上原氏追悼企画第13弾は上原氏がメイン脚本を担当した帰ってきたウルトラマンの最終回を紹介します。1972年3月31日に放送された第51話「ウルトラ5つの誓い」は初代ウルトラマンの最終回に登場したゼットンが2代目ゼットンとして登場します。しかし初代の着ぐるみと比べ明らかにコストダウンが見られ、一部では初代の着ぐるみが劣化したという噂も出ていますが、それは誤りで、新しく作り直した着ぐるみだそうです。昭和シリーズでは予算の削減で2代目の着ぐるみが初代より劣化するのはよくあるパターンでしたが、この2代目ゼットンと二代目メフィラス星人は本当に酷いものでした。そして強さという点でも初代のような圧倒的な強さは見られず、ウルトラマンジャックに高々と投げ飛ばされるとスペシウム光線で木っ端微塵にされてしまいました。
初代ウルトラマンやウルトラセブンの最終回と比べると、帰ってきたウルトラマンの最終回はややインパクトに欠ける作品になってしまいましたが、シリーズを通して見ると良い作品も多く、上原氏が脚本を担当した回で特に良い作品が多くみられました。やはり帰ってきたウルトラマンといえば上原正三ですね。それではストーリーの紹介に移ります。
ルミ子と次郎は触角宇宙人バット星人に捕まり、東亜スタジアムの一角にある部屋に閉じ込められていた。そこでルミ子は海岸で郷と結婚式を挙げる夢を見る。式ではMATの隊員たちと次郎がそれを祝福していた。そこに事件発生の一方が入る。郷と隊員たちは瞬時に隊服に着替え出動する。ルミ子は砂浜を走って郷を追いかけるが、目の前にバット星人が現れるが、ルミ子は次郎に起こされ、バット星人に襲われそうになった場面で目を覚ました。
ルミ子と次郎はその場から逃げだそうと、部屋を抜け出し、スタジアムを右往左往するが、バット星人に見つかってしまう。
一方、郷も初代ウルトラマンが宇宙恐竜ゼットンに敗れる夢でうなされ目が覚めた。
郷は突然消えてしまったルミ子と次郎のことを心配していると、そこに1本の電話が入る。相手はバット星人だった。バット星人はルミ子と次郎に会いたければ1人で来いと郷に告げると一方的に電話を切った。郷は東亜スタジアムに急行した。郷がルミ子と次郎を捜しスタジアムの観客席に辿り着くと、そこにバット星人が姿を現す。バット星人は郷をおびき寄せるためルミ子と次郎をさらっていたのだった。
バット星人は柵に縛り付けたルミ子と次郎を郷に見せつける。郷は2人を助けようと観客席を駆け上がっていくが、バット星人は宇宙恐竜ゼットン2代目を出現させる。バット星人は郷に対し、ゼットン2代目と戦う勇気があるのかと郷を挑発する。
郷はウルトラマンジャックに変身しようとするが、突然初代ウルトラマンが焦ってはいけないとテレパシーで郷に語りかける。冷静さを取り戻した郷は変身をやめる。バット星人は郷を挑発し続けるが、郷は変身しなかった。するとバット星人はどうせウルトラ抹殺計画によって殺されると郷をあざ笑った。ウルトラ抹殺計画はゾフィ、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、そしてウルトラマンジャックの4人を皆殺しにするというバット星人の恐るべき計画だった。その戦略部隊としてバット星人はM78星雲にバット星連合部隊を向かわせていた。郷はルミ子と次郎に必ず助けに来ると約束し、基地へと戻った。基地に戻った郷は伊吹隊長にバット星人がゼットン2代目を使い地球侵略を企んでいると報告した。その後、MAT本部に東京B地区にゼットン2代目が出現したという連絡が入った。伊吹隊長は隊員たちとともに東京B地区へと急行した。郷はマットアロー、南隊員と上野隊員はマットジャイロ、伊吹隊長と岸田隊員と丘隊員は地上からゼットン2代目に攻撃を仕掛ける。しかしマットジャイロは撃墜され、その後、郷のマットアローもゼットン2代目のゼットンナパームをオイルタンクに被弾してしまい不時着することになってしまう。
一方、バット星人はMATが出動した隙を狙いMAT基地に侵入、心臓部である原子炉を破壊する。その後、ゼットン2代目は一瞬姿を消すと、手にルミ子と次郎を捕まえ再び姿を現す。ビルの屋上にバット星人も現れると、夕方5時に東亜スタジアムでルミ子と次郎を処刑するとMATに宣告した。気が動転する郷を伊吹隊長は落ち着かせ、ルミ子と次郎の処刑まで残り4時間と迫る中、基地に戻って作戦を立て直すことにした。しかし基地に戻ると、基地の心臓部はバット星人に破壊されていて武器弾薬庫は浸水、エアポートも破壊されマットアローもマットジャイロも出撃させることができない状態になっていた。郷は不時着したマットアローを修理してゼットン2代目に挑むことを伊吹隊長に提案、隊員総出でマットアローの修理に取り掛かった。
