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FlyingVのブログ一覧

2021年03月29日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋の惨劇 最終章

さて、いつまでも前車と過去を引き摺っていてもいけませんから、さっくり終わらせていた来たいと思います。
ようやく最終章、お暇な方はどうぞお付き合いください。

--------本編---------
ホテルのエントランスにS3を横付けし、彼女達を先に下す。
依頼はほぼ半分までなし遂げたといってもいいだろう。

向かうは、点心の有名店。
一度、上海で行ったことがある店が当地で新規開店していたのだ。
エレベーターで高層階に上り、受付で予約したことを伝え、店内へ。
個室に案内され、コースでいいか確認し、オーダーを入れた。
全員アルコールがNGのため、ソフトドリンクで乾杯をし、再びガールズトークが炸裂した。
「ナースさ、あれ着たら。」量産型が言うあれとは、料理を運んできた女性店員のチャイナドレスだ。
「うわエロっ!」ナースのボディラインをガン見するカナ。
「DTを絶対殺すドレスじゃん。」と量産型。
うん、激しく同意だ。
「先生、どう思います?中国でお仕事されてたんですよね?」
「え?あ、まあ、似合うんじゃないの。」
「ところで先生、いつからDTなんですか~うふふふ」と意味ありげなジト目で昭和のセクハラをかましてくるナース。
とこんな感じで、いつも通りおちょくられ、俺のHPが残り10%となったところで祝賀会は終わった。

あとは依頼品である彼女たちを送り届けて依頼達成だ。

量産型はナースの所に泊まるとのことなので、途中で降ろし、残るはナビシートのカナ。
そうか俺が運ぶ最後の荷物はカナだったか。
ナビシートに差し込む街灯や看板、ビルの明かりが、代わり代わり、倉科カナ似の横顔を浮かび上がらせる。
ナビの示す目的地まで間もなくという所で、信号待ちでふいに目が合い、ドキリとさせられた。
「あの辺だよね?」
「そうなんですけど、私、今、一人暮らしなんですよ。」
「え?」
「おじいちゃんのマンションの部屋を一つ貰ったんです。」
「は?」
「あ、そこの交差点を右折で。あれです。」
と指さす方角には、いかにも高そうな高層マンションが。
「でっけー!!ちょっと待って、、、あれに一人?」
「でも、2LDKなので、そんなでもないですよ。リビングにはスタンリーのピアノが置いてあって、狭いですし。」
「いやいや、、、スタンリーって、フェラーリ買えるじゃん。。。」
「一人暮らしして分かりました。私、結構寂しがり屋だったんです。」
「う、うん。」
「駐車場もありますし、そこの地下入って、〇番にお車停めていいですよ。」
スロープを降りると、高級車がずらりと並ぶ地下駐車場が開けた。
カメラもそこかしこにあり、専任の守衛もいるなど、さすがのセレブリティぶりだ。
「先生、もし 、、あの、、、、お茶でもどうですか?」
な、、、な、、、、ん、だ、、、と、、、
あ、危ない、、、脊髄反射で、うんと言ってしまう所だった。
だが、俺はプロだ。
パンツを確認している場合じゃない。
「いいよいいよ、何か悪いし、このまま帰るから。」
「そうですよね、、お忙しいですもんね。あ、これ、今日のお礼というか、クリスマスに焼き菓子失敗しちゃって、そのリベンジで持ってきました。」
「ああ、ありがとう。」
「あと、先生、覚えてます?あの愛知医科大学の過去問。私が書けなかったあの問題。」
「うん。」
その過去問とは、
あなたにはこれまで3年間真剣なお付き合いをしてきて、来年ぐらいに結婚を約束している彼ないし彼女がいるとします。ところが2カ月前にふとしたことで知り合った別の人が好きになってしまい、今付き合っている人と別れる決心をしました。600字以内で別れの手紙を書いてください。』(2015年 愛知医科大学一般入学試験・2次試験・小論文2日目)というもので、
恋愛は2次元、3次元は医学部に受かってからと心に決め、ホメオパシーとか尊厳死だとか医学部小論文を対策しまくって臨んだ超進学校のDT受験生たちを奈落の底に突き落とした伝説の設問だ。
カナはこれを苦手としていた。
ま、結果、国立医学部合格なので、どうにも良かったのだが。
「私、書き直してきたんですよ。」とナビシートから降りる間際にクリアファイルを差し出してきた。
「今日はありがとうございました、お気を付けて。」
そう言うと、エレベータホールへと消えていった。

