朝夕の冷え込みも厳しくなり背広だけでは耐えられなくなってきた11月の最初の週末。金曜の仕事を早々に切り上げ、帰りの電車内でウェザーニュースをチェックします。
前日から休みを取って日本海側を放浪している
Bandit 1250Fから投稿の返信が届き、能登半島で待っているとのこと。文末の表現からは半ば強制的な招集のニュアンスが滲み出ており、そんな行間を忖度し、夕ご飯もそこそこに荷物をパッキングします。
暗闇の中VFRのリアキャリアにキャンプギアを括り付け、寝静まった都心を抜け出し、甲州街道沿いのGSでハイオクガソリンを注ぎ込み、調布ICより中央自動車道へライドオン。小仏トンネルを越える辺りから一段と寒さが増し、イージスのアウターを早くも着込んで笹子峠を越えていくのでありました。
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秋深まる梓湖
笛吹を通過するあたりで山間部から太陽が顔を覗かせ始め、体感温度は徐々に上昇。双葉SAで乗り手の身体を休めつつ、快調に進み真紅のバイクは諏訪ICで一般道へとスイッチしていきます。国道20号沿いのセブンイレブンでホットの缶コーヒー片手に1人作戦会議。スタート当初は流石に1泊で能登半島を往復するのは無理があるとタカを括っておりここらで目的地を変更しようかと思っていたのですが、幸いにも日本海側の天候はすこぶる良好なようで期待出来ることから、予定通り進行することにしました。
国道158号線へと合流し、ダム湖のアウトラインを描くクイックな切り返しが連続する林間路をトレースしていきます。いつもは観光車両でごった返す道なのですが、ひとたび前が開けると梓湖まで約10kmのワインディングを文字通り独り占め。後方から迫りくる車両もおらず、終始マイペースでライディングプレジャーを炸裂させていきます。タイヤのショルダー部を擦り減らしながらアグレッシブなターンアングルを謳歌し、奈川渡ダムへと到着。ダム付近は紅葉の見頃となっており、色温度豊かなオータムシーンをファインダーに収めました。
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箱庭
季節の香りを楽しみながら安房トンネルを走り抜け、国道158号線で高山市街を一気にトラバース。飛騨清見ICより東海北陸自動車道を駆使して富山県へと入場します。福光ICのETCゲートをくぐり、県道21号線を繋いでいき閑乗寺公園へと寄り道。広大な砥波平野の中に家々が点在する散居村を一望出来るビュースポットであり、丸みを帯びた柔らかな光に照らされたその情景は実にユニークであり、コンビニで購入したクロワッサンを頂きながら日本の原風景を暫し眺めるのでありました。
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能登島周遊
ここで先行する
tododesuさん・
chobidesuさんに連絡を取り、本日は宿泊ということで急遽私の分も確保してもらうことに。まだ宿まで200km近くありますので、落ち葉を蹴り上げながら来た道を戻り、時間短縮のため小矢部ICより再びハイウェイへと乗り込みます。能越自動車道は途中から無料区間へとシフトし、数珠繋ぎになりながら終点の七尾ICに到着。県道47号線で能登島へと上陸し、能登島広域農道に向けて舵を切りました。
能登島をぶち抜くローカルロードですが、例に漏れず抜群のロードレイアウトを誇る中高速ツアラーラインであり、青空のもと白いセンターラインを追いかけながらスロットルを開放する ≒ 快感の方程式が炸裂です。本来は地元の農業車両のための道ですが交通量はほぼゼロであり、能天気に遊びに来た初心者ライダーが独占して良いのか心配になるほど。去年も足を運んでいるスポットですが、ワインディング好きの貴君には是非一度足を運んでもらいたい所です。
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Horizon Road
欣喜雀躍のひとときを楽しんだ後は、県道257号線で能登半島へと帰還し、針路を内陸部へと向けていきます。傾き始めた太陽を追いかけるように県道23号線を流し、海沿いのガソリンスタンドでVFRにエネルギーを注入。増穂浦海岸で早めの夕暮れをファインダーに収め、県道51号線へとスイッチします。 能登島に負けず劣らずの快走路であり、路面も極めてコントローラブル。斜陽の中順調に進行し、黄昏時に合流地点である輪島市へと到着しました。
コンビニで買い出しを済ませたお二人と合流し、1泊2日で能登半島まで来るなんてどうかしてるぜっ!という視線を頂戴しつつ、国道249号線をなぞっていきます。漆黒に包まれた日本海を横目にほぼノンストップのミドルクルージングで珠洲を通過し、県道28号線を恐る恐る進みながら、本日の宿である禄光旅館へと辿り着きました。
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気分上々
