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2023年11月29日

11月の読書

11月の読書 下書きの日付がなんと8月w
前の読書感想文がなんと4月ww

読書サボりまくりですが、
代わりにプラモスキルが
鯉のぼり…?鯉の滝登り…?鰻のぼり! だった今年。

一応、読んだ分はちゃんとアウトプットしておこうと思い、
8月に読んだ1冊 + 再読に時間が掛かりまくった1冊 を。

てゆーかさぁ!
8年もずっと毎月読書感想文書いてたの凄くね?w←
















 カート・ヴォネガット・ジュニア 『タイタンの妖女』 (1959)

原題『The Sirens of Titan』


SF黄金期の作品群の中にあって、少しブッ飛んだファンタジーで異彩を放つ作家。
リアルSFとは正反対の何でもあり(笑)。


主人公は全米一の大富豪マラカイ・コンスタント。
しかし彼はとある存在の企てにより、富も記憶も奪われ、火星から水星、再び地球の後、土星の衛星タイタンへと放浪させられる。
そのとある存在、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、かつて宇宙船ごと “時空等曲率漏斗” なるモノに飛び込み、時空と物理空間を超えてあらゆる場所と時に存在する波動現象となった男。
人類の未来も過去も全てを “同時に見ている” 彼の介入によってマラカイの人生はコントロールされていく。
マラカイが演じさせられる役割とは何なのか。ラムファードの目的は何なのか。



それでいて、ラムファードは “神” ではない。
ラムファードすら実は更に別の存在から駒のように扱われているだけで、ラムファードの荒唐無稽な振る舞いはそれに対する反抗でもあるのかもしれない。

大きなテーマとしては「人に “意思” というモノはあるのか」という問い掛け。
グループ、大衆、地域、国家、人種。そういったカテゴライズで大まかに意思・思想は定まっており、大きな流れの中で個人の意思など存在できるのか。
人類全体の為に特定少数の英雄的犠牲の是非を問う一方で、そういう一切のしがらみから解き放たれた世界で手にする平穏を示唆する。

どちらが良い、どちらが正しいというワケでもなく、シニカルである意味ではディストピア小説と見ることも出来るが、
その中でも本人が何かささやかな幸せを見出だしていれば、それは意味のある事なのだろう。
という、資本主義と社会主義の対比を意識させるのもこの時代のSFのお決まり背景。















 メリーナ・マーケッタ 『ヴァイオレットだけが知っている』 (2016)

原題『TELL THE TRUTH, SHAME THE DEVIL』


ロンドンの警察官ビッシュは、娘の参加したバスツアーのバスがフランスで爆破されたと連絡を受ける。娘は無事だったが死傷者多数。更にツアー参加者の1人が、かつて23人を殺害した爆弾犯の孫だと判明する。その17歳の少女ヴァイオレットは、事情聴取の後でツアー参加者の少年と姿を消し、ビッシュはその行方を追う。


この小説のメインテーマは何だろう?と考えると答えに困る。
序盤の掴みではテロ攻撃の混乱、犯人探しの憶測といったものが前面に出ていて “目眩まし” になっているが、
実は犯人探しは本筋ではなく、バスツアー参加者のティーンエイジャー、その親達の2つの世代それぞれの悩み、葛藤、友情、家族ドラマ。そういったものが複雑に絡み合って紡ぎだされる絆の物語、とでも言うのか。

とにかく登場人物が多く、巻頭に人物紹介も付いているがそこに含まれていない重要人物もいて「おまえ誰やw」になる。

バス爆破事件=爆弾犯の孫娘・ヴァイオレットが真っ先に容疑者に挙がるのが話の常と思いきや、ビッシュを始めとする大人達の見立てではヴァイオレットは早々に容疑者から外れる。
しかしヴァイオレットは逃げるように行方を眩ます。
彼女の行動・目的は、バス爆破とは全く無関係に、彼女の計画に沿って進んでいた。

ビッシュは、ヴァイオレットの母、かつての爆弾犯の娘、共犯として終身刑服役中のノア・レブラックの元へ「ヴァイオレットの行きそうな所の手掛かり」を求めて何度も面会に訪れる。
ノアは終身刑で服役中ながらも芯の通った毅然とした態度でビッシュに挑戦的な態度を取る。
面会を重ね、実績を示し、少しずつノアの信頼を得ていく様も見所。

ノアのその性格は娘のヴァイオレットにも受け継がれていて、辛辣で口は悪いが、礼儀正しく素直で、“良い子” である。
ビッシュとその娘ビーとの関係改善もまた見所の一つ。
そしてビッシュは様々な関係者から話を聴いていくうちに、ノアの終身刑が冤罪であることを確信する。

子供達の横の繋がり、友情や恋慕も大きなテーマ。
一見、ただの悪ぶっているだけのクソガキかという印象だったキャラが、実は面倒見の良いお兄ちゃんとして事件後の子供達を纏めるリーダーとして動いていた所や、
今ハヤリ(?)のLGBT要素も、思春期に当てはめればスンナリ入りやすいのはある。(これに関しては著者自身が書きたかったのか、出版社の意向なのかよくわからんけど)


全体として、性善説の上に立っている世界観で、読後感は爽やかで気持ちが良い。これ大事ね(笑)。
これだけ書いて振り返って見ると、やはりこの本のメインテーマは家族愛かなと思う。










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Posted at 2023/11/29 11:11:43

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