
※自分の回顧録として残すために書いたものなので、長いです。私の備忘録のようなものなので、悪しからず笑
【始まり】
リーガルとの出会いは、今から35年ほど前、高校に通うために買ってもらったのが赤茶のローファー👞だった。

多くの同級生は、つま先に縫い目のあるローファーだったが、縫い目があるのは嫌だと言い、つま先に縫い目が無いものを買ってもらったことを鮮明に記憶している。
なぜなら、本当は、つま先に縫い目がある(デザイン)が嫌だった訳ではなく、つま先に縫い目があるものは安く、無いものは高かった(カッコつけたかった)からで、それと、人と同じものが嫌だった(若さ、個性の芽生え)からなのに、そんなことを正直に言えば買ってもらえなくなるだろうと、嘘の言い訳をしたことで、十字架を背負っている。
【現在】
社会人になってからも、靴はリーガルを履き続けている。

他にもメーカーは多くあるが、リーガルは上にも下にも見られない立ち位置を築いていることや、履き始め、しばらく痛い思いをさせられるが、時の経過とともに、自分の足に合うように馴染むため、長く履いて育てる楽しみがあるのも気に入っている。
これは、野良猫や犬に餌を与えているうちに懐っこくなり、愛着が湧くのに似ていると思う。
【靴磨きが趣味に】

いつしか靴磨きは、掃除的なものから、趣味となった。
靴磨きを良くする人なら分かると思うが、靴磨きをしている時間は何も考え無い無心なひと時であるため、心が休まり、終わるとスッキリとし、毎回、小さいながらも達成感も味わえるため、ハマる。

靴磨きが趣味になると、靴墨を塗って磨くだけでは物足りなくなり、つま先や踵をピカピカに光らせるハイシャイン仕上げ(鏡面磨き)を覚えたことで、暇つぶしに事欠かなくった。

革靴を染め替えることをパティーヌというが、失敗しても、やり直せば良いだけで、えいやーと勇気を持ってやってしまえば何とかなる。
ここまで出来れば、黒から茶色、茶色からワインといった具合に、好きな色に変えられるようになるので、靴を買うときの色選びは、それほど意味を持たなくなり、「色」よりも、色が入りそうな「革」質かが気になるようになった笑

これは、下地にブルーを使い、焦茶で仕上げたことで、電気の下など光量が少ない場所では黒にしか見え無いが、太陽光の下ではブルーに見えるマジョーラカラー的に仕上げたもの。
【育てる時間が残り少なくなって来たので】
無難でお手頃なメーカーであるリーガルも、見ればピンキリで、それなりに値幅はあるため、欲しいと思っても、値札を見て諦めることは当たり前だった。
歳を取り、選択肢は随分と増えていったが、店の一番奥の最上段に鎮座するその靴だけは、憧れだった。

リーガル水戸店 奥の棚
(革底の棚、左側がフラッグシップモデルであるシェットランドフォックス)

最上段左上
若い頃は、奥の棚は近寄り難く、遠くから眺めるだけだった。
歳とともに、段々と距離を縮め、シェットランドフォックスを買うまでに至ったが、最上段左上に鎮座するケンジントンだけは、毎回、手に取り、眺めて、また元に戻すの繰り返しだった。
カッコつけていると思って欲しくないが、金額の問題では無く、そこがサラリーマンとしてのゴールのような気がすることも、「いつかは」の存在で良いと思わせてくれていた。
海外メーカーが気にならないこともないが、身の丈に合わないと思うことや、スーツの値段とのバランス、ファッションではなく、仕事靴のため、靴が痛むことや靴底が気になるようではならん!との思いから手に入れたいとの思いは湧かない。
2025年4月から、シェットランドフォックスのロゴが、よりシンプルに変わることや、値上げが行われること、3月末までポイント2倍のキャンペーンを開催していたこと、ここ2年ベースアップが続いていること、そして何より、とあることが理由で、育てる時間を意識してしまったことから、とうとう憧れであったケンジントンを手に入れた。
少し淋しく思うかな、と考えていましたが、濃茶、黒、ストレートチップ、ダブルモンクと、まだまだ種類があることを今回知り、少しズッコケたのは、ここだけのは、な、し、笑、おあとがよろしいようなので、このあたりで〆ます。
おしまい。
最後までご覧頂きありがとうございました。
【参考:シェットランドフォックスのフラッグシップモデルのケンジントンの特徴】

出すべきところはしっかりと出し、絞るべきところはしっかりと絞る、ねじれの効いた非常にメリハリのきいた木型で作られている。

革は、イタリアのイルチア社というタンナーが製造しているラディカカーフで、あえてムラ感を表現するために手作業で染料をしみ込ませていくタンポナートと呼ばれるハンドアンティーク技術で、タンポナート専門の手塗職人が仕上げられている。

製法は、靴の踏まずより前からつま先にかけてがグッドイヤーウエルト式製法、踏まずからかかとにかけてマッケイ式製法という、二つの良さを併せ持つウエルトマッケイ式製法で作られている。

サイドがシュッと細くなって中央が盛り上がるフィドルバック、革底を縫った縫い目が見えないヒドゥンチャネル仕上げ。

かかとから接地面にかけて細くシェイプされたピッチドヒールという特徴がある。
Posted at 2025/04/06 19:22:02 | |
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