マットアローは修理することができたが、肝心な燃料は2缶しか入手することができず、時間にして10分しか飛べない状態だった。郷は10分でもいいと言って自分に出撃させてくれと伊吹隊長に告げた。郷は死を覚悟したかのように伊吹隊長や隊員たちと握手を交わすと、マットアローでゼットン二代目へと立ち向かっていく。
南隊員と岸田隊員、上野隊員も地上からゼットンに集中攻撃を開始する。そして伊吹隊長と丘隊員はルミ子と次郎を救出するため東亜スタジアムに急行した。観客席に辿り着いた伊吹隊長と丘隊員の前にバット星人が立ちはだかる。
マットシュートにびくともしないバット星人に伊吹隊長と丘隊員は窮地に追い込まれるが、伊吹隊長がナイフを投げつけると、それが突き刺さったバット星人はスタジアムの上から地上に転落する。しかし転落したバット星人は巨大化してスタジアムを襲いかかろうとする。伊吹隊長と丘隊員は間一髪ルミ子と次郎を救出し脱出するが、その直後、郷の乗ったマットアローがゼットン2代目に叩き落とされてしまう。
郷は地上に激突した瞬間、ウルトラマンジャックへと変身した。バット星人はゼットン2代目とともにウルトラ抹殺計画を開始、ウルトラマンジャックを羽交い締めにすると、ゼットン2代目にカラータイマーを狙うよう命令する。しかしゼットン2代目はMATの攻撃を受け抹殺計画を阻止されてしまう。その隙にウルトラマンジャックもバット星人から逃れる。ゼットン2代目はウルトラマンジャックにゼットンナパームを放つが、ウルトラマンジャックはウルトラブレスレットでそれをはね返した。卑怯なバット星人は背後から再びウルトラマンジャックを襲うと、ウルトラマンジャックをピンチに追い込むが、最後はウルトラクロスを突き刺され倒された。
残ったゼットン2代目もウルトラハリケーンで空高く投げ飛ばされ、そこにスペシウム光線を撃ち込まれ大爆発した。
その後、MATはルミ子と次郎とともに砂浜で郷を弔った。伊吹隊長はMAT基地の再建を郷も願っているはずだと隊員たちに言い聞かせると、急いで基地再建に向け、隊員たちとともに基地へと帰っていった。
ルミ子と次郎は郷が帰ってくると信じ、その場に残った。するとルミ子と次郎の予想通り砂浜に郷が帰ってきた。
しかし戻ってきた郷はルミ子と次郎に旅に出ると告げる。次郎はどこに行くのと郷に尋ねる。郷は平和な故郷を戦争に巻き込もうとしている相手から守るために故郷へ行くと答えた。そして郷は次郎に大きくなったらMATに入れと告げると、砂浜でウルトラマンジャックへと変身し故郷M78星雲に帰って行った。次郎はウルトラ5つの誓い「一、腹ペコのまま学校へいかぬこと 一、天気の良い日に布団を干すこと 一、道を歩く時には車に気を付けること 一、他人の力を頼りにしないこと 一、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと」を涙ながらに叫びちいさくなっていくウルトラマンジャックを追いかけていった。
「こうしてウルトラマンは去って行った。しかし、太陽のように強くたくましかった郷秀樹の姿と心は、この少年と少女の中でいつまでも燃え続けることであろう。さようなら郷秀樹。さようならウルトラマン・・・。」
これで帰ってきたウルトラマンの上原作品の紹介は終了にします。今回の追悼企画で紹介できなかった「怪獣総進撃」、「タッコング大逆襲」、「必殺!流星キック」、「怪獣レインボー作戦」、「恐竜爆破指令」、「怪獣シュガロンの復讐」、「津波怪獣の恐怖東京大ピンチ!」、「二大怪獣の恐怖東京大龍巻」は機会があれば紹介します。
「宇宙から来た透明大怪獣」と
「怪奇!殺陣甲虫事件」は以前に紹介していますのでそちらをご覧下さい。次回はウルトラマンAから「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」を紹介します。
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2020/02/10 21:02:22