
今シーズン早くも11戦の前半戦が終了。
F1も長い夏休みに入っています。
現在のポイントリーダーは3勝をマークしたアロンソ。
シーズン前では誰もこのような展開を予想できなかったでしょう。
フェラーリのマシンが優れるのか、アロンソの腕が優れているのか、この点ははっきりとは見えてきませんが、マッサとの差をみるとやはりアロンソというドライバーの格の違いがよくわかりますね。
シーズン序盤は誰が速いのか、どのチームのマシンが優れているのか、全く謎のシーズであったのですが、やはりフェラーリ、レッドブル、マクラーレンの3強の強さが際立ってきました。
さらにそこに割り込む強さを見せるのがロータス。
後半戦はこの4強のバトルとなりそうです。
昨年との違いというとエキゾーストを使用したブロウンディフューザーが禁止になった点。
エキゾースト出口はサイドポット後方になって、これによりエキゾーストによる空力の時代は終結した、と思いきや実際は全くそうはなっていませんでした。
排気口が上からも見えているのにエキゾーストは下に向かって流されています。
コアンダ効果という気流が壁に沿って走る原理を使って、エキゾーストから排出した気流をボディ下に導き、ディフューザーに高温の気流を流し込む手法。
また、カナデシー効果を生むヘルムホルツ排気チャンバーは、圧力差でストックした排気ガスをスロットルオフ時に排出するためディフューザーの効率を維持することができます。
エキゾーストを空力に用いるためのブレーキング時に燃料を爆発させるようなエンジンマッピングは禁止されたのですが、この手法は合法となっているようです。
レッドブルはトルク特性を変更したエンジンマッピングを使用しましたがこれは禁止させられてしまいました。
航空機産業よりもはるかに難しい空力技術を多用する現代のF1。
規制が強まるほどに複雑さを増しています。
ディフューザー以外で気になるのはフェラーリが採用したフロントのブルロッド式サスペンション。
シーズン開幕前は批判的なコメントが相次ぎましたが、空力的な観点からはやはり優れているようでマクラーレンが開発しているという噂もあります。
レッドブルのプッシュロッドはシンプルに収まっている印象がありますが、マクラーレンのプッシュロッドは後方へ流れる気流を邪魔にしているように見えます。
フロントをプルロッド化してでも空力を獲得したい意向のようです。
そしてメルセデスが持ち込んだフロントウィングをストールさせるダブルDRS。
メルセデスの活躍がイマイチなのであまり注目されていないように見えますが、やはり効果は確かなようで、ロータスが独自のダブルDRSを開発。
2013年からは禁止されることが決定されていますが、それでもトップチームは研究しているようで。
わずかなメリットでも得られるのであれば投資してモノにしたいのでしょう。
その他、手動のライドハイトアジャストの怪しい話もチラホラと...。
そんな感じで新たな空力戦争勃発といった感じのシーズン折り返し地点。
またまた勝手にチーム解析です♪
フェラーリ
やはりアロンソの強さは流石。
誰もが認める強さ、現役最強ドライバーの名は伊達ではないことを実証しています。
ブサイクな上に遅い、世紀の失敗作と言われたF2012はシーズン開幕前に見切りを付けBスペックを開発。
クラッシュテストがまた必要になるほどのリアセクションの変更を実行し、一気にトップクラスの速さを取り戻しました。
しかし、今のフェラーリに必要なものは速いナンバー2ドライバーでしょう。
コンストラクターズタイトルの獲得にはマッサの活躍が必要不可欠。
個人的にはアロンソの優勝以上に予選でフロントローを独占するフェラーリがみたいところ。
レッドブル
ドライバーズランキングではアロンソが先行していますが、コンストラクターズではレッドブル。
ベッテル、ウェバーともに常に競争力があります。
空力が活かせなくなり今年のレッドブルはダメか?と序盤は思わせたものの、速さと安定感を持ち合わせた完成度の高さは流石。
