
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
歌謡曲で、その当時の恋愛事情を察することができます。
1976年に荒井由実名義で書かれた「まちぶせ」は、1981年に、石川ひとみの曲として大ヒットしました。曲の主人公の女性は、ほかの人からもらったラブレターを見せる作戦や、偶然を装った帰り道で接近を構想しています。
――「もう直ぐ私きっとあなたを振り向かせる」と決意する女性をどう思いますか。私の周囲には、こういう純真な想いを弄ぶ悪い男がたくさんいましたので、とても心配になります。
1983年に発表された、あみんの名曲「待つわ」は、作詞、作曲ともに岡村孝子です。すれ違いの多い2人の恋路は、カノジョのほうが一方的に待つことで帰結します。同じ「待つ」スタイルでも、「ほかの誰かにあなたが振られる日まで」というのですから、強烈な恋愛感情であり、精神力です。
――あなたは、こういう強烈な想いを抱く異性から愛されてみたいですか? この問いに関しては、賛否が分かれそうです。
奇しくも、同じ1983年に発表された村下孝蔵の「初恋」にも似た描写があり、「好きだよといえずに初恋は」と嘆く詩を、曲のサビに持ってきています。歌詞全体にリアリティがあるのは当然で、実体験に基づいているそうです。TVのドッキリ企画で、村下氏が「初恋」を熱唱中に、曲のモデル女性本人が登場したことがありました。烈しく動揺しつつ、歌唱が弾むように美しくなったのが印象的でした。想いが曲にしみこんでいるのが分かりました。
1986年、有川正沙子が作詞した「夏色片想い」は、菊池桃子のヒット曲です。曲の主人公は、片想いをずっと続けるつもりで春の景色を見つめていました。初夏になると、「偶然に会えたとあなたは思ってる」という歌詞があり、荒井由実の「まちぶせ」作戦を実行したことが分かります。
――こういう行動は、女性ならでは、のものではないと思います。男子校で暗黒の高校生活を過ごした私は、毎日がまちぶせのようなもので、乗る電車の時刻と場所を吟味するのが当たり前になっていました。
1994年、槇原敬之の「SPY」では、デートをキャンセルしてきたカノジョが変装に近い恰好で歩いているところに出くわします。偶然の遭遇から、怪しみ、スパイのように尾行するという展開です。
――これは絶対にしてはいけない行為だと思います。お互いに不幸になるだけの結末しか待っていません。一方で、疑惑を明確にしないことには、いつまでも損し続けるだけですし、放置するのも愚かという意見は多いように思います。
自分の理想は、1991年に小泉今日子が自ら作詞した「あなたに会えてよかった」です。ときが過ぎてからではなく、現在進行形で、こういうふうにパートナーから思われ続ける人生でありたいものです。
現実には、会うたびにそういってくれる素敵な女性がいます。
「今日は、きてくれて有難うございます。お会いできてうれしいです」
コンサートやイベントでの菊池桃子さんです。「皆さん」という主語が入っている可能性もありますが、私の聴覚ではそれを聞きとれません。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、俺がコンサート会場に現れるのを確信して、桃子がステージの上でまちぶせしているんじゃないの~。
行っちまいそうな瞳
俺に投げかけて
ときがくれば
また君はざわめく街さ
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2025/05/25 08:30:31