「 浮遊大陸脱出！！ 危機を呼ぶ波動砲！！ 」#20

ガミラスの発射する遊星爆弾の放射能で、絶滅まであと１年と迫った人類の運命。
それを救う放射能除去装置は、１４万８千光年隔てたイスカンダルの星にある。
イスカンダルへ行くには、光の速度を超えなければならない。
こうして光速を超えるワープテストが行われた。成功。ヤマトは地球の宇宙艦で初めて光速を超えた。
しかし、その時ヤマトの装甲板は亀裂を生じた。

ヤマトはその障害を克服して、今まさに１４万８千光年の宇宙の旅に出ようとしている。


「ヤマトは火星を発進しました」

ガミラス冥王星前線基地ではヤマトへの対応に苦慮していた。

「もういい、消せ！地球にもいよいよ光の速度を超える宇宙船が登場してきたか…」
「今までの地球の科学力では、考えられない事です。どこかの星から援助があったのでしょうか…」
「冥王星前線基地の名誉にかけても、我々でヤマトを叩き潰さねばならんぞ」


ヤマト第一艦橋。様子がおかしい。

「船に振動が起こっている。島、速度を落とせ。

　　艦長、我々の補強作業が失敗をしてしまったのかもしれません」

「いや、違う。エンジン関係だ」

徳川が異変の原因を突き止めようと、モニターを見ながら言った。

「えっ？」
「薮機関士、異常振動が起こっている。チェックを急げ」

「ちきしょう、思うように操縦できない」

島の持つ操縦桿にもヤマトの振動が伝わってくる。

「艦長、重力場の影響を受けはじめました」
「ん？」

ヤマトが何かに引き寄せられている。

「拡大投影。木星だ！」

木星は１２年で太陽を一周している。
直径が地球の１１倍もあり、質量は地球の３００倍、体積は１０００倍を超える。
しかし地表には個体があるかどうか分からない。
あるとすれば、液体水素のドロドロした中心部に、金属化した水素があるのかもしれない。
最上層の雲はアンモニアが渦巻き、その層の厚さは何千キロにも達している。


「艦長、あの高密度のメタンの海へ深く突入してしまったら、
　　　　ヤマトは出てこられなくなってしまうんじゃありませんでしょうか」
「今そんな心配をして何になる」

真田の言葉に沖田が答える。

「艦長、エネルギー伝導管に障害が起こっているようです」

徳川が言うようにエネルギーが伝わらない。

「艦長、ヤマトがグングン引っ張り込まれていきます」
「艦首を持ち上げよ。メタンの海の道へ入り込むのを、出来る限り防ぐんだ」
「はい」

島は必死で操縦桿を引き絞るが、ヤマトは木星に引き寄せられていく。

「引力、極めて強し。圧力上がります」

その時雪がレーダーに反応を見つけた。

「未確認飛行物体、反応強し」
「船かい？」
「ううん、もっと大きな機体だわ」
「赤外線ビデオに変えろ」
「ダメだ、メタンの海に邪魔されて、はっきりとつかめない」

「ショックカノン、発射準備」
「待て、古代」

その時モニターが大きな物体を映し出した。

「浮遊大陸だ」

「えっ？」