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イイね!
2022年03月30日

3月の読書

3月の読書 サーキットシーズンも終了しまして、
メンテナンスシーズンに突入?(笑)

バンパーどないしょw
ディフューザーつけたらフロントもちゃんとアンパネつけたくなったし…

あ、そうそう、
4/10の朝はたぶん久しぶりに芦有上がります。
関東の知り合いが来るので~















 アーネスト・ヘミングウェイ 『日はまた昇る』 (1926)

原題『THE SUN ALSO RISES』


かのヘミングウェイの長編デビュー作。
テーマは「Lost Generation」で、これを「自堕落な世代」と訳す。
WW1を経験し、その日暮らしの奔放な生活を続ける30代男女の群像。

当時フランスに住んでいたヘミングウェイが、仲間とスペインのフィエスタ(祭り)へ旅行に行った時の体験をほぼそのまま小説にしたような内容で、
ぶっちゃけ、ストーリーにメリハリが無く、ダラダラ流れていくのが難w
後半、フィエスタの闘牛がストーリーの中心になってくる辺りからドラマ性が出てきて頁をめくる指が進むが、前半がなかなかダルいw ロードノベルかと思うくらい。
劇的なストーリーを望んでいるとしんどいが、
当時のフランス・スペインの(比較的裕福な者の)風俗資料として見れば非常にレベルの高いモノだと思う。

主人公ジェイクの設定に一工夫が有り、WW1の戦傷で “男性器を失った” というもの。
これがストーリーにしっかりと効いており、
かつての恋人ブレットとはそれを境に友人関係に変わった。
物語の中核は、このブレットを巡る恋模様である。

ブレット自身も従軍看護師として戦争を経験し、戦後は玉の輿で爵位を得て裕福な生活をしているが、色んな男と “アバンチュール” を楽しみ、作中では3人の男を手玉に取る。
しかし彼女は、そうした行為で肉体的には享楽を得ていても、心の拠り所としてはかつての恋人ジェイクの存在が大きく、何かあるとジェイクを頼ってくる。

ジェイクの方は、そんなブレットの火遊びには口出しせず好きにさせてはいるが、やはり内心穏やかではない。かといって今の自分はブレットとの愛を成就させることはできない。(それだけが男女愛ではないだろう、という意見もあるだろうけど、作中のジェイクとブレットがそう捉えているのでそこは議論すべきでない)
このジェイクのブレットに対する保護者のような、兄のような、寛大なプラトニックラブが切ない。

そして、このブレットの奔放さが、当時の人々には衝撃的だったのだろう。
本作がヒットし(その後ヘミングウェイが一流作家として成功していっ)た、一つの要因はこの “魔性の女” の存在じゃないか(笑)。

とはいえ。
このブレット、不思議と嫌な感じがしない。
人生に渇望感・切迫感を覚え、それを忘れるように日々遊び、酒に酔い、肉欲に逃げる。
しかしそれでも心は満たされず、ジェイクの前だけでは泣き言を言い、「貴方と一緒に暮らせたら良いのに」と呟く。
いじらしいじゃありませんかwww















 ジェイムズ・P・ホーガン 『未踏の蒼穹』 (2007)

原題『ECHOES OF AN ALIEN SKY』


『星を継ぐもの』のホーガン。
続編では無く単品だが、同じようなテーマを逆視点から描いたような作品。


金星文明は、かつて栄華を誇りながら絶滅した惑星 ~地球(テラ)~ の探査計画に取り組んでいた。
テラ文明はなぜ滅んだのか? テラの衛星 ~ルナ~ の遺跡で発見された、テラ人が持っていないハズの超技術の痕跡は何を示唆しているのか?



“金星人” の視点から “テラ人” の文明・習性・文化を分析して、あーでもないこーでもないと考察が進む。
この構図だけでもなかなかの皮肉に富んでいて面白い。
「テラ人は自らが引き起こした最終戦争によって種族全体が滅びた」というありがちな設定ですが…
金星人学者達によって語られるテラ人の歴史が、今のウクライナ情勢、特にプーチンに対して的確すぎる。

「目の前の現実よりイデオロギーの方がリアルになり、挙げ句の果てにそれを巡って戦争を起こした」
「力を持つものは自分からそれを手放しはしない。テラ人はその事を知っていた。手放すように仕向けるしかないんだ、最終的には力に訴えることになる」
「指導者達は全員がエリート階級で、戦争する相手の方も同じだった。それ以外の人々は搾取されるだけの消耗品に過ぎなかった。人々(テラ人類)は常に分断されて、自分達の抱える問題の原因は他のグループ(国・種族・宗教)にあると思い込まされていた。だから人類共通の敵や問題に向かって団結することができなかった」
「テラ人のマスコミの役目は啓蒙でなく洗脳だった。公式の嘘を広める事だった」


うーん…おっしゃる通りです…


ホーガンの面白い所は、トンデモSFなのにちゃんとそれらしく筋が通って聞こえる所(笑)。
そういう意味で、ハードSFと言われながら上質のエンターテインメント作品でもある。

…ま…
ぶっちゃけ…
良作には違いないんやけど…
『星を継ぐもの』には及ばないかなコレは…( ̄▽ ̄;)





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Posted at 2022/03/30 20:00:13

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