終わった。運び屋としての責務を全うした。
どうだフランク、この俺の仕事ぶり。
途中、アクシデントはあったが、任務を完遂したのだ、。
軽くなった財布とともに程よい疲れと達成感に包まれ、俺は、家路についた。

駐車場にS3を停め、カナがくれた紙袋を開けてみた。
中には、形の良いカヌレとマドレーヌがいくつか入っている。
その一つを頬張りながら、俺は、ふと、カナが書いた600字の回答を手にとった。
何気なく読み進めたとたん、マドレーヌは俺の手からフロアに転がり落ちていった。
その回答というのは、手紙の主は『カナ』、新恋人は『イケメンB君』、で、、、、別れる恋人は、『俺』じゃねえか!!
なにが、『先生と生徒でこんなことを続けるのは良くない。』だ!!
しかも、末尾にシーズン2に続くって、何も始まってもいないだろーが!!!
今時、別冊マー〇レットでもやらない陳皮な設定で、全く身に覚えもないことをこうもリアルに描写できるとは、いつの間にこんな文書力まで身に着けやがって、って俺の授業か。
もしこれを家に持ち込み、家人の目にするところとなったら、フランクどころの惨事では済まない。

取り敢えず回答をファイルに戻そうとしていると、俺のスマホが鳴った。
見なくても分かる。
「先生、絶対添削して下さいね(笑)お待ちしています(笑笑)」とのメッセがディスプレイに浮かんでいた。

やはり、依頼品を開けるとロクなことはない。
さて、フランク、俺が悪かった。
この後の本編、どう切り抜けようか。。。

~女子大生とS3 シーズン1 終了~
Posted at 2021/03/29 11:25:19 | コメント(2) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記
2021年03月23日 イイね!

ジャブローに散る

ジャブローに散る時は宇宙世紀✕✕✕年。

三河連邦の誇る水素燃料と欧州連合の開発したダウンサイジングターボとのエコスポーツ戦争は激化し、さらに第三帝国によるターボEV「タイカン」の介入により、戦局はさらに混迷を増すばかりであった。

これは、ナゴヤジャブロー上空にて、とある白い機体が成層圏突入を試み、その後回収されたボイスレコーダーの音声記録である。

「ガー、、ガガ、、、こちら、F80M3小隊所属のFlyingV、、、間もなく重力圏。ただ今か、、ら、、当機体は大気圏突入を決行するもので、、あ、、ります。」
「こちら、司令部、、だめだ、FlyingV、、、至急、離脱せよ、、、聞こえてるか、、、」
「、、、、ガ、ガガ、、ミノフスキー粒子、依然、高濃度、、、、通信甚だ不良、、機体温度ならびに本人のテンション、急激に上昇中、、、冷却間に合いません。例のフィルムを展開致します。」
「待て、FlyingV、そのフィルムを使うな。」
「、、、司令部、、、、、アムロ伍長が、このフィルムで大気圏突入を成功させたとの記録がTVシリーズ第5話にあります。」
「聞くんだ、それを成功させたのは、アムロ伍長とRX-78だけなのだ。」
「ガガ、、、ガ、、お言葉ですが、このFlyingV、スモークフィルムをはじめスマホの衝撃吸収フィルム、古くはPSP、任天堂DSなど数限りないフィルム張りを成功させてきた自負があります。」
「いいか、演習と実戦は違うのだ。」
「すでにフィルムは展開され、もう後戻りはできません。FlyingV、行きまーす!!」
「やめろー!!!お前が使おうとしているフィルムは中華のインダストリーだぞ!!」
このやり取りを最後に、FlyingVとの通信は途絶え、ボイスレコーダーとともにわずかな残骸が回収されたのであった・・・











