2015年03月30日
【大腸がん】入院~手術
続いては手術と、その術後の経緯です。実は腸には”痛覚”が無いそうなので、この部位を切ることによる痛みは無いそうですが・・・さすがにカラダを切ることになりますので、それなりに大変な思いをさせて頂きました。
3月22日 手術前日
翌日の手術に鑑み、前日早朝(9時半)からの入院となる。初日は手術前準備ということでヘソの掃除、麻酔医師の検診、歯科医の検診(全身麻酔を行う際に、歯がぐらついていると欠けてしまうそう)、採血等を行う。昼食、夕食は出たが、基本的には流動食。最後の晩餐は濃い目のコーンスープだ。合わせて絶え間なく電解水を飲む。21時から、錠剤と共に2リッターの下剤を時間をかけて飲み始め、23時にかけて腸内のもの全てを放出。翌日に備えて就寝せねばならないが横のベッドのいびきが激しく、ナースステーションにお願いし空いている病室での就寝を許可される。
3月23日 手術当日
午前中は絶食、水分は10時まで。その後風呂に入り手術着に着替える(下着は付けない)。
・患部マーカー
12時半に呼び出しがかかり、内視鏡にて尻より管を通し手術前の患部マーカーを行った。前回の内視鏡と麻酔方法が違ったので非常に苦しかった。カメラで見る患部は出血しており、確かに通常の内壁ではない。そこに青色の液体を注入、ガン細胞に着色を行うのだ。施工は15分ほど。
・手術
部屋に戻り13時ころに呼び出し、担架に乗せられ手術室へ。体に注射をされ、名前を聞かれたところまでは記憶に残っているが、その先は麻酔により落ち、全く覚えていない。しかし、夢を見ていたことは確かだ。
・術後
名前を呼ばれて目覚め、手術が終わったことが告げられる。意外に意識ははっきりして、むしろ興奮状態に陥る。腹を切られたからなのか、腹筋に力を込めてしまい落ち着かない。そのままナースステーション横の個室に運ばれる(術後1日はそこが指定になるそう)。また、猛烈な寒気が襲ってきて電気毛布2枚に包まれるも、やはり寒い。時間を聞いたら既に16時を回っていて、家族がいっぱい話しかけてくれるが言葉を出すことで体力を奪われるので帰宅してもらう。また、比較的麻酔が効いているうちに尿管を外してもらおうとお願いしたらすんなり許可がでるも、外した瞬間の痛みは今回の手術で最も痛い記憶だ。先生からは手術の成功を告げられ一安心。
・その晩 深夜2時頃~
絶食を行うも点滴をされているので、尿意が1時間ごとに来る。移動して便座に向かっていいとは言われていたが、立つだけで激しい立ちくらみと吐き気、冷や汗。寒気は引き、むしろ体が熱くなっている。こういうときに限ってこってりラーメンとか思い出し、吐き気を繰り返すも胃の中がカラなので出ないのと、腹筋を使うので激しい痛み。また、尿管を外した際の粘膜の傷にて、尿をする事に激しい痛み、寝ながら尿瓶(しびん)で行うのだが激しい残尿感。また、体を動かすたびに内蔵が移動することが分かり、激しい違和感。痛み止めを数回行ってもらいやっと眠りにつくも、尿意で目が覚めまた痛みの連鎖が起こる。
3月24日 術後1日目
朝一番で手術着から用意してあったパジャマに着替える。また、T字帯(医療用ふんどし)でいたことに改めて気づき、激しく下半身を露出していたが、痛みの方がひどくそこに気をかける事も出来ない。日中は痛みでほぼ動くことができず、点滴が続いているので尿意も半端なく、その度に尿道が激しく痛いので恐怖する。尿道の痛みが落ち着いたのは夕方なので、約24時間で粘膜は回復するのだろう。
夜になり体を(ベッドのチルト機構を使いながら)起こすことが出来るようになり尿瓶で尿を溜め、看護婦さんに処理してもらった。また、寒気と発熱(38度後半の記憶が残っている)が続き、非常に苦しい。
