チームスカイという物凄いプロ集団が存在するのはご存知ですか。
ロードレース界のエースたちが集まっているかの様な、バスケットボールで例えるならまるでドリームチームの様な存在がチームスカイです。
そのチームスカイが独占的に勝利しまくったレースで物言いがついたと噂になりました。
そのチームメンバーが来ていたサイクルウェアがUCI規定に反しているのではないか?とクレームが付いたそうです。
サイクルウェアの二の腕部分などに、小さな突起物を設けそれによって空気の渦をあえて作らせ、流れる空気の層を早期に剥離させる狙いで作られたこのサイクルウェアが問題じゃないかと。
ボルテックスジェネレータの仕組みとは、空気の渦を作るという意味合いがあります。
ランエボ9だったか…で、話題になったボルテックスジェネレータですが、あの突起でなんで空力性能があがるの?って話題になりましたが、それはこういう理屈なんです。
以前、ホイールのスポークの空気抵抗を推し量る説明に使用した図ですが、この一番左側の形状が最も空気抵抗が少ないと言われています。
空気は形状に沿って流れるという特性があり、沿って流れた後に剥離します。
その際に一番左の形状だと剥離する際に発生する「後ろに引っ張る力が発生する」回転渦が最も小さくなります。
しかし、形状的にこういったカタチに縛られると、いろんなモノを製作・設計するのに弊害が発生していまいますよね。
そこで航空機の翼にも見られるように、ボルテックスジェネレータという小さな突起が有効に働くという理屈です。
BMWのE36後期だったか中期だったかのヘッドライトに小さい突起物がふたつ追加されて話題になったのはご存知ですか?
あの突起がまさにコレで、その突起物で小さい渦を発生させ速やかに空気層を剥離させる事で「3シリーズでなんだか風切り音が耳障り」というクレームに対応したという実話です。
この突起が有効に作用する箇所に追加される事で、沿って流れる空気層を剥離させ気流を乱す事で、その物体の後部で渦巻く「後ろに引っ張られるチカラ」を発揮する渦をこのグラフの一番左側の最も小さい抵抗まで減らす…のは難しいにしても、左から二番目くらいまで抵抗を減らす事は技術的には可能だという理屈と実際に運用されている突起物などを「ボルテックスジェネレータ」と言います。
そういう目で見ると、現代の車や少し前の車に様々な形状としてボルテックスジェネレータが存在する事がわかります。
私も乗っていたGDBのF型のフロントバンパーにも付いてます。
R35 GT-Rの2007~2009年式にも付いてますね。
(もちろん他年式でも形状を変えて存在していますが、わかりやすいカタチとしては初期モデル)
先ほど挙げましたランエボなんかはあからさまにボルテックスジェネレータとして売られています。
社外品で純正品のボルテックスジェネレータよりも、より尖らせた製品などがありますが…あれは本当に効果があるのかは微妙ですw
突起をよりせり出して、なおかつ風を切るような形状になってる製品がありますが…それは本末転倒では?w
なんて素人目に考えちゃいます。
本当に風洞実験とかして効果があるとはっきり実証した上で販売されていたらごめんなさいm(__)m
そういう製品の否定ではありません。
でも、本当に面白いですね。
航空機より遥かに遅い自動車でも採用されたボルテックスジェネレータ
その自動車よりも遥かに遅い自転車でも採用されているボルテックスジェネレータ
私はそんなレース機材の様な高級品は使った事がないですが、簡易なエアロパーツとしてBontragerのリムハイト50mmのディープリムや、セミエアロのAllez sprint comp discなどを実際に使ってみて、時速30km程度くらいから恩恵を感じる空気抵抗低減の技術に、正に脱帽です。
ボルテックスジェネレータの理屈を上手く使って、既に所有してるロードの空気抵抗低減を多少できないかな?
なんて妄想にふける時があります。
その前に前面に出ちゃってるワイヤーケーブルをまとめたり、完全内装化目指した方がまずは効果大きそうだなwなんて結論に至ってまだ実行してませんけれど、こういうのは実際に役立つかどうかが大事ではありますが、チャレンジする精神も大事ですよね。
ボルテックスジェネレータの研究をしてみようかなと思います。
そんな大層なモンじゃないですけどw
Posted at 2020/04/20 10:02:21 | |
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