ベッテルが圧倒的な速さを見せたヨーロッパGPでは、ルノーが用意したオルタネーターのトラブルに泣くことになるのですが、ライバルを唖然とさせるほどの速さでレッドブルらしさを見せつけました。
さらにエキゾーストでのダウンフォース獲得できるこの分野は今後もレッドブルにとって大きな力になりそう。
問題はFIAやレーススチュワードがレッドブルに対して厳しい裁定を下す傾向が見て取れる点。
それでもチャンピオンチームの意地、実力で見返してくるのではないでしょうか。
マクラーレン
唯一、ローマウントモノコックを採用し流麗なノーズデザインを持つマクラーレン。
序盤は速さを見せ、最強マシンを持つのはマクラーレンと思われたものの、次第に失速。
ハミルトンはフロントセクションの設計に懐疑的なコメントをしていましたが、フロントよりもやはり後部のボディーワークが大きな役割を果たしている印象。
実際、伸び代はリアセクションにあったようで、ドイツGP前の大幅なアップデートで速さを取り戻してきました。
シーズン終盤にかけてどんどん強さを増すチームですから、ワールドチャンピオンコンビがどう巻き返すのか注目です♪
ロータス
今シーズンもフェラーリ、マクラーレン、レッドブルの3強かと思いきやロータスも加わり4強時代に。
ライコネンの優勝がまだ見れてない点は残念ですが、勝てるポテンシャルがあることは確実。
グロージャンも安定感はイマイチながらも速いドライバーなので他チームにとって嫌な存在でしょう。
シーズン後半、最も注目されているチームです。
メルセデス
速いときもあれば遅い時もあるメルセデス。
予選で獲得するグリッドは良い場合でも、レースでのポジションダウンが多い点は今も変わらず。
タイヤへの熱の入りが良くトラクションに優れるのは利点ですが、タイヤを傷めやすい点が問題。
さらにフルタンク状態ではバランスが悪くなってかペースがイマイチ。
メルセデスの名を冠しながらもこのパフォーマンスではやはり残念に思ってしまいますね。
ザウバー
ザウバー創設以来、最高のパフォーマンスを発揮できるマシンと言われるC32。
しかし、戦略ミス、ドライバーのミスもあり戦闘力通りの結果を残せていない点が残念。
シーズン開幕時から優れたエキゾーストレイアウトを持っていたのでもう少し結果が欲しかったところ。
ペレスは2度の表彰台を記録し、速さを印象づけていますが、問題は可夢偉。
窮地に立たされ焦りも見え隠れしている状況ですが、最低でも表彰台を獲得してみせないと来シーズンのシートは手にできません。
ウィリアムズ
こちらも速さを見せたり遅かったり、いまだによくわからない今年のウィリアムズ。
マルドナドは速さはありますが、安定感がない点が困ったところ。
セナも少し上り調子の傾向が見られるので順当に伸びて行ってもらいたいところ。
フランク・ウィリアムズの姿がいつまで見られるのか気になるところですが、以前のような資金繰りに苦労しているような点は見受けられない点はいいですね。
フォース・インディア
シーズン序盤はそれほどでもなかったものの、最近ザウバーを上回る速さを見せることが多くなってきました。
特に速いのが予選。
ザウバーにとって厄介な存在になっています。
レースではメルセデス同様タイヤに厳しい傾向があり、次第に後退する姿がみられますが、それでも優れたドライバーを揃えているのはチームにとって頼もしいところでしょう。
トロ・ロッソ以下、ケータハム、マルシャ、HRTはコメントが思い浮かばないので割愛しますが、トロ・ロッソは強いて言えばドライバーでしょうか。
昨年のブエミ、アルグエルスアリのコンビの方が良かったと思うのですが...。
まぁ若手を育成するチーム方針なので仕方ないのでしょうけど。
そんな感じでまだまだわからない今シーズン。
またレース外でも今年のストーブリーグは注目度が高く、バトン、ハミルトン、マッサらの来期の去就など気になる点は多々ありますね。
次戦はベルギーGP、スパ・フランコルシャン。
キング・オブ・スパの復活、キミ・ライコネンの走りに期待したいです♪