如月の中頃となり、都心部でも雪がちらほら降り出した週末の日曜日。前日は休日出勤で飲み会までくっついていたので、寝ぼけ眼を覚ますために朝風呂で身体の芯まで温まります。ヘルメットとタンクバッグを抱え、最寄りの駅から電車に乗り込み、新宿駅から山の手線に乗り換え品川方面へ。ライディングウェアで列車に揺られるのはあまり居心地が良くありませんが、日曜の朝という事もあり人も疎らなのは助かりました。
京急線の大鳥居駅で下車し、たくさんの車両が所狭しと並んでいるディーラーへと到着。入口の自動ドアの先には、鋭い眼光を放つレーシングレッドを纏った大柄な存在感のあるバイクが待ち構えていました。
01 posted by
(C)per
02 posted by
(C)per
03 posted by
(C)per
New Partner
新たに跨ることになったのは、BMW S1000XR。Z4に乗っておきながら、同じドイツ製のモーターサイクルに乗ることになるとは思いもしませんでした。アドベンチャー・スポーツというセグメントに割り当てられるようですが、そのディメンションは、全長2,250mm × 全高1,408mm × 全幅890mmとかなりのマッスルボディであり、乗り込んだ時の威圧感はジャーマン・フィロソフィーを醸し出してくれます。
股下に潜む心臓は、BMW十八番のボクサーエンジン・・・ではなく、999ccの並列4気筒エンジン。これがいわゆるモンスターエンジンであり、出力は165PS(121kW)、最大トルクは114Nm/9,250rpmと、VFRとは桁違いのアウトプットであるのには驚きました。
能書きはこれ位として、店員から一通り説明を受け、いよいよイグニッションを捻ろうと思ったら、タンク形状が特徴的ゆえタンクバッグが取り付けられないアクシデントが発生。やむなくトップケースに突っ込むことになり、車検証やら何やらでケース内はパンパンになってしまいました。
04 posted by
(C)per
05 posted by
(C)per
06 posted by
(C)per
スポーツ × アドベンチャー × ツーリング
気を取り直してエンジンスタートボタンをプッシュ。僅かな炸裂音ののち、獰猛なアイドリングサウンドが五感をダイレクトに刺激してきます。羽田ICより首都高に乗り込み、ハンドルに備え付けられた無数のスイッチを闇雲に弄りながら動作チェック。人気のない南本牧ふ頭に停車し、改めてS1000XRの細部を眺めてみます。
BMW Motorradのホームページでは、
”スポーツモーターサイクルのダイナミックなパフォーマンス、アドベンチャーバイクの多用途性、そしてツーリングバイクの快適性。BMW Motorrad初のアドベンチャースポーツバイクがS 1000 XRです。”
と紹介されており、スポーツとアドベンチャー、ツーリングの中間領域を狙ったタイプです。乗車姿勢はVFRと比べ直立傾向であり、バーハンドルなので回転半径も取りやすいモデル。これは長旅をメインとする私にとってポジティブな面であり、ロングライドでの疲労を軽減してくれることでしょう。
シート高は820mmとやや高めですが、オプション品のHPスポーツシートが装着されており、跨った時の股内部分に張り出しが少なく、175cm標準体型の私でも足つきはほとんど問題ありません。フロントタイヤは120/70 ZR 17、リアタイヤは190/55 ZR 17となっており、VFRに比べてリアタイヤの存在感がやや大きい印象を受けます。前後輪ともにバイク用品店でよく見かけるサイズである事から、タイヤ選びに苦慮する心配はないでしょう。
07 posted by
(C)per
08 posted by
(C)per
09 posted by
(C)per
Absolute Genius
磯子から県道22号線で国道1号へと合流。西湘バイパスで海岸線をなぞっていき、国道135号線へとスイッチします。要所で前後が開けたところで、スロットルの開度を大きめにしてコーナーへと進入すると、 "スポーツ" の側面が顔を現し始めました。トラクションの最適化やブレーキ制御を電子的に行うASC(オートマチック・スタビリティ・コントロール)・DTC( ダイナミック・トラクション・コントロール )、そしてサスペンションまでが電子制御式のシステム(ダイナミックESA)となっており、これらの訳の分からない英文字の羅列システムのおかげで、コーナーリング中に驚異的な安定感をもたらしてくれます。一定確度以上に車体を傾けると旋回中のブレが殆どなくなり、自分で曲げているというよりは一度旋回角度が決まったら後はお任せ状態といった印象を受けました。私のようなド素人ライダーでもちょっと上手くなったんじゃないかと勘違いしてしまう程であり、最新鋭の制御機構に只々驚きを禁じ得ない状況です。