えー、、、本人がいたく落ち込んでいる為、ガンダムパロディでお送りいたしましたが、車のデリケートゾーンであります、メーターパネルのフィルム張りに思いきり失敗してしまいました。
これまで、いくつものフィルム張りを成し遂げ、ネオクラシカルフレーズで鍛えられたフィンガリングをもってしても、秒でゴミと化すことにorz
難易度は、ワンピースの四皇もしくは幽遊白書でいう所の魔界三大妖怪レベルで、まずDIYで貼るのは無理です、はい。
これで、マフラーカッターに続き2連敗、、、累計損害額は諭吉さんの黒い三連星といったところでしょうか、、、あー痛いなぁ(涙)
Posted at 2021/03/23 12:29:18 | コメント(5) | トラックバック(0) | F80M3 | 日記
2021年03月18日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋の事件簿 その4

反省を込めつつ、ほとんど整理しないまま書き残してあったこのシリーズ。そろそろ終わらせたく、ちょいと長めに掲載いたしました。
お暇な方はどうぞお付き合いください。

--------本編---------

ナースは、こちらがバックミラーを確認するタイミングに合わせて足を組み替えているようだ。
足を伸ばしたり、膝をわざとらしく掻いたり、その度にジト目で、俺の様子を窺うようにしている。
依頼品の中身を見ていけないとはとんでもない縛りだ。
禁室型の神話が数多く残り、そのほとんどが中身を空けてしまうといった、神すら守れない禁忌をどうして人が守れようか。

そうしているうちに、事件は三車線の国道に合流し、信号待ちをした時に起きた。
「ねえ、ちょっと、あれ、あの車!」と後ろから身を乗り出す量産型。
「何?え、もしかして、、、」
「マジで?」とあとの二人。
彼女たちが指差すのは、左側車線の1台前にいるワインレッドのC〇-R。
「やだ、何でいるの?」
「キモイ、キモイ」と騒がしい。
「ちょっと落ち着け、一体、何だってんだ。」
「あのね、先生、あの車、量産型の元カレのと同じやつで色も同じ。」ナースが身を乗り出してくる。
「いや、だってあれ、たくさん売れてるし、そうとは限らないんじゃないの?」とC〇-Rへのとんだ風評被害をフォローする俺。
「絶対そうですって。推薦決まった後、すぐ免許取って、卒業前に買ってもらったって言って、乗ってきてましたもん。カナも知ってるよね?」とナースのキラーパスがカナに飛ぶ。
「う、うん。。。」歯切れの悪いカナ。
「何でカナが知っているの?」量産型がパスを拾った。
「え、、何でって、皆に自慢してたし、、、あ、先生、信号、青。」
青信号がナースのキラーパスをセーブした。

「先生、何かないんですか?押したらミサイル出たりするボタン。ほんと、あいつホント、バラバラに爆ぜてほしい。」とやたら物騒な量産型。
「なんなら、私が小〇(元カレ)爆ぜさせて、臓物ぶちまけちゃいましょうか~Re:ゼロのエルザは臓物大好き~うふふふふふ」
思い出した、ナースはBLだけでなく、グロ好きだった、、、
一部男子から『オロチ丸』と呼ばれ、恐れられていたんだった。
白衣の天使どころかまさにサイレントヒルのアレだ。
ていうか、まずスカートどうにかしろ。小〇の臓物より、お前の中身がエライことになっているぞ。
「先生、ナースの目がヤバい。あ、小〇(元カレ)の車、近い近い!!!」
「分かった。」俺はコンソールからダイナミックモードを選択した。
途端に勇ましくなる排気音。
パドルシフトの左側をクリックし、アクセルペダルを押し込む。
S3は女子大生3人を乗せ、傲然とC〇-Rを抜き去っていった。

