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イイね!
2012年03月10日

ベントレーコンチネンタルGT

輸入車ディーラー様からユニフォミティマッチングの依頼がありました。80km付近で振動があるのでユニフォミティを確認してほしいとのことです。遠方の上新車なので、今回はタイヤホイールを送付いただいて対応することにしました。

車両ですが新車のベントレーコンチネンタルGTとのことです。
6L W12エンジン ツインターボ 4WD 最高出力 575PS トルク 71.4kgm 最高速度 318km/h 0-100km/h 4.6秒 車両重量 2,320kg 車両価格 2,400万円オーバーのモンスターマシンです。

恥ずかしながらW12型エンジン知りませんでした。VWの3LV6を合体したエンジンなんですね。



ホイールは、オプションの21インチです。おいくら位するのでしょうか?3ケタ万円?



裏を見るとBBS製の2Pでした。2Pはどうしても組立精度が出にくいのですが。。。



タイヤはピレリ P-ZERO 275/35ZR21 ベントレー認証タイヤです。



早速ユニフォミティテスターバランサーGSP9700フランジプレートを使用して装着します。



フロント右から測定しましたが、RFVが245Nととんでもない数値です。残り3本も55N、230N、140Nと通常ではありえない数値でした。これでは振動が発生してしまいます。



とりあえず原因を探るべくレバーレスタイヤチェンジャーSICE S300にてタイヤを外します。TPMS(空気圧センサー)付なので慎重に外します。



ホイール単体でGSP9700にセットしてラテラル、ラジアルランナウト(RRO)を測定します。



測定後、再びタイヤを組み込んで、位相組換えをします。



位相組換え後再びGSP9700にセットしてユニフォミティを測定します。
結果、タイヤの交換をお勧めされてしまいました。特にTIRが210Nとありえない数値です。TIRとは、ブレの最小と最大の差(ピークトゥピーク)です。210Nとは1.3mm程の縦ブレとなります。通常は80N以下が望ましいです。



ホイール精度は0.3mm程度と、2Pとしては普通です。



リアに装着されていたタイヤはもっと酷く、2次RFVが115N、TIRも220Nでした。2次RFVとは、1回転中に2回の振動成分が有るという事です。簡単に言うとタイヤが卵のような形(楕円形)になっている状態です。



ホイールは正常ですが、タイヤがダメダメです。



リアのもう1本も2次RFVが悪いです。



頑張ってユニフォミティマッチングしましたが数値的に振動は無くならないと思います。 RFVは、国産車で80N以下、輸入車で40N以下が望ましいです。



全体の数値です。タイヤ単体のRFVが悪すぎます。

 

あまりにタイヤのユニフォミティが悪いので、ディーラーの担当者様に事情を説明しましたが、メーカーは、現車装着して確認しないとタイヤは交換出来ないようです。
とりあえず、できる限りRFVを最小化して組み付けてディーラー様に発送しました。
到着してすぐにディーラー様で装着して試運転したそうですが、やはり以前よりは改善されたが微振動が残るとの結果でした。今後メーカーと話し合うとのことでした。

ピレリPゼロ(ベントレー認証)と純正(BBS)ホイールの組み合わせなので、製品不良とは考えにくいです。ですので、今回のユニフォミティ不良ですが、タイヤにフラットスポットが出来ていることが原因と推察されます。

最近、輸入車で特にロープロタイヤを装着した新車で、ハンドルブレや微振動が発生する事例が結構ありまして、ほとんどがフラットスポットが原因のようです。

通常フラットスポットと言うとブレーキロックやスピンを思い浮かべますが、長期間駐車によるフラットスポットも良く発生します。あくまで経験上ですが、3か月以上長期駐車すると回復不可能な変形が発生します。長期間駐車する場合は、タイヤ空気圧をかなり高めに入れてたまにタイヤ接地面を移動させると変形しにくいです。

新車のフラットスポットは少し事情が違い、新品タイヤは走行により熱が入って初めて完成されます。200km~1,000km走行することにより内部構造が少し成長して、ゴムも熱により2次加硫されて初めて本来の設計性能が発揮されます。

新車の輸入車の場合、船便で1か月以上掛けて輸入されます。個々の駐車位置により、甲板の温度も違うと思います。甲板の温度が高い場合ですと、接地している部分のみ加硫が促進されて平らに固まってしまう事が考えられます。(対策としてタイヤの空気圧を高めにしていると聞きました)

慣らしが終了しているタイヤは、多少の長期駐車ではフラットスポットは出来にくいですし、出来たとしても走行することにより改善されますが、慣らしが終わっていないタイヤに部分的に加硫が促進されると回復不可能な変形になります。

今回のベントレーも輸送中に出来たフラットスポットが振動の原因ではないかと思います。車重も2.4トンもあり、しかも21インチと言う悪条件ですので。。。

ロープロタイヤにお乗りの方は、タイヤ交換したら適切な慣らし運転(60km/h以下で最低200km以上)を実施してください。慣らし終了後タイヤの成長により空気圧が低下しますので、空気圧点検も忘れずに実施お願いします。
ブログ一覧 | ユニフォミティマッチング | 日記
Posted at 2012/03/10 18:08:33

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