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2021年04月17日 イイね!

神の手との邂逅

神の手との邂逅タイヤをFK510に交換し、PSSのあのブチルゴムのように路面に張り付いていた鬼グリップは失ったものの、乗り心地が劇的にマイルドになり、激速快適ツアラーへと変貌したうちのF80M3。
それはそれで、長年、変形ギターをローポジで弾き続け、メタル生活のダメージが蓄積しまくったこの体には良かったんですが、どうも本来のM3の持ち味が出ていないような気がしてならず、アライメント調整に持ち込むことにいたしました。

過去何度も、E46M3のややこしい整体と矯正を手掛けていただき、その界隈では『神の手』と呼ばれる、知る人ぞ知るアライメント界の巨星『クルーク』さん。

最後にお会いした時から、はや10年・・・
まだ現役でいらっしゃるのだろうか・・・
もう覚えてらっしゃらないだろうな・・・
と、私の不義理が長すぎて、電話をするのをためらうも、ここはM3のためと、思い切ってアドレス帳をクリックしてみると、
「はい、クルークです。」10年前と変わらぬ職人の声。
「あ、もしもし、ご無沙汰しております、FlyingVです。」
「あ、E46M3の人だね!!!」とスマホの向こうから思いがけないお言葉が(感涙)
「はい、そうです、、覚えててらっしゃったんですね、、、あのアライメントやってもらいませんでしょうか。」
「ああ、ええよ。覚えてるよ~あれ10年ぐらい前だよね。いや、気にしてたんだよね、あの後どうなったのか。」驚くべきは、こんな数回程度しかお世話になっていないユーザーのことを忘れているどころか、10年たった今の今まで気を掛けていただいていたなんて!!
「その節は本当に、、、」
「ええよええよ、来てくれた時に聞かせてちょーよ。で、今、何乗ってるん?」
「F80のM3です。」
「あー新しいヤツか、、、やったことないな。」
「できますか?」
「やるよー!その前にディーラーに数値もらうから車体番号教えといて。」
と10年のブランクを感じさせない軽妙なトークにこっちまで時間が戻ったような気がし、そのまま予約を入れ、いざ当日。

住宅街の少し分かりづらいところにあるものの、記憶を紐解きながら到着。
あの頃と変わらぬ笑顔で出迎える神の手の持ち主。

「いらっしゃい。」
「あの時は色々とありがとうございました。これも宜しくお願いします。」
とキーを渡し、すべてを職人に託しました。
「どんな感じで行く?」
「あ、あのいつもので。」
いつものとは、『直進まっすぐ、コーナーじわじわ、出口でドン』です。
「これが今のM3か。」とリフトに移動させた職人もボンネットを開けたり興味津々。
測定器をセットする間も、積り積もった話に花が咲き、職人の懐の深さとプロ意識に改めて感服することしきり。
画面に表示される赤い数値に、「ああ、これ、左に流れるでしょ。」とすかさず癖を見抜く慧眼もさすが。

その後も、リアアームのボルトが回らず、ガチムチのいかつい助っ人が登場するシーンあり、含蓄あるお話ありの、あっという間に時間が流れ、気が付けば、画面の数値はオールグリーン。


最後に私が運転席に乗り込み、センターをキープした状態で仕上げをし、調整終了。

リフトから降ろされたM3に「ちょっと行ってくる。」と言って乗り込む職人。
そして10分後、戻ってきた職人の顔が、少し険しい気がする。。。。
「乗ってみて。」とキーを渡され、M3のコクピットへ。
もしかして、満足いくセッティングが出なかったのか、はたまた、別の重大な問題を抱えていたのか・・・
頭をよぎる不安、そしてゆっくりと住宅地を抜け、いざ、街道へと合流すると、、、、
「なんじゃこりゃあああ」とつい声が出てしまいました。
ハンドルのセンターはびったり、まるでアスファルトをなぞるように、タイヤすべてが同じ方向を向いて、無駄なくパワーを伝えているかのようなリラックスした加速とコーナリング。
「これが本来の姿だったのか。」と今までのM3はストレスを抱えたまま走っていたことに気が付かされたのでした。

戻って職人にインプレを伝えると、
「いやいや、車の出来がいいんだよ。」とさらり。
お礼と調整料21,000円をお支払いして、帰路に。

巷のアライメントショップに比べ、設備はお世辞にも最新のものとは言えませんが、さすがはその腕。
なんでも今年で創業28年、手掛けた車は実にその数20,000台以上と、あまたのディーラーやショップから信頼され続けた匠の技の凄さを改めて思い知りました。

「俺なんて数字合わせているだけだから。」と職人は謙遜していますが、その数字から意味を読み取り、蓄積されたノウハウから現車に合わせることができるのは職人ならでは。
隠れた名店ここにあり。是非、創業30年、40年、そして50年と続けていただきたいものです。

ちなみに本日はNSX TypeRが遠方から入庫してくるそうでして、職人は不敵な笑みを浮かべておりました。

Posted at 2021/04/17 22:19:39 | コメント(4) | トラックバック(0) | F80M3 | 日記

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「高校生と化学式とM3(G80編) http://cvw.jp/b/192969/47673952/
何シテル?   04/23 17:21
20年前に偶然出会った96年式M3CLimousineを溺愛すること4年、そして涙の別離を乗り越え、その後、やって来たE46M3と忘れえぬ10年来を共にした不人...
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