「で、本人だった?」
「キモくてよく見なかった。けど、なんか若い感じだったから、そうかも。」
とにかく適当な量産型に、
「全然違う、イケメンが運転してたよ。あいつ、色白ぽっちゃりじゃん。」とカナ。
「なら良かった。」シートバックに量産型が体を預ける。
「でも本当、キモかったよね、小〇。なんかレールガンってアニメのキャラクターと声優、待ち受けどころか、イベントとか学校休んで行ってたし。」と仮にも彼氏だった小〇の悪口が止まらない量産型。
「あー俺の嫁とか言ってね。缶バッチとかうざかったよね。」と正気に戻ったナース。
「あいつさ、獣人?アニメによく出てくる、耳と尻尾のついた美少女の、、、ホント好きすぎて、俺の純潔は獣人に捧げるとかいって、眼鏡キラキラさせて熱く語るの。」
「色んなところから小〇の苦情がなぜか私ところに来てたんだよ。自分ことクールなイケメン設定にしてたよね。」とカナ。
「量産型、お前、よくそんな奴と付き合ってたな。」
「だって、付き合ってってしつこかったんだもん。それに、なんか私がイケメンに育成するみたいな、、そんなことができると信じていた時期もありましたっと。で、先生、聞いてくださいよ。私が39度の熱で寝込んでいた時があって、、、、」
「あー、あれ!!」とナース。
「私の家、誰もいなくて、しんどくてしんどくて、取り合えず、朝6時に小〇(元カレ)に学校休むってラインしたんですよ。そしたら、ヤツ、どうしたと思います?」
「さあ。」
「朝の6時半に、玄関がピンポンピンポン鳴るんです。何とか体起こして、開けたら、ヤツがいたんです!しかもお母さんの運転で。」
「マザコンだもんね~全部お母さんに報告してたんでしょ?」とカナ。
「そう、で、あいつ、勝手に入って来て、普通看病してくれると思うじゃん。私、もうフラフラで、ベッドに倒れこんだの。頭もぐらぐらしてて、意識もボーとなってて、、、」
「で、なんか汗かいているみたいだからって言いながら、布団の中ゴソゴソし始めて。私も、なんだかよく聞こえなくて、うんとか言っちゃってたんだよね。」
「パジャマとか着替えさせてくれるのかなって感じだったんだけど、なんか、変なの。」
「変って、、まさか、、、」
「脱いだ後着せてくれないの。」
「もうキモ過ぎ、、、やめて。」と耳をふさぐナース。
「私も寒気がすごいし、フーフー息が顔にかかるし、ずっとゴソゴソしているしで、頑張って目を開けて起き上がってみたら、中途半端にパジャマ脱がされてて、目の前に小〇の顔があるの。わーって突き飛ばしたら、あいつの手、何持ってたと思います?尻尾ですよ、尻尾!!」
「は?尻尾?」
「そう、尻尾。コスプレとかで使うフサフサで青いの。」
「え?」
「で、私の頭になんか乗っているんです。冷えピタにしてはオデコそこじゃないよなって思って、触ってみたら、、、、」
「・・・ゴクリ・・・」
「耳!!獣の耳の、、、その猫耳カチューシャ、付けられてたんですよ!!!私が寝込んで何もできないのをいいことに!!!!!」
「何回聞いてもホントキモーい!!!!」
「あいつ、シレっと『だって、いいって言ったじゃん』って。秒で追い出しました。後から知ったんですが、いつも持ち歩いているみたいです、耳と尻尾。いつDT捨ててもいいように。」
おーい、小〇、お前のいないところで、地獄が始まってるぞ~
俺が代わりに泣いてやってもいいが、すまん、全く同情できん。
せめて大学では通報されないように気をつけろよ~

