと同じかな?
フェイスタは軸間距離が一番小さく、低速でのターンはしやすいかと思いますがYaris以上に素としては神経質なマシンかと思います。ただ、注目すべきは全長とオーバーハングの長さ。
おそらく、基本的な動きはトリッキーさを求めていて、その神経質な部分を長い全長(長いオーバーハング)での空力効果で安定性を持たそうとしているのではないかと思うのです。前輪軸から前端、後輪軸から後端の距離があるならばそこにダウンフォースを造れば、他車よりも長いモーメントアームにより他車より大きな押さえつける力を発揮させる事ができますから。それに前述したようにトータルの空力性能が高いので高速はOKという風になります。
単純にパワー、車重の比較論では測れないのがマシン作り。ドライバーが安心して全開にできて、サービスクルーが確実に作業が短時間で行える構造。これが競技車両に求められる重要な要件なんですね。
それからいうとCT9Aは最高だったな~
※YarisWRC
※i20coupeWRC
※FeistaWRC
Posted at 2020/01/28 11:34:56 | |
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