未明の都心部を抜けだし、荒涼とした雲に覆われた常磐自動車道を北へ北へ。山元南スマートICのゲートを通過し、スマートフォンで雨雲の動きとにらめっこしながら作戦会議。海岸線の方へ目を向けるとうっすらと青空が顔を覗かせていたので、県道38号線をツーリングルートに選択することにしました。
海岸線へ
頭上を覆っていた雨雲は海の向こう側へと追いやられ、マリンブルーの空と海がお出迎え。単調な直線道路ではありますが、堤防上のバイパス路はとても開放的でのんびりと流すにはうってつけと言えるでしょう。
PIT IN モトラッド
名取市に入り、震災メモリアル公園で海鮮料理をつまみながら今日の宿を確保。天気もこの先下り坂なので仙台市内へ向かおうと思いましたが、ここでXRのヘッドライトランプが故障。購入してから既に4回目でもう慣れたもので、幸い在庫があったモトラッド仙台南にピットインし、ロービームランプを交換しました。
三陸の入り口へ
2日目の朝。ホテルシーラックパル仙台をチェックアウトし、バディにハイオクガソリンをしこたま注ぎ込み、国道346号線を軸にしながら南三陸方面へと舵を切りました。
道の駅津山でインナーを1枚脱いで海岸線沿いを構成する国道45号線へ。頬を擦る風はやや湿気を帯びていますが、鏡花水月な景色に心打たれながら地元車両とともにいいペースで進んでいきます。
気仙沼を越えて只越漁港に着いた頃合いで雨粒が落ち始め、レインウェアを羽織って黙々と走行。碁石浜に立ち寄りつつ、釜石付近で雲の切れ目まで追いつきました。
リアスシーニックライン
大槌駅を右折し、県道231号線からリアスシーニックラインへスイッチ。全長5km程度のショートセクションで、相当マイナーな道ですが、筋山展望台をヒルトップに揺らぐ木漏れ日の中を疾走しました。
バックミラーに映る長閑な風景に別れを告げ再び国道45号線で北上し、陸中山田で県道41号線へノーズを向けていきます。
荒巻浜
重茂半島のアウトラインをなぞっていきますが、鬱蒼とした奥深い森の中を縫っていく20km以上続く狭隘路であり、湧き上がる歓びに身を任せタコメーターの針を震わせながら一心不乱にトレースしていきました。
荒巻浜付近は綺麗に舗装が敷きなおされており、ライディングプレジャー全開で上がったボルテージを落ち着かせます。霞がたなびく秋の風景と寄せては返す遠浅の波の様子は時間の経過を忘れさせるものであり、小一時間まどろんだ時を過ごしました。
重茂半島の北側は実に気持ちの良い臨場感あふれるシーサイドラインであり、こちらからアプローチした方が良かったなと思いましたが、色温度豊かな景観美をリフレインしながら津軽石川を越えてホテル宮古ヒルズにチェックイン。JR宮古駅前の居酒屋で夕飯を済ませ2日目が終わるのでありました。
北上山地
3日目はAM6時起床。XRにエネルギーを補給し県道40号線から新里放牧場を目指します。途中未舗装路区間もありますが通行する車両など皆無であり、スロットルの開放に応えるように標高を稼いでいきました。
西高東低の気圧配置により稜線へ出るととんでもない強風にさらされますが、北上山地を一望出来るビュースポットであり、ここまでの道も含めてのツーリング・エッセンスに幸福感を噛み締めます。
春の残り香
国道340号線へと下っていき、ハイスピードで流れる幹線道路を北上。観光名所の平庭高原にあるしらかばの湯で一休みです。
白いセンターラインを追いかけ八幡平方面へ国道281号線でトラバースし、標高2,038mの岩手山を望みます。岩手山パノラマラインを風景を切り裂くように駆け抜け、県民の森で桜と冠雪の名峰のコラボレーションを堪能。馬返し登山口に到着した頃にはだいぶ日も傾いてきました。
東北フリーウェイ
落花啼鳥の時を謳歌した後は、背後に聳える岩手山に別れを告げ、小岩井農場の脇を抜け紫波ICへとつながるローカルロードで南下。陽もくれた頃合いでETCゲートをくぐり、自宅への530kmの道のりを邁進するのでありました。
3日間のムービーを3分くらいでという方はこちら↓
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S1000XR | 日記
Posted at
2021/10/17 17:00:43