
前回
タイヤ組込みのコツとは?その1 からの続きです。
タイヤとホイールを組み合わせる時に、唯一の接点となる
ビード部分の画像を8枚掲載しましたが、違いは分かったでしょうか?
ビード部分は、タイヤの真円度を決める重要な部分なのでメーカー毎に色々な工夫を凝らしていますが、有るメーカーのみ特殊な形状をしています。恐らく特許だと思いますが、日本人らしい考え方から生まれた形状だと思います。
正解はNo4とNo8です。
No4はブリヂストンGR-XTです。
No8は同じくブリヂストンのスタッドレスREVO GZです。
ビード形状の違いですが、ビード部のヒール部分が少し膨らんでいるのが分かるでしょうか?この形状を膨出ヒールと言います。この形状はブリヂストンのみが採用しています。
下の画像はミシュランタイヤですが、ヒール部分は真っ直ぐな形状です。ブリジストン以外はこのような形状です。是非店頭で触ってみて下さい。
ある程度タイヤ交換の経験を積んだプロの方なら分かると思いますが、ブリジストンのタイヤは誰が組んでも丸く組めると感じると思います。ホイールバランスもそうですが感覚的にスーと綺麗に回るので不思議に思っていました。その秘密の一つがこの特殊なビード形状なのです。
この道何十年の職人さんから昨日今日アルバイト始めたあんちゃんでもブリヂストンタイヤは普通に組み付けるだけで真円度が有る程度出るように設計されているのです。
誰が組み付けても有る程度の品質が確保できる日本人らしい考え方なのです。
逆に
ミシュランなんかは組み方により真円度に大きな差が出るので、メーカーにより考え方が違うのが面白いです。
詳細は
特開平7-81334 車輪ユニフォミティに優れる空気入りタイヤ を参照して頂ければ分かると思いますが、文中に
”【0005】発明者は、すぐれた工作精度を有する規格リムに、タイヤそれ自体についてはRROの良好な空気入りタイヤを組付けたときにでも、そのタイヤ車輪としてのRFVが小さくならないことに気付き、その原因がリム組の際における偏心装着に由来することを究明した。”
とあります。これは精度の高いホイールとタイヤが有っても、組込み方で真円度が大きく変わるという事に成ります。
ユニフォミティマッチング(位相合わせ)以前に組み方で大きく変わることが重要なのです。
タイヤ組込みのコツの一つはいかに偏心装着させずにビード部を正確に篏合させるかが重要になります。バーデンでは企業秘密の特殊な方法を使い篏合させます。この方法は多分世界中?でバーデンしか用いていない方法だと自負していますが、時間が掛かるのと、従来の機材では出来ないのとユニフォミティテスター
GSP9700が無いと確認できないのが難点です。
ブリヂストンが開発した膨出ヒール形状ビードですが、当然完全ではなく少しの事で大きく真円度が違ってきます。次回はユニフォミティマッチングを実施しないで、バーデンオリジナルのコツのみで真円度(RFV)がどれ位変化するか定量的に示したいと思います。
※独学と経験に基づく考えなので間違いが有ればご指摘ください。特に本職の方からの情報は有りがたいです。
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ユニフォミティマッチング | 日記
Posted at
2014/01/05 13:37:14