
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
群馬県の方言には、親しみを持っています。高校が群馬県境に近かったことから、クラスの1/3近くは、上州弁混じりでした。登校初日に驚愕したのは、「きない」という言葉でした。「来ない」が「こ」ではなく、「き」だったのです。最初は、方言だと分からず、小中学校の教育がおかしいのかもしれないと思いました。
語尾に「なん」や「だいね」を付けることが多く、「そうなん」「そうだいね」は、ともによく聞く言葉でした。私が特ダネを披露したときのリアクションとして、丘陵地帯出身のA君は、上州流の語尾が上がる「そうなん?」を連発し、平野部で暮らすB君は、「マジで?」を繰り返していました。
社会人になって、群馬県出身者との交流が急増し、ゴルフを一緒にラウンドするようになってからは、本物の上州弁に染まることになりました。一番驚いたのは、「容易じゃないね」を頻繁に使うことです。しかも、同じ「容易じゃない」でも、グッドニュースのこともあれば、危機的状況の場合もあり、話の流れやニュアンス等で識別しなければなりませんでした。
狭いフェアウェイを見て――容易じゃない。
距離の長いホールの表示を見て――容易じゃない。
OB杭や池、バンカー等のハザードを見て――容易じゃない。
グリーンの起伏や芝目を見て――容易じゃない。
ロングパットでのお決まりとして――容易じゃない。
そして、最後が面白く、パーを取って――容易じゃない。あるいは、予想より大叩きしても――容易じゃない、となります。
「自分だから大丈夫だけど、普通はこなせないよ」という自慢混じりの容易じゃないから、解決策がなくて本当に困っているシグナルまで、一語でカバーできる便利な言葉だと思います。
一方で、千葉県出身で医師になった先輩が、群馬県での診療で困ったと愚痴をこぼしていたことがありました。どの患者も「容易じゃない」を連発するので、カルテにそう書いてはみるものの、医学的知見にはならないというのです。同じように、長野県では、「こわい」という言葉が多くて、カルテで困ったそうです。
車関係の群馬県名物といえば、「頭文字D」があります。舞台となっている赤城や榛名周辺は、ひときわ上州弁が色濃いところです。このエリアで暮らす知人が、ある問題提起をしていました。
――あれは、よくできたアニメだいね。でも、台詞に違和感があるんだいね。声優に群馬弁を教えるのは容易じゃないやね。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、俺だけの女になりたい願望を抑えるのが容易じゃないんじゃないの~。
君は、1,000%
欲しいよ素直な瞳で
君が見た夢なら
Posted at 2025/09/23 08:35:54 | |
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