至って私事です。好きな車や関心のある車は多々あれど、その姿を目にした瞬間にまるで雷に打たれたかのような衝撃を受けた車は、人生の後にも先にもこの1台だけです。
私にとってあまりに特別な車なので、そのミニカーが存在することを知り、少し悩んだ末に中古品を購入しました。果たして手元に届いた品は、想像以上に繊細なつくりであり、正直なところリラックスして接することが難しそうなのですが、時々は箱から取り出して眺めて、自分の車に対する憧れというものを忘れないようにしたいと考えています。
2006年に開催されたフォードのサーキット・エクスペリエンスイベントの駐車場、雨がそぼ降る中駐められているのを初めて目撃したレーシング・ピューマ。今でもその記憶は鮮明です。あくまでもコンパクトな成り立ち、しかしまるで4つの車輪が今にも外れて行ってしまうのではないかと錯覚させられるほど、トレッドが極端に拡大されたスタンス。そのワイドトレッドをカバーする、あたかもルノー5Turboを彷彿とさせるかのグラマラスなオーバーフェンダーの膨らみ、ファスト・フォードを象徴するブルーのボディカラーの鮮やかさ・・その全てが強烈なインパクトとなって刻み込まれました。それまで目にしてきたいかなる車-フォードであろうとなかろうと-でも感じることのなかった強い興奮を覚えました。
上は2006年の初遭遇時に撮影した写真。私にとってレーシング・ピューマを象徴するアングルです。そして今日、ミニカーの到着後に写した下の写真でも、結果としてほぼ似たようなアングルになりました。決して両者を見比べながら撮影したわけではありません。このビューこそが、我がレーシング・ピューマの原像なのです。
それまでよく知らずにいたレーシング・ピューマについて調べてみて、そのミステリアスな存在にさらに魅了されることになりました。当初1,000台を限定生産するはずが、結果として500台をデリバリーしただけに過ぎないこと、にもかかわらず日本にも数台が入れられている。そして初めての遭遇から10年以上を隔てて、自転車で会いに行けるくらい、自宅からほど近い場所にレーシング・ピューマが生息しているのを知った時には、本当にフォードの神様がいるように思いました。自分自身でそれを所有していなくても、本当に好きな車というのは身近なところにあって、いつでも自分を鼓舞してくれているような気さえしました。
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Posted at
2023/09/09 22:14:51