「さらに、むかつくことに、好きな人ができたって、私がフラれたみたいになったんです!!」
「その人と付き合ったの?」と俺。
「それはないと思います。でも告白されたとか言ってたような、、、カナ知っている?」
「う、ううん付き合ってないよ、、、、」
そのカナをジト目で覗くナース。
「ごめん、私、小〇に告白されたの。なんか俺のこと好きみたいだから付き合ってやるみたいに、、、ちょうど小〇が調子に乗りすぎてて、ウザ過ぎたでしょ。で、サキ達から頼まれて、ちょっとその気にさせ過ぎちゃったって言うか、、、」と量産型に向かって両手を合わせるカナ。
「量産型と別れるのが条件みたいな感じにしたんだよね~で、皆が賭け、、いや、予想通り別れたところで、秒で地獄に突き落としたと。」やけに詳しいナース。
「あー、、、ま、そんなことだろうと思った。そもそもあいつにカナなんて絶対無理じゃん。」
「怒ってない?」
「全然。私からフリたかったなーってのはあるけどね。いや、ちょっと待って、私とカナを天秤に乗せたってこと?あっさりカナになびいて、え、で、皆、カナに賭けてたって、それ酷くない?ヤツもサイテーだけど、皆もサイテーじゃん!!」
「ホント、ごめん、、この償いは絶対するから!先生が(笑)」
こんな調子で車内のガールズトークは止まることなく、そして、熟しかけた果実が発するアンバランスなフェロモンがS3のコンパクトなキャビンに充満し、何度も噎せ返りそうになりながら俺はハンドルを握った。

~完結編に続く~

Posted at 2021/03/18 14:59:17 | コメント(2) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記
2021年03月15日 イイね!

時計仕掛けの狂気ことルドルフ・フォン・シュトロンハイムさんに語ってもらいました

時計仕掛けの狂気ことルドルフ・フォン・シュトロンハイムさんに語ってもらいました貴様も我が第三帝国が誇る最強のストレート6を駆り、その名誉を我が身のものとするのだ。
きっと貴様の受ける衝撃はティーガーやマウスを上回ることだろう。
パンツアー、フォォォォォォ
Posted at 2021/03/15 11:13:14 | コメント(0) | クルマレビュー
2021年03月10日 イイね!

女子大生とS3 とある運び屋の眼福 その3

自分に課した週一アップのノルマをクリアすべく、小出しにしております、このシリーズ。
ノンフィクションに基づくとはいえ、一体、どうしてこんなものを書いたのか、当時の自分の脳みそを開けて覗いてみたくなる今日この頃。
ま、あまり深く考えるのはやめて、週の中日のコーヒーブレイクにでもして下さいませ。

--------本編---------

運び屋である俺のタスクをおさらいすると、
『依頼主』は3人のうちの誰か。俺はその正体を絶対に特定しない。
『依頼品の中身』は見ない。
『契約厳守』だ。
理由はどうあれ、フランクは結局、全部、反故にした挙句、あろうことか依頼主をぶっ殺し、依頼品の美女とイチャラブな関係になるという運び屋の風上にも置けないアマチュアだ。大体、ステイサムのくせいにステイが出来ないとは情けない。
だが、俺はプロ中のプロ、そうはいかない。

「そろそろ時間だし、行こうか。」
「はーい!」と席を立つ彼女たち。
相変わらず伝票は俺の前でステイしている。
(これも依頼の内。)と、それを手に取り、会計へ。
「ご馳走様でした~」と一際元気なお礼とともに店を出た。

