![Canon PowerShot G10](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/photo/000/001/839/911/1839911/p1.jpg)
100110、日曜日は川崎で映画などを。当初はアバターを見るつもりだったのですが、東急シネマの日につき大混雑でソールドアウト。代わりに「マッハ!弐」を見て参りました。
マッハ!弐(ONG-BACK2)|KLOCKWORX公式サイト
いえいえ、自分で書いといてなんですけど、「代わりに」だなんてとんでもない!むしろこちらの方が待望していました。期待通り素晴らしかったです。
前作マッハ!!!!!も大好きだったのですが、今回はさらにアクションが凄いことに。CG・ワイヤー・スタント・早廻し無し。ポスターの謳い文句に偽り無しの快作でした。
ちなみに主役のトニー・ジャー(タイ名:タッチャコーン・イーラム、本名:パノム・イーラム)は今作も監督・原案・武術指導・主演の大車輪。そのアクションはさらに鋭さを増し、得意のムエタイ以外にも、酔拳など各種形意拳、詠春拳、長春八極拳、截拳道。居合いに槍、三節棍他など武具操作も披露。34歳、円熟度を増したすごみのある動きは、まさにジャッキーの後継、ブルース・リーの系譜を真に継ぐ者。映画史上最強の身体能力だと断言します!したいです!しちゃおうかな…してもいいんじゃないかなぁ…と。
でもホントに凄いんです。いまさら私がオススメするまでもありませんけど、お好きな方にはたまらないはずです。随所に登場する、タイの民族舞踏シーンも美しく、ヒロインも可憐。象さん渡りも無駄に凄い!!
ま、とにかくトニー・ジャーのアクションです。これはホントーに文句無し。私の素人目には完璧です。
ただ、前作のように、単純明快で爽快な娯楽作品かと言いますと…実は今作は前作とは違う舞台設定のため、上記の武術の数々が「武道」「護身」としてではなく、文字通りの「殺人術」として駆使されています。かなり陰惨なシーンの連続で…
コレ以上はネタバレになりますので、捨てカットを挟んで下に続けます。これからご覧の方はスルーお願いいたします。
![Canon PowerShot G10](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/photo/000/001/839/911/1839911/p3.jpg)
<ラゾーナ川崎 ルーファー広場>
![Canon PowerShot G10](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/photo/000/001/839/911/1839911/p4.jpg)
<MUZA川崎>
![Canon PowerShot G10](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/photo/000/001/839/911/1839911/p2.jpg)
<あ、富士山>
さて、ちょっとネタバレです。
今作の舞台は、15世紀、スコータイ朝からアユタヤ朝に移る戦国時代のタイ、と言う時代設定。現代劇であったマッハ!!!!の続編だとばかり思っていましたので、いきなりハードパンチを受けました。
ちなみに、アユタヤ朝タイ王国には日本人も多数移住しておりました。有名な山田長政等は国王から爵位も授けられるほど。今作中でも日本人の武士が多数登場していますけど、それなりに根拠あっての設定なのですね。ま、ニンジャーの登場までは、ちとやり過ぎかもしれませんけど。
トニー・ジャー演じる主人公のティン(ここは前作と同名)は、スコータイ朝の将軍の子息という役柄。いきなり両親が殺害され、まだ幼い当人は奴隷として売られ、徒手空拳でワニと戦わされる羽目に。そこから山賊の頭目に拾われ、その元であらゆる武術をマスターするという流れ。
舞台は戦国、しかも山賊になるわけで、主人公ティンもその卓越した技術を恣に使い、ざっくざく人を殺します。華麗なその殺陣ぶりはちょっと爽快なぐらい。アクションとしては本当に素晴らしい限り。その後長じたティンは山賊の跡目を襲う前に、親の敵にして国を奪わんとする元将軍を討つべく、新たな旅へ。首尾よく敵を討ち果たし、山賊の本拠地へと戻るのですが…
最後の最後になって、さらに激越苛烈な闘いが。CG無し、生身の真実のアクションは見ているこちらも辛くなってくるほど。ラストの10分は息も出来ず。アクション映画史上に残るカットの連続でありました。凄まじく、それでいて美しい…
そしてラストの悲劇的な結末…能天気な映画に毒されていた私は、最後までハッピーエンドがくるものと…
「悪しきカルマによってティンは死んだ。みんなの祈りがあれば、ティンは輪廻転生出来るかもしれない。」
うろ覚えですが、ラストのブラックバックの白抜き文字です。バツっとこれで終了。ほとんど事故にあったような衝撃でした。まさかこうなるとは…そんな感じで、ほとんど呆然と映画館を後にしました。「セブン」以来のショックです。
今にして思いますと、結局、監督原案者としてのトニー・ジャーは反戦非暴力を訴えたかったのだと思います。俳優としてはパーフェクトな暴力を体現していた彼だからこそ。
劇中でも、例えば幼年期のティンの舞踏の師の言葉、人を殺めた夜のティンの表情、水鏡の自影への血の贖罪、そしてラストのカルマ…因果応報の言葉。暴力の連鎖の無慈悲さ無意味さを…
例えば、一般のハリウッド映画でしたら、目的の為の殺人を、肯定非肯定を考えるいとまも無く、いとも容易く表現しています。邦画でも、勧善懲悪の大義名分の元に、暴力を肯定する事もあるでしょう。今作は熱心な仏教国のタイの映画ならではのこのエンディングだったのかもしれません。個人的には、思想としてもの凄く共感するものがあります。戦争ならば人を殺していいのか?大義名分があれば?マキャベリズム?聖戦?敵討ちなら?自衛なら?今の私のラインは、自衛まででしょうか。それ以上は。
と、申しますか、これってアクション映画のシナリオとしてはちょっとね…
あ、でもマッハ!弐はタイで成功を収めており、既に3の撮影に入っているのだそうです。
悪しきカルマを断ち切った、新たなるティンが、上の私の妄想を踏まえた、アクションの新天地を見せてくれると期待しております。活殺表裏一体。殺人剣を極めた末の活人剣的な。
でもこれを面白く娯楽として昇華させるのはもの凄く難しいでしょうね…特に時代劇としてはほぼ不可能。マッハ!1の用に、法治の前提あっての現代劇でないと成立出来ないような…それとも因果応報輪廻転生モノとして、ムアコックのエレコーゼとかエルリックみたいなエターナルチャンピオン的展開も面白いのかしら……
ま、そんな妄想はひとまず置いて置いて、難しい事考えずにアクションだけ見て、ムエタイスゲー!ひじ討ちコエー!象デケー!と感動するのが一番ですね。
とにかくトニー・ジャーは凄い!最強です!!
D
ブログ一覧 |
映画 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2010/01/13 22:18:42