ちなみに点滴はブドウ糖、ナトリウムの栄養剤が腕から、背中には弱い麻酔を持続させるものが刺され、背中の麻酔はプッシュボタンが用意され痛みが激しいときに押すことで、効果を促進する(この時はその効果をあまり感じていなかった)。
日中に父母、長女が見舞いに来てくれるも、長女のリアクションに笑ってしまい、その度に体中に地獄のような痛みが来、これは辛かった。
3月25日 術後2日目
激しく回復、点滴は付いたままだが歩くことを推奨され、院内を歩き回る。運動を行うことで腸閉塞になるリスクを回避するためだ。確かに歩くことで腸が動き出し、屁を出すことができた。そうすると恐ろしくお腹周りがスッキリする。また、院内を徘徊中に食堂を見つけ、普段ならばラインナップを見ても全く食指が動かないのだがこの時ばかりは全てが美味そうに見える。食欲も回復しているようだ。
昨晩までのことを考えると動けることが素晴らしい・・・が、歩くことによる消耗と、腹筋あたりの痛みが再発して悶絶する。痛み止めを点滴と共に投入されると眠気が来るのだが、発熱も伴っているので酩酊状態になっていた。
3月26日 術後3日目
背中の麻酔が切れ患部の痛みで起床。朝一番で痛み止めを投入してもらう。背中の麻酔はこの日までなので、その効果があったことを実感する。回診に来た先生が患部に貼り付けてあったテープを剥がしチェック。傷の状態を確認され、そのまま風呂に入って洗浄するよう指導が入る。痛み止めが効いていることもあり、そのまま久々の風呂で体を洗う、それだけで健康に近づいた気がした。夕方には食事が出され、重湯(米を溶いた汁)、味噌汁の汁のみ、かぼちゃスープという汁物のみだが、口から食べることが出来るのは嬉しい。歩くことで点滴が逆流してしまうこと複数回。何度も針を刺しなおすも結構キツかったりする。
3月27日 術後4日目
運動(といっても、遠方のトイレまでの移動)を行うと、やはり患部が痛くなるのだが、痛み止めを使うほどでもなく我慢できる。娘達が見舞いに来てくれ、非常に心洗われる。食事は重湯から汁っぽい粥にクラスチェンジし、おかずも出始める。また、先生の指導で風呂に毎日入って傷の洗浄を行う。初めて夕方、便が出る・・・も、非常に少量。夕方の点滴が最後のものになり、これにて自由の身となる。点滴時は食事をしなくてのどが渇くことはなく、むしろ1時間ごとにトイレに行っていたが、その回数もこの後は減っていくことになる。
3月28日 術後5日目
点滴がないので院内をウロウロ徘徊できるが、パジャマやパンツのゴムが患部(手術跡)を圧迫することで痛みが発生するのでちょっとずらしておく。薬のたぐいはなくなったが微熱は続いており、ダラダラとした一日になる。その際に聞いたのだが、傷は約48時間で癒着、1週間で完全になるそうで、人間の体って意外と頑丈だ。また、腸はただ切除下残りの部分が“繋がっている”だけなので神経接続はまだなく、半年は便秘もしくは下痢に悩まされるらしい。夕飯に伴い下剤を貰うようになった。
3月30日 術後7日目
傷は痛みから痒みに変化している。基本、歩くとやはり消耗するが、調子は激しく戻っている。病理検査(ガン組織)の結果、転移が無いことが判明、ひと安心。歩くスピードも上がってきたが、さすがに走ることはできないし、子供を抱っこすることもまだ厳しいだろう。あとは回復に努めていくのみ。
ここまでのまとめ
手術自体は全身麻酔なので、あっという間に終わります。しかし、腹を切ることによる腹筋力の低下には参りました。また、絶食はもっと長いかと思ったら3日目には”食べられる”ようになります。久々に口にする食料は、見た目がどんなものでも絶品です!
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病気 | 日記
Posted at
2015/03/30 17:12:38
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