少し背伸びして駐車場を見渡すカナ。
「ちゃんとAudiで来てくれました?」
「どうかな。」
「え?もしかして売っちゃったんですか?」
「だとしたら?」
「え~ダメですよ、、、って、あそこにあるじゃないですか!!」
駐車場の隅のS3を目ざとく見つける。
「そりゃ約束だから。」
「ちょっと待ってくださいよ、、、そんなに早く歩けない、、、」
そうか、カナの背が伸びたなと感じたのは、ヒールのある靴を履いているからだ。
「これこれ、このAudi!」
「ね~かっこいいよね。」と意外にもナースと量産型にもウケがいい。
「乗っていいですか。」
「お、おう。」
オートロックを解除すると、「うわ、低い、、、スカート見えちゃうかも、、、」と言いながら、彼女達はスラリとした足を折りたたみ、器用に体を滑り込ませた。

「へ~こういう風になっているんですね~、、なんか出てきたー!!」
カナがエンジンスタート時のインパネのギミックにいちいち反応している。
「おもしろい?昭和の頃ならともかく、平成後半生まれの若い子たちは車なんて興味ないでしょ。」
「そんなことないですよ。かっこいい車だなって思ってましたし、先生に似合っているじゃないですか。」
車を褒められるのは勿論だが、似合っているとはこれまた嬉しいことを言う。
いやいや油断は禁物、こいつは無自覚に『あれ、俺のこと好きなんじゃね?』と匂わす悪魔の実の能力者だ。これまで何人もの男子生徒の屍をこの目で見てきた。
エンジンスタート時の勇ましいエキゾーストノートに、
「結構、大きな音するんですね。」とナビシートのカナ。
「あースポーツグレードだからね。乗り心地もそんなに良くないかもよ。」
「Audiって、良く分からないんですけど、前の彼氏のお父さんが乗ってて、たまに彼氏が借りてたんですけど、こっちのほうが速そうっていうか、違いますね。」
「カナのとこ、おじいちゃんがなんかでっかいの乗ってたよね。あれ何?」とナース。
「え~と、、、、ベントレーだったかな、、、、」
「うーわ、さすが大病院の院長先生!合格祝いに何買ってもらったんだっけ?」
「うんと、、、バイオリンと世界一周、、、、」
「マジか!!」by全員
「うん、学会のついでに連れて行ってくれるって。」
「私、合格祝いにこの車欲しいー!!頂戴!!!ていうか彼氏も欲しい!!!先生、合格したらモテモテって言ってたじゃん」とリアシートからウザ絡みする量産型。
断じてそんなこと言ってないし、もし仮にそうだったら、俺自身、毎年大学受験している。
「あんたさ、せっかく可愛くなったのに、そういう所がダメなんだって。」
と冷静にたしなめるナースに、
「合コン荒らしてるあなたには言われたくありませんよ~先生、聞いてくださいよ、ナースってば、すごいビッチなんですよ~」
「違いますよ、勝手に告られて、付き合う気がないって言ったんです。それが何回かあって。。。私が2次ショタ好きなの知ってるじゃん。それなのに合コン付いてきてくれってお願いするからだし。それ言ったら、量産型のインスタも相当あざといよね。」
「はい、モテ自慢、乙。ちょっと、カナ、医大生紹介してよ~開業医のさ~」
「もう分かったから。先生が運転に集中できないじゃん。」
全くもってカナの言う通りだ。
お前ら、頼むから、足を組むか揃えるかして乗ってくれ。
ああ、くそっ、、また目に入ってしまった。
特にナース、お前は一体、俺に何を見せようとしてるんだ。

このまま平穏に依頼を実行できるはずだった。
それなのにあんなアクシデントに見舞われるとは、フランクですら予想もつかないことだった。

~その4に続く~



Posted at 2021/03/10 12:14:18 | コメント(4) | トラックバック(0) | AUDI S3 | 日記

プロフィール

「高校生と化学式とM3(G80編) http://cvw.jp/b/192969/47673952/
何シテル?   04/23 17:21
20年前に偶然出会った96年式M3CLimousineを溺愛すること4年、そして涙の別離を乗り越え、その後、やって来たE46M3と忘れえぬ10年来を共にした不人...
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