
カーディテイリングは、再現性の難しさやアレンジの部分こそあれども、基本的には、エスタブリッシュされた手技手法をトレースしているのに過ぎません。その謙虚さは、持ち続けていたいと思っています。
Sam’s Detailing Signature Paste Waxは、最高級T1グレードのカルナウバロウを70%含有しています。YouTubeにあるSam’sの公式チャンネルは、この含有量を言及するのを避けていて、この数値で性能を計ろうとする風潮自体をなくしたいとまで喝破しています。それよりも、ユーザーの身になって処方を考案したという施工性の良さを体感して欲しいそうです。
実際に使用してみると、施工性抜群で、これならまた使いたい、頻繁に被膜を更新していきたいという気持ちになりました。さすがは自信作です。高純度カルナバでありながら、施工性の問題は霧消しており、Samの説明に嘘はないと思いました。
Sam自身は、「Detailing Made Simple」の精神に則り、クラシカルな製法でこのワックスを開発したといいます。そして、昔ながらの方法による車のメンテナンスを楽しんで欲しいと訴えています。
一方で、最新のテクノロジーを取り入れた高級カルナバには、従来はなかった新たな作用が車体に現れるだけでなく、施工者にも作用しているのを感じます。施工の難しさをクリアしたことによって生み出される達成感の反作用なのか、謙虚さが減弱していきます。続けて、知識や親切の押し売り等をしてしまいそうになります。
Samが説く「Detailing Made Simple」は、こうした副作用を生じ得る成分を含んでないことを暗示しているのかもしれません。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2022/11/09 14:50:09