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イイね!
2011年05月26日

ユニフォミティマッチングvsウエイトマッチングバランス

みんカラでの布教活動?の結果、お蔭さまでユニフォミティマッチングのお問い合わせを全国から頂くようになりました。特に輸入車(ポルシェ、BMW、プジョーが多いです)オーナー様が高速シミーに苦慮されている場合が多いみたいです。(120km以上の高速域での微妙な振動)

よく、ユニフォミティマッチングは、ウエイトマッチングバランス(バランスウエイト最小化)もしくは、ピンポイントマッチング(ランアウト最小化)と同じですか?と聞かれますが、この3つの方法は、実際は全く考え方が違います。

バランスウエイト(錘)最小化は、重量のバランスを、ランアウト最小化は、寸法の振れを、ユニフォミティマッチングは、剛性(主にRFV)を最適にする方法です。

自動車メーカーでのタイヤの組付け方法は、ユニフォミティを基本に組み付けしています。詳しくはこちら

今回は、タイヤ交換時のバランスウエイト最小化の位相合わせをした時のユニフォミティの変化がどうなるか実験してみました。(すいません今回も長文です。。。)

ホイールを良く見ると、バランスウエイト(錘)が付いています。(外側と内側の2面でバランスさせています)ホイールのリムの部分に打ち込んであったり、見栄え重視で、内側に両面テープで張り付けてたりします。 貼り付けの場合は、打ち込みに比べて倍位の重さが必要になります。 バランスが狂うと、振動が発生して車両にダメージが蓄積していきます。

 

バランスウエイトを最少化するには、ホイールの重い部分(重点)と、タイヤの軽い部分(軽点)を一致させればよい事になります。ホイール単体でバランサーに掛けます。



測定結果です。インナー(内側)12gアウター(外側)26gの合計38gでした。
表示している場所にウエイトを貼りますので、ホイールの重点は180度逆になります。(実際はスタティックとダイナミックバランスの合成値なのですが)



ホイールのランナウトも同時に測定してマーキングします。
赤い円が、ホイールの重点で、青い円が、ホイールの一番へこんでいる所です。
7時の方向にエアバルブが有ります。教科書的にはこの部分が一番重いはずですが、実際は120度ほどずれています。



次にタイヤの一番軽い所を探して、ホイールの重点と合わせて組込ます。探し方は、ホイール単体でバランスを取ってからタイヤを組付けてバランスを見ます。ホイール単体でバランスが取れているので表示されたウエイトがタイヤ単体のバランス量になります。タイヤの軽点とホイールの重点を合わせて再びタイヤを組換えます。



GSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。



測定結果です。インナー16gアウター10g 合計26gです。ホイール単体の38gよりも12gウエイトが減っています。貼り付けで26gなので、打ち込みだと20g以下だと思います。




ユニフォミティ(RFV)は、アッセンブリーで 55Nでした。
バランスウエイト最小化の場合はこれで終了です。



今度はユニフォミティマッチングで組込ます。先ほど測定したホイールのローポイントとタイヤのユニフォミティポイントを一致させて組込ます。



ユニフォミティ組込の測定結果です。ウエイトはインナー15gアウター50g 合計65gです。39gウエイトが増加しました。



ユニフォミティ(RFV)は、45Nでした。先ほどと比べると10N低減しました。

 

実験の結果から、重量バランスが良い真円度が高いと言うことが言えます。

タイヤの性能を発揮させるには、タイヤホイールの真円度が重要になります。
RFV10Nは、概算で荷重されたランアウト0.06mmに相当します。55Nは0.33mm相当ですので、真円度が0.33mm(55N)から0.27mm(45N)に改善された事になります。
0.3mmの振れで起こる加振力は、バランスウエイト30gに相当するというデータが有ります。つまり、重量バランスをいくら精密に取ったとしても、RFVが50Nあれば、残留アンバランスとして作用して、バランスウエイト換算で30g程度の加振力が発生してしまいます。
簡単に言えば、走行状態のタイヤが僅か0.3mm上下に動くことで振動の要因が発生することになります。昔は、タイヤの振れをダイヤルゲージで測定して1mm以内だと良好としていた時が有りましたが、今の車両では1mmだととんでもない状態になるかもしれません。

経験上国産車の場合は、サスペンションセッティングで、100N程度のRFVでは、振動が出ないような設定(鈍感)になっているようです。対して輸入車の場合は、シビアなセッティングで、40N程度でも振動が発生してしまう事が有るようです。この場合が、いくら精密に重量バランスを取っても振動が出る一因となります。このような車両は、タイヤ自体のRFVが40Nを超えていると何をしても振動が出ますし、RFVが30Nでは、僅か6gほどの重量バランスの狂いで振動が発生してしまいます。
 
ノーマル状態の場合は、固有振動数や共振点を加味して設計されているのですが、サスペンションチューニングやタイヤホイール交換により共振点が変化して振動が発生してしまう事も有りますので注意しましょう。

とある自動車メーカーのテクニカルセンターの方とお話した事が有りますが、最近は、バランスウエイトの量が多いと品質が悪いのではとのクレームが多いと嘆いておられました。(貼り付けが増えているのも一因かと)ウエイトは多いよりは少ない方が良いですが、重量のバランスは後から取れますが、真円度(ユニフォミティ)は、組付け時しか取れませんので、タイヤ交換時は、ウエイトの量よりもユニフォミティを重視して組付けた方がより真円に近づけると思います。 

参考までにタイヤ単体のユニフォミティですが、国産の場合は100N程度(荷重された振れで0.6mm)を不良品としているようです。通常20~80Nです。最近はやりのアジアンタイヤは、ばらつきが多くて20~200N(1.2mmの振れ)です。100N以上はあまり無いですが1割程度外れが存在する印象です。(生産国によりかなり違ってきています)欧州系タイヤは真円度は高く20~50Nです。(但しトップグレード)
ホイールについては純正が精度が高く0.05mm以下の振れです。市販の安いホイールでも最近は0.5mm以下がほとんどです。但し2P、3Pは1mm程度の物は有ります。

機能性重視の方は、鍛造1Pとプレミアムタイヤの組み合わせがお勧めです。 鋳造に比べて重量バランスが非常に良いです。
ユニフォミティが良好ですと200km/h以上でも振動は皆無で、路面に吸いつくように走ります。


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Posted at 2011/05/26 20:31:38

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