
琉球のミスター・バーディこと、大西さん(仮名)の大きな見込み違いで、那覇空港に着いた私は、途方に暮れていました。
掲示板を見ると、「欠航」の表示が整然と並んでいました。15:00台の便を最後に、日本全国一斉に欠航です。
仕方なくJALのサービスカウンターに並びました。手持ちの搭乗券をキャンセル待ち優先搭乗券に交換してもらいました。既に850番でした。羽田行きの臨時便は、まだ何便あるか決まっておらず、早朝から並んでも、850番目に呼び出されるまでは乗れないことを意味しています。空港職員に予想を訊ねても、なにも明言してもらえませんでした。運がよければ午前中に乗れるし、翌々日になってしまう可能性もあるとのことでした。
空港にあった観光のリーフレットを頼りに、片っ端からホテルに電話していきました。高い部屋なら空いているだろうと考え、高級ホテルからあたっていきました。ところが、どこもかしこも満室になっていました。ガラケーの電池も切れかけ、もうスーツ姿のままで空港のマグロになる覚悟を決める寸前でした。
空港に観光相談所があることを思い出し、一縷の望みをかけて、そこへ駆け込みました。とても親切な職員の方がいて、貴重な情報を頂きました。こういう場合、那覇市内から30キロ以内の宿泊は無理だというのです。近いホテルから電話するのではなく、遠くからチャレンジしたほうがいいと助言されました。また、もう間もなくタクシーも仕事を引き上げ始めるので急いで下さい、と付言がありました。
こうして本島最南端、糸満市のスポーツセンターを予約できました。野球場が併設されたプロ野球のキャンプに利用されていそうな施設でしたが、宿泊できるらしいのです。
「糸満かあ」と嫌がるタクシー運転手を説き伏せ、現地に向かいました。途中から雨が降り出し、あっという間に、ワイパーがききづらいほどの雨脚になりました。私の感覚では、もうすでに豪雨でした。ところが、運転手がいうには、21時過ぎから本格的な暴風雨になるらしいのです。これが序章なのか、と背中に悪寒のようなものが、憑りつきました。このあと、本物の台風を体験することになります。生涯忘れない夜になりました。
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2022/08/24 12:12:34