荷を解きチェックインを済ませ、500km以上走った本日の疲れを風呂で洗い流した後は、お待ちかねの夕ご飯。部屋に配膳されたお食事は多種多様であり、海の幸を存分に味わいながら他愛もない話とともに酒が進みます。わざわざ持ってきたキャンプ道具は使わずじまいとなりましたが、帰宅後の手入れが不要となり次回はそのまま使えるので良しとしましょう。
お腹一杯となり外へ出てみると雲の隙間からはちらほらと星が顔を覗かせており、明日の天気に期待しながらふかふかの布団に潜り込むのでありました。
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日の出鑑賞
翌日、7時前に起床。いや、起こされて重い瞼を何とかこじ開けて着替えます。重い足取りのもと階段を登り灯台まで辿り着くと、ちょうど日本海の先から朝日が差し込んできました。ここは能登半島の突端に位置するので、朝夕の太陽の出入りを水平線から眺める事が出来るようで、我々の他にも既に何組か待機していらっしゃいました。明治16年に建設された禄剛埼灯台は存在感たっぷりであり、眠気の覚めるような美しい光景を脳裏に焼き付けるのでありました。
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シーサイドラン
朝ご飯をガッツリ頂き荷物をパッキングし、狼煙漁港をスタート。宿のすぐ傍にある空中展望台スカイバードなる施設に立ち寄ります。ランプの宿を見下ろすビュースポットであり、売店で媚びを売っているPepperとじゃれあいつつ、能登の展望をファインダーに収めました。
軌道の妙を楽しみながら県道28号線を戻っていき木ノ浦を抜け、昨晩は真っ暗で何も見えなかったシーサイドラインを駆けていきます。ガッカリスポットのゴジラ岩を通過し、デュアル・センターアップマフラーから放たれるV4エンジンの吐息を臀部で感じながら国道249号線をBanditとともにトレース。 緩やかなリズムでコーナーが続く海沿いの道であり、のんびりとポダリングするには打ってつけのコースと言えるでしょう。
雲は多いが走りやすい気候であり、暫く進んだところで道の駅すず塩田村にピットイン。その名の通り塩で有名な珠洲市ですので、お土産コーナーも塩に拘った名産品がズラリと並んでいます。能登の揚浜式製塩の技術は国の重要無形民俗文化財に登録されており、打桶で海水を砂浜に撒く様子を見てみたかったのですが、この日はあいにくどこもやっておらず。それでもお土産に買ったお塩を自宅で使用してみたところ、適度な辛味の優しい味でどんな料理にも合いそうな気がしました。
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能登半島縦走
荒涼とした海岸線を辿っていくと、雲のクラックから僅かに日差しも差し込んできました。シーサイドラインはこれにて終了とし、内陸へと舵を切った2台のツーリングバイクは、田園風景が広がるローカルロードを恍惚のサウンドと共に駆け抜けていきます。両輪に履かせているメッツェラー・ロードテックZ6はスリップサインが露出している状況ですので無理は出来ませんが、秋風の薫りを感じながらのウィンディ・ライドは何物にも代えがたい快感と言えるでしょう。
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牡蠣三昧
ドライビング・ダイナミクス満載の走行を謳歌した後は、能登空港でお土産を仕入れつつ、お昼ご飯を探索することに。能登と言えば能登牛!ということで、子供がファミレスでハンバーグ!と叫ぶかの如くアピールしましたが、意外にも七尾市内には能登牛のお店が少なく、牡蠣のお店も満室or休業状態で、3件目に寄った笠師保駅の目の前にある「浜焼き能登風土」でようやく入店出来ました。
目の前で牡蠣を炭焼きで食べられるお店で、程なくして運ばれてきた身の締まった大振りの牡蠣にかぶりつき、サクッと揚がったエビフライとともにノンアルコールビールで喉を潤せば、もう思い残すことはありません。能登半島が牡蠣の名産だとは知りませんでしたが、焼いても小さくならず食べ応えのあるサイズには驚きました。
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500kmラン
満腹でお店を後にした3人はShellでバイクにも燃料を補充し、のと七尾線の田鶴浜駅で最後の休憩を挟み解散。tododesuさん・chobidesuさんはもう1泊される予定なので、私はここから一路自宅まで怒涛のハイウェイ走行に突入します。
当初は1日目の道を戻るルートを予定していましたが、北アルプスの中心部は割と強めの雨が降っているようなので、北陸自動車道~上信越自動車道で時計回りに回り込むことに。須坂あたりで雨に当てられたものの、20分ほどで止みその後は順調に走行。幸いにも渋滞はほぼ皆無の状況であり、約500kmのハイウェイランののち23時過ぎに帰宅するのでありました。
Posted at 2018/12/10 20:02:59 | |
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VFR800 | 日記