
お友達のぽにゃさんとこで紹介されてた漫画です。
その紹介を見て、自分も「読んでみたいなあ」と
思って買ってみました~。。。
【夕凪の街 桜の国】 こうの史代/著
(そんでもって、トラックバックさせてもらいやす、
詳しくは、ぽにゃさんの日記の方を参照のこと~…)
内容は、『
原爆』がテーマになっています。
戦争物…っていやそうなんだけど
いわゆる「キノコ雲」とか「直後の悲惨な映像」とかいう…
目を背けたくなる…ような残酷な描写はほとんどないです。
だけど…こんなに戦争の怖さ、原爆の悲劇を切々と「理解」させられる作品も
今まで見たことがないなあ~…と思いました。。。
(作者さん自身が、「自分自身は“被爆者”ではないけれど…」という立場の視点で
描いているためかもしれないでスね。 “目線”がとても近いところにあります。)
戦後に生まれた者にとっては、どう体験者の話を聞いても、どんだけ想像力を
駆使しても、実際に見たこともない「戦争の悲惨さ」を“理解”までするのは
困難なことなんですが~…(少なくとも、自分には「限界」があったかな…と。)
この【夕凪~】を読んで、なんというか…今まで決めつけていた「限界」を軽く飛び越えて
一気に《その時代》の「リアルな空気」を目の当たりに見せてもらった…みたいな
錯覚にさせられたでス。
戦後の復興期って、リアルタイムにそのただ中にいれば…日々の生活を維持するので
精一杯で、過ぎた「戦争」を振り返るゆとりもないんだろうな、
なんだかよくわからないながらも、とにもかくにも、生き残った人達で、出来る限りの
「未来」を作っていくしかないんだろうな…という、諦めと「わり切り」の気持ちが先で
そんなに(原爆症のこととかも)クヨクヨしてるヒマもないんだろうな…という。。。
でも、この人(キャラ)達にとっての「戦争(原爆)体験」っていうのは、ずっと
終わらないんですね。
(放射能の被害…ってだけじゃなく) 「ヒトとしての尊厳」というのか…
何にも悪いことしてないのに、「普通の生活」をするのに“後ろめたさ”を感じなくては
いけないような……人間の“心”の方にこそ、えらく深い「被害」を及ぼす『戦災』だった
んだなあ…ということ、(いちおう?今までも、そういう話を聞いてはいたけれど…)
ここまで、「自分がこの立場だったら、どうするんだろう…」って、しみじみと
考えさせられたのは、この作品が“初めて”なような気がいたします。
…というわけで、いたく感銘を受けましたので、トラックバックしつつ
自分も、この本について…つい、書いてしまったのでした。(^◇^;)
絵のほうも、とっても素晴らしいでス。 すべて「手描き」で…よくもまあ
ここまで“モノクロ”で表現できるなあ…と思うし(しかも、それが重くないし)
…自分も一応「絵描き」なもんで、ちょっと自分のやり方の安直さを反省して
しまったりしました。。。(;^_^A
紙と、インクと、ペンだけで描かれている…まったくもって「無添加良品」、本来
“漫画”というのは、こういうシンプルなスタイルが正しいのかも…でスね。。。
この記事は、
夕凪の街 桜の国 について書いています。
Posted at 2007/09/02 12:00:47 | |
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