10 posted by
(C)per
11 posted by
(C)per
伊豆スカイライン
寄り道しながら伊東までのんびりとライディングを続けているうちにようやく身体が馴染んできたようなので、県道19号線に舵を切り亀石峠を目指すことに。登坂車線付きの豪快なヒルクライムであり、スロットル開度に応じた強烈な加速とともに車体は前へ前へと押し出されていきます。加えて前輪にはbremboのブレーキが搭載されており、その効き目たるや度肝を抜かれるような非凡な性能。単に効きが強いのではなく、車体のバランスを崩さない制動性を有しており、初めて一流ブレーキメーカーの力量を身をもって体感するのでありました。
亀石峠から伊豆スカイラインへと乗り込むと、夕暮れを迎えた伊豆半島の稜線上はドラマチックなシークエンスに包まれており、緩やかな曲線を描く白いセンターラインを無我夢中で追いかけていきます。滝知山付近に着く頃にはだいぶ陽も傾きさすがに冷え込みが厳しくなってきましたが、S1000XRのバージンライドとしてはうってつけのコースであり、得も言われぬ充足感に浸りながら熱海峠へと下っていくのでありました。
12 posted by
(C)per
13 posted by
(C)per
14 posted by
(C)per
次の冒険へ
かくして、ドイツ製のリッターバイクが私の元へやってきた訳ですが、まだ300kmも走っていないのでインプレッションを語るには至っておらず、ひとまず乗り手の慣らしを行っているレベルの状態です。BMWのバイクは色々乗り継いで最後に行き着くようなブランドイメージを勝手に抱いていましたが、冷やかしで試乗してその抜群の乗り味とエンジンサウンドにヤラレてしまいました。年明けから1ヶ月程で10車種以上のオートバイを試乗しましたが、結局その時のインパクトが最後まで残っており、遂に外車に手を出すに至ったわけであります。
なお、お恥ずかしい限りですが、今回試乗したディーラーに教えてもらうまでフラッグシップモデルであるS1000RRの存在を知らず、"このバイクのエンジン、あのS1000RRと同じ型式なんですよっ!"とドヤ顔で言われたのに鈍い反応しか出来なかったのは今思えば申し訳なかったというものです。とは言え、そんなスーパースポーツには乗った事がないのでよく分かりませんが、点火時の爆音は私のようなド素人でも十分察知出来る程の危険さを持ち合わせており、電子制御スロットルの驚異的な吹け上がりは免許が幾つあっても足りないような気がしますね(汗)。
グランド・ツーリングのような長期間の旅やキャンプツーリングへの適性については、これからトライしてみる所ですが、今まで通りだたらなツーリング報告記が続くことになりますので、VFR800とのレッドカラー・ペアを今後とも宜しくお願い致します(伏)。
<おまけ>
4輪・2輪問わず長年使ってきたGopro Hero3ですが、いよいよガタがきたのか録画が不安定になりました。そんな矢先に家電量販店で冷やかしがてらブラブラ物色していた時に見つけたのが、insta360°という代物。名前の通り全天空カメラなのですが、一昔前だとまだまだ海のものとも山のものとも言えないレベルでしたが、これが物凄くハンドリングの良いギアで驚きました。Bluetoothでスマートフォンに転送出来るとともに、専用アプリで直感的にアングル設定や映像の接続が可能であり、私のような機械音痴でも楽々操作出来ます。
S1000XRのデビューに合わせて、簡単な動画を作成してみましたので、お目汚しになりますが恥を忍んで剔抉させて頂きます。こんな動画がスマートフォン1つで作る事が出来る世の中になったとは、いやはや時代の流れは早いものですね。
Posted at 2019/03/21 12:19:47 | |
トラックバック(0) |
